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  2013年2月23日(土)に開催された「業績発表会」の報告

1 概 要

 2013年度の業績発表会は3名の発表と、長年の功績で大臣表彰を受けた1名の特別講演でした。

 ○日時 : 2013年2月23日(土) 13:30 〜 16:00
 ○場所 : 中部大学 名古屋キャンパス(鶴舞)
 ○参加者 : 30名 (会員27名、非会員3名)、この内、26名が技術交流会にも参加


2.プログラム

 13:30〜13:35  愛知県技術士会代表幹事からの挨拶

 13:35〜14:30  前半の発表
  (1) コンクリート研究の最新動向について        平澤征夫氏 (建設部門)
  (2) 日本技術士会での講演発表と専門業務の紹介  吉川豊行氏 (機械部門)

 14:30〜14:45  休憩

 14:45〜15:10  後半の発表
  (3) 企業OB技術士としての現状と今後のあり方     犬丸晋氏 (金属部門)

 15:10〜15:35  特別講演
  省エネルギー診断と地球温暖化防止の普及啓発の歩み
  「平成24年度地球温暖化防止活動環境大臣賞」受賞記念講演  杉本利夫氏 (電気電子部門) 

 15:35〜16:00   副代表幹事からの連絡事項など
 16:30〜18:00   技術交流会 (本会場付近の飲食店に移動)


3.発表・講演の概要

1)平澤氏 (中部大学 都市建設工学科 教授)
  コンクリートの最新動向に関する各種文献・図書を紹介され、コンクリート技術視点が、@耐久性、A災害、B高齢化であることを興味深くお話しいただきました。例えば「列島強靭化論:藤井聡氏」では、コンクリートの強靭性で、復興と防災とデフレ不況が一挙に解決できること。変状しない硬練りコンクリート(スランプ3cm)や、錆ない補強グラウト材、支承のないラーメン構造の橋などによる防災面の未来技術についても述べられ、さらに、大学での研究状況やJABEEについての現状の問題も説明していただきました。

2)吉川氏 ((株)テックササキ航空機事業部 治具課課長)
 2つの講演発表(@原子力発電炉に対する技術者の責務、A歴史の中における技術者倫理の位置づけ)を行った背景を説明され、また客観的視点から「原子力発電炉の抱える現状問題と技術者責務」及び「時代とともに倫理観の拠り所が変化する中での技術者の創造力と倫理感」についての問題提起をされました。さらに個々の技術士への提言、日本技術士会(日本で唯一の総合科学技術機関)そのものへの自負を求められました。航空関連の日常業務についての紹介を踏まえ、明るい未来のキーワードは『技術』であると結ばれました。

3)犬丸氏 (イヌマル技術士事務所)
 技術士登録10年、日本技術士会中部本部幹事退任を期に、技術士としての回顧、今なすべきことについてお話をされました。技術指導について国内ではアルミ合金、鋳物、鍛造品の品質改善、海外ではロシアで鋳物工場立案や機械加工工場の合理化、ベトナムで環境対策等の指導に携わられたことを紹介され、また「技術士になって良かったこと」として、専門分野の技術者との面談や幅広い勉強の機会を得たことを述べられました。「技術士として今後も取り組みたいこと」としては、中小企業の技術向上支援や、なごや環境大学を通じての市民への技術士のPR、韓国への技術指導窓口などのお話を伺い、高い志を持たれていることを強く印象づけられました。

4)杉本氏 (省エネルギー普及指導員)
 環境大臣賞を受賞された「長年の地球温暖化の防止活動」の概要と、130以上の業種別設備における「省エネ診断の改善事例」のお話を伺いました。国内だけでなく、海外(マレ−シア、タイ、中国、南米アルゼンチン、イラン、ポーランドなど)での省エネ業務についてのご説明もあり、「今後の省エネのあり方」の問いかけや、新しい省エネ対策の狙いなど、現役最前線の技術者としての迫力を改めて感じることができました。

 発表・講演後の技術交流会は例会会場から徒歩約5分の韓国料理店で行い、例会出席者の約8割近い26名が参加され、4人掛けテーブル6つで肩を寄せ合いながら技術や料理の話に花を咲かせる楽しい一時となりました。技術交流会の時間は、16時30分〜18時と参加しやすく、またお店の混雑する時間帯を避けていたことや、韓国では家族や友達で気軽に食べに行くような身近な料理であったことも盛会となった理由と思いました。


担当幹事(山口正隆、行本正雄)