行事案内に戻る

2013年4月20日(土)に開催された「2013年度定時総会」の報告

 2013年4月20日(土)の午後、 ウイルあいち特別会議室にて、愛知県技術士会jの2013年度定時総会を開催しました。


定時総会 (13:30~14:45)

 代表幹事からの挨拶後、規約に基づいて代表幹事を議長に選出し、続いて代表幹事が書記2名を指名して定時総会が始まりました。

 第1号議案「2012年度の事業報告&決算報告」、第2号議案「2013年度の事業計画&予算」、第3号議案「役員の改選」の何れも原案どおり承認されました。代表幹事からは「2013年度事業計画」の中で、「原子力発電安全神話の崩壊、一向に進まない放射線物質の除染、建造物やライフラインの地震や津波に対する脆弱性など技術への信頼性が明らかに揺らぐ国内情勢と、アジア諸国の目覚ましい経済成長の反動で、PM2.5による環境汚染が見られ、40年前の日本と同様、経済優先により環境問題が後回しにされてきたツケが噴出している」と話され、「今こそ技術士として何ができるかを真剣に考え、行動するべき時期であり、愛知県技術士会の持つ十分な技術力と秘めたエネルギーで自信を持って活動し、大いに社会貢献をして地名度を高めたい」との意向が示されました。具体的には「2013年度運営方針として、① わかりやすく親しみの持てる活動を通じた社会貢献 ② 会員の相互啓発および広報活動の充実 ③ 会員の増加と活性化を全員で取り組む(特に青年技術士へのアプローチを強化する) の3点を中心とした事業展開を図っていきたい」との説明でした。

 引き続き、代表幹事から日本技術士会中部本部内に県支部を設置する動きについての説明があり、第3号議案で承認された新役員の紹介を行いました。
 定時総会の受付 司会の水野朝夫から寺崎均様の紹介   代表幹事の野々部顕治

 来賓としてお招きした愛知県建設部部長の平井雄二様、岐阜県技術士会副代表幹事の寺崎均様を代表して、平井様よりお言葉をいただき、「東日本大震災復興支援活動を継続する中、治水・インフラ復旧、がれき処理などへの災害復旧は現地の意向に沿うよう長期的展望で対応しており、マネージメントができる熟練者(OB職員など)の支援を必要としている」と話され、愛知県の取組みとしては東海・東南海地震や浸水害に対する新しい防止計画の見直し、来年度開催される持続発展教育(ESD)への準備、豊橋技術科学大学との共同研究であるメタンガス燃焼技術の応用、三河地区田原での太陽光技術利用などが紹介され、「いろいろな面で技術的な課題を抱え解決していく必要がある」ということから、「技術士の活躍が、今後ますます必要となり、愛知県技術士会のさらなる発展を期待する」と述べらました。
定時総会の参加者   愛知県建設部部長の平井雄二様
 以上で定時総会を閉会しました。


特別講演 (15:00~16:45)

 小説家の鳴海風氏より 「江戸の天才数学者-世界を驚かせた和算家たち」の講演をいただきました。

 作家であり現役の技術者でもある鳴海氏は、20年以上前から和算家に光を当てた時代小説を書かれている方です。1992年「円周率を計算した男」で歴史文化賞、2006年「和算小説による数学普及への貢献」で日本数学会出版賞を受賞され、2012年「全国に数え切れないほどいた和算家」の中から選び抜かれた8人の人生と功績をまとめて、初のノンフィクション本を出版されました。この本のタイトルが本講演のタイトル名であり、講演内容はこの新作に述べた和算家の歴史的背景・意義の紹介していただきました。
 鎖国下の江戸時代「数学」は、庶民から大名まで身分や職業、地域、性別を超え大勢の人が楽しめる娯楽であるとともに、共通言語(数学語)の役割もあり、日本独自の数学文化が華開いたようです。

  和算家8人の紹介は、①大ベストセラーである数学書『塵劫記』の著者で、和算発展の口火となった技術者の「吉田光由」 ②改暦に執念で挑んだ「渋川海春」 ③独自の方法論で行列式やベルヌーイ数を発見するなど、『算聖』と呼ばれた「関孝和」 ④円周率の謎を解いた「建部賢弘」 ⑤不朽の名著『拾璣算法』を書き、異色の大名数学者の「有馬頼徸」 ⑥関流に数学論争を挑み純粋で過激な数学愛の「会田安明」 ⑦遊歴し各地に和算を教えた「山口和」 ⑧遣米大使(筆頭測量方)として咸臨丸での訪米や幕末から明治初期にかけて『和算』と『西洋数学』の併用案に尽力した「小野友五郎」 でした。数学にかけて個性豊かで、情熱的な和算家の生涯を語っていただきました。

  外国との交流がない時代に内向きとならず、向学心を失わず、愚直にひとつの文化を築いた和算家の生き方を拝聴し、現代日本で失いがちな側面への警鐘を示唆させる、大変興味深い講義内容でした。
 司会の山口省三から鳴海風氏の紹介  長谷川欽一から講師略歴を紹介
 小説家の鳴海風氏  聴講の皆さん


技術交流会 (17:15~19:15)

 同じ建物の会場にて、技術交流会を開催し、会員同士の情報交換が行われました。
 山口省三からの乾杯の音頭  技術交流会の様子