2012年12月5日(土)に開催された「見学会」の報告 | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年12月5日、15名の参加者を得て、「見学会」を開催しました。 午前中は、中部国際空港“セントレア”に熱と電気を供給する「中部国際空港エネルギーセンター」と燃料電池自動車に充填する水素ステーションの実用化に向けた研究施設「セントレア水素ステーション」を見学。その後、“セントレア”に移動してスカイタウンで昼食を取りました。午後は、博物館「酢の里」と国盛「酒の文化館」を見学しました。 ≪見学施設の概要≫
≪スケジュール≫ 7:50 新幹線名古屋駅の改札口前に集合 8:00 〜 8:50 駅前から「中部国際空港エネルギーセンター」まで貸切バスで移動 8:50 〜 10:20 「中部国際空港エネルギーセンター」を見学。徒歩で次の施設に移動 10:30 〜 11:15 「セントレア水素ステーション」を見学 11:15 〜 12:40 セントレアにバスで移動して昼食を取る 12:40 〜 13:15 セントレアから半田市の「酢の里」までバスで移動 13:30 〜 14:30 博物館「酢の里」を見学。徒歩で「酒の文化館」に移動 15:00 〜 15:45 国盛「酒の文化館」を見学 15:45 〜 16:55 名古屋駅前に戻る 17:00 解散 ≪内容≫ (1)「中部国際空港エネルギーセンター」 「中部国際空港エネルギーセンター(以下、センターという)」は空港島内における「地域冷暖房システム」の中枢となる施設であり、旅客ターミナルへの電気供給と旅客ターミナルを含む空港島内施設への熱供給を担っています。旅客ターミナルへの電力供給ルートは、中部電力から直接供給する海底ケーブルルートと、センターから供給するルートの2系統があり、旅客ターミナルのピーク時の電気需要は2系統合せて1万Kw/hとのことです。センターのガスタービンコージェネレーション装置の出力は4,950Kwですが、「中部電力からの電力供給が止まれば、装置も止まってしまう」との説明は驚きでした。見学に先立って施設説明とPRビデオの放映があり、見学終了後に質問時間を設けていただきました。「テロ対策は十分に整っているか?」「パンフレットにMuseum記した意図は何か?」など、様々な質問に対してセンターの梅村様は丁寧に答えていただきました。
(2)「セントレア水素ステーション」 「セントレア水素ステーション」は、燃料電池自動車(FCV : Fuel Cell Vehicle)とFCVに水素ガスを供給する「水素ステーション」の普及を目的として設置された実用試験施設です。2006年7月に運用を開始し、2011年度からは、NEDO事業の技術実証・社会実験を行っています。FCVと「水素ステーション」普及に向けたシナリオでは、2015年から一般ユーザーへの普及開始を目指しており、2011年3月末には、国内で初めて水素の累積充填14,134Kgを達成するなど、成果が上がっているとのことでした。試験に供されているFCVは、型バス1台、乗用車2台ですが、大型バスは運行を中止しているとのことで、見学時にFCV乗用車を1台用意していただきました。FCV乗用車の重量は約1tあり、製造費は1億円以上とのことでした。FCV開発時は法規制の下、FCVの水素充填圧力35MPaで製造したので、走行距離は300kmに留まっている。2012年の法改正で規制が緩くなったので、現在、水素充填圧力70MPa、走行距離800kmのFCVを開発中である。これが実現すれば計画は前進する、との説明がありました。「水素ステーション」1施設当たりの建設費用は数億円規模とのことです。東邦ガスの甲斐様は、見学者の様々な質問に答えていただきましたので、見学者の満足度は高かったと思います。FCVの製造費用と「水素ステーション」建設費用は非常に高いので、現段階では、2015年からの一般ユーザーへの普及は厳しいと思われますが、今後研究が進みこれらの費用が下がれば、FCVと「水素ステーション」の普及は実現できると期待しております。
(3)博物館「酢の里」 「酢の里」の内部は3つのゾーンに分かれており、お酢に係る様々な情報を得ることができました。「昔のお酢づくりゾーン」では、お酢づくりの歴史とお酢の製法、倉の職人制度等が理解できました。「今のお酢づくりゾーン」では、実際にお酢づくりを行っている「発酵室」を見学し、古来製法が継承されている事を知りました。「情報発信ゾーン」では、お酢のさまざまな効用や使い方に関する知識を得ることができました。この施設見学の後、食生活を見直すことを決意しました。
(4)国盛「酒の文化館」 清酒の銘柄のひとつに「国盛」があります。「酒の文化館」は、「国盛」を育んできた酒蔵そのものです。「酒の文化館」では、酒蔵で使われた伝統の道具や製造過程を示す模型、資料等が展示されており、酒づくりの伝統と技を学びました。見学コースの最後に「利き酒コーナー」があり、様々なお酒を飲み比べることができ、見学者から好評を得ました。筆者も辛口のお酒が気に入り、1本購入した次第です。
最後に、計画時にセントレアの下見を省いたことが災いし、見学時間を短縮するなど不手際がありましたが、参加者にご協力いただいて無事に催行できたことをご報告いたします。ありがとうございました。
≪担当幹事≫ 森澤千春(文責)、村橋光臣 |