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 2013年6月15日(土)に開催された「あいち交流会」の報告

 2013年6月16日(土)の14時から、JR中央線の鶴舞駅に近い中部大学名古屋キャンパス(三浦記念会館)で開催し、29名の参加がありました。代表幹事による挨拶のあと、大学院生、新技術士を含む7名の方の講演発表が行われました。


14:00〜14:05  代表幹事からの開会挨拶>

14:05〜15:25  【第1部】 ベテラン技術士の発表 (発表・質疑応答で20分/人)
 (1) 水の履歴を探る街−最適設備の計画−  村橋光臣 技術士(上下水道/衛生工学部門)
 (2) 「舗装屋さん」って何 −舗装診断クリニックただいま開業中−  杉浦裕之 技術士(建設部門)
 (3) 技術者が3人集まると技術情報が増幅する   湯浅達夫 技術士(電気電子/総合技術監理部門)
 (4) 航空機製造におけるトヨタ生産方式の適用   安田義美 技術士(経営工学部門)

15:25〜15:35  休憩

15:35〜16:35  【第2部】 修習技術者及び新技術士の発表 (発表・質疑応答で20分/人)
 (5) 油井管材料の高温高炭酸ガス腐食と材料開発   北川智広 (大学院生)
 (6) 廃プラスチックのマテリアルリサイクル評価と選別技術の開発   エバデ アルフレッド (大学院生)
 (7) 私の業務内容紹介と業界における技術士資格  鈴木孝典 技術士(衛生工学部門)

16:35〜16:45  連絡事項その他
16:45〜16:50  副代表幹事からの閉会挨拶
17:15〜18:45  技術交流会




【第1講演の村橋光臣氏】
 講演の骨子として、@水処理のプロセス、A排水処理の技術(成分別処理方法)、B排水処理の技術(下水処理場)、C水処理プラント計画、D水処理プラント実施例(金属塗装工場)、E水処理プラント実施例(大豆加工タンパク工場)、F水の履歴を探る、Gプラントの風景、Hプラント震災被害、Iプラントの壊滅状況。氏は水の履歴を探るため、どのような工程で排水が発生しているかの発生源対策が重要。生産工程の調査ヒアリングにおいては、一筋縄では教えてくれない。手練手管の限りを尽くす。相手の考え、私の体験、そして雑談。モノもヒトも相手にするのが技術者の力量であると結ばれた。

【第2講演の杉浦裕之氏】
 講演の骨子として道路の歴史から入られ、道路の防災機能、東日本大震災の復旧作戦として櫛歯作戦。現在、道路の更新ストックが急増。道路延長120万kmの内、県市町村の管轄が約95%。氏はアベノミクス効果で財政出動(公共事業主体)。市町村の道路事業に新たな潮流、舗装などの点検にも補助金。舗装の定期健診・・平坦性、わだち、ヒビ割れ率。舗装健診クリニック開業中と結ばれた。

【第3講演の湯浅達夫氏】
 「技術者が3人集まれば技術情報が増殖する」という言葉で、技術が高速で変化する現代の技術者交流の重要性を表現し、自身が立ち上げた3つの交流会が現在も継続していることを紹介された。また、自己の倫理的信念を山川健次郎の「技術に堪能な士君子」という表現で解りやすく表現された。更に、1973年の石油危機が自身の省エネ活動の原点であるとして、大手コンビニチェーンが消費する電力量が携帯電話会社や鉄道事業者に匹敵する今日では、これに対応した新しいエネルギー管理技術が求められると結ばれた。

【第4講演の安田義美氏】
 主な骨子として、世界の航空旅客予測、アジアの伸びが大きい。ボーイング社の生産性向上、サプライヤーの集約化、「ボーイング737」の組立ラインの変革。従来のドック式は部品欠品、不具合等で滞留し、仕掛機体が多い。「ボーイング737」をムービング式に変更。リードタイムが従来の22日から11日に短縮。氏が実際に実践した事例に基づき、標準作業に基づく改善の有効性を述べられた。

【第5講演の北川氏智広】
 大深度油井管が増大している。ここでは高温・高炭酸ガス環境での腐蝕が問題でクロムを添加することによる防食効果が知られている。このクロム添加量について各種の実験を行い、腐蝕進行メカニズムを推定した。氏はSEM、EDXなどの解析で、クロムの増量により腐蝕生成物が結晶状から被膜状に移行した、より緻密な構造のクロム化合物が生成され、鉄の溶解が抑制されて耐食性が向上したと考察している。

【第6講演のエバデ アルフレッド氏】
 講演者はナイジェリア出身で英語で講演された。報告書も英文であった。氏は廃プラスチックをペレット状に粉砕し浮上沈降分離方法を開発した、がまだ研究段階である。比重の大きいPVCやPET、比重の軽いPPやPEを水タンクの中で分離選別する。3DCADによるシミュレーション解析を行った。

【第7講演の鈴木孝典氏】
 主なキーワードとして、流動床式熱分解ガス化溶融炉の特徴、ゴミ処理プラント、スラグJIS認証取得と品質管理と販売(アスフアルト用、コンクリート用)、その他小型家電の回収(鉛含有率下げる。レアメタル回収)、間伐材、瓶のカレットの活用。市職員のなかで衛生工学廃棄物管理は7〜8名と少ないと述べられた。

   


 講演会の後、技術交流会が開催され、25名が参加しました。講演会での発表内容などに対する議論が活発に行われ、最後に副代表幹事の締めの挨拶により例会を終了しました。


 担当幹事(石川君雄、竹下敏保