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2003年12月20日(土)の「研究発表会」での各発表要旨を掲載します。

1.「バイオテクノロジーの食品産業への利用」
     株式会社ミッカングループ本社 中央研究所 安藤記子氏   〔生物工学部門〕

 糸引き納豆は日本古来の伝統食品であり、最近では様々な健康機能が明らかにされ、健康食品としても注目されている。しかし、糸引き納豆は独特のにおいを有し、この臭いが原因で納豆を食さない人が多く存在する。我々は、納豆臭の原因となる揮発性代謝成分のうち、短鎖分岐低級脂肪酸に着目し、短鎖分岐低級脂肪酸の非生産納豆菌を遺伝子工学的技術を用いて効率的に育種した。その後、遺伝子工学的技術を用いて育種した菌の特徴を利用し、従来の菌育種技術を用いて、短鎖分岐低級脂肪酸非生産菌を育種した。こうして育種した納豆菌を用いて製造した納豆は、現在株式会社ミツカンから「金のつぶ におわなっとう」として発売されている。


2.「避雷対策と落雷模擬実験(1)」
     SGC澤栗技術士事務所 澤栗裕二氏   〔電気・電子部門〕

 大地あるいは接地導体に近接した漂誘導体(非接地)は落雷を誘発するものと考えて、雷多発地区の避雷対策を行っている。落雷の模擬実験として○△☆形状の試験導体を接地・非接地として放電実験してみると、少ない確率ではあるが非接地の場合には放電電圧が接地よりも低下する新しい事実が認められた。また、非接地の場合は放電アークが試験導体あるいはその近傍に発生することも認められた。
 未だ、その道の大家に認められるに至っていないが、これまでの避雷対策成功率が100%、無事故7か所延べ40年になる。この実績を唯一の根拠として、避雷誘発現象を対策と実験から類推して報告する。


3.「中部国際空港の緑化計画」
     シンコンサルティング 山西孝二氏   〔建設部門〕

 現在、中部国際空港は、2005年2月の開港を目指して急ピッチで工事が進められ、旅客ターミナルビル等の上物建設が本格化してきている。今回の発表内容は、この旅客ターミナルビルの東側に位置する駐車場周辺や滑走路周りにおける緑化計画である。本計画の課題は、海上部に立地しているという環境特性への適合性や、維持管理を含めたトータルコストとしての経済性等である。
 緑化工事に使用する植栽樹木は、多岐にわたる。本空港の立地特性等に適合する植栽材料を検証するため、空港本島で実施した植生モニタリング調査の概要や、コスト削減への提案内容を報告する。