行事案内に戻る

2014年4月19日(土)に開催された「2014年度 愛知県技術士会 定時総会」の報告

 2014年4月19日(土)の午後、名古屋国際会議場(2号館231会議室)にて、愛知県技術士の「2014年度 定時総会」を開催しました。

 代表幹事からの挨拶後、規約に基づいて代表幹事を議長に選出し、続いて代表幹事が書記2名を指名して定時総会が始まりました。

 第1号議案「2013年度の事業報告&決算報告」、第2号議案「2014年度の事業計画&予算」、第3号議案「役員の変更」の何れも、原案どおり承認されました。代表幹事からは、「2014年度事業計画」の説明の中で、「最近の日本はアベノミクス効果、2020年の東京オリンピック開催決定、愛知県下の自動車会社の営業利益が過去最高などの明るい話題があり、このまま元気になって欲しいとの願いと、36年連続工業生産高日本一の愛知県は、全国の産業界をリードする重要な地区としての役割が期待されている」と述べられました。さらに、「あらゆる技術分野で一流の技術者が集まる団体は日本技術士会だけであり、私たち愛知県技術士会も、世の中を大きく変える十分な技術力やエネルギーを秘めている」「各技術者一人ひとりは、地位や知名度が高くなくとも、高度な専門的能力をもっており、自信を持って活動し、大いに社会貢献をして知名度を高め、世の中に技術士会の底力を発揮していきたい」との意向が示されました。具体的な2014年度運営方針は、@わかりやすく親しみの持てる活動を通じた社会貢献 A会員の相互啓発および広報活動の充実 B会員の増加と活性化を全員で取り組む C愛知県技術士会の存続についての方向付けと、愛知県支部組織設立への協力 の4点を中心とした事業展開を図っていきたい」との説明でした。

 来賓として岐阜県技術士会代表幹事の寺崎均様をお招きしました。寺崎様からは愛知県技術士会定時総会の滞りない終了への祝辞と、「2014年度の中部本部4県(愛知、岐阜、三重、静岡)の支部設立」という新しい組織立ち上げに動向への展望が話されました。「特に日本技術士会中部本部の中心メンバーは愛知県技術士会に属しており、愛知県技術士会の動きが他3県に与える影響も大きい」とし、中部4県が協力して支部設立に向かうことへの期待が述べられました。また、「愛知県技術士会のワーキンググループ活動が大変活発化していることは、岐阜県技術士会にも参考となる活動であり、愛知県技術士会のさらなる発展、活躍を期待する」と結ばれました。

 愛知県支部設立と愛知県技術士会のあり方では、代表幹事より「今の愛知県技術士会は日本技術士会中部本部の傘下ではなく、任意団体であるが、愛知県支部は中部本部の組織に入る」「愛知県技術士会が愛知県支部になるのではなく、新しい組織を作るというのが正しい見方である」という基本的な考え方の話がありました。副代表幹事からは「愛知県支部は愛知県在住・在勤の日本技術士会会員から構成され、700余名の組織となって、現愛知県技術士会の約5倍の会員数になるため、支部設立には相当な覚悟が必要になる」との話があり、支部設立に向けてのスケジュールが示されました。会員からは「広報活動をより多くの機会に行ってほしい」との要望が出ました。

 以上で定時総会の全スケジュールを終了し、愛知工業大学客員教授で、元ソニー美濃加茂社長の加藤典孝氏による特別講演「三現主義の徹底による日本のモノづくり活性化」に移りました。

 加藤氏は製造現場の改善に長年取り組まれた方で、「何故、日本が改善を得意としたのか?」を話され、「しかし今、国内外のさまざまな工場では、この得意技を十分に活かしきれていない」「職場に活気を与え、元気な製造業を軸とした日本を取り戻すにはどうしたらよいか?」について、事例を含めて紹介がありました。「1991〜1994年にソニーの改善活動“生産革新(セル生産)”を経験され、上司から言われた『生産工程は1人造りが良い』が記憶に残った。これは創業者の(故)井深大氏からの言葉『分業生産方式は、本来“人”には不向きである』からの影響である。日本式改善活動はライン同士で競い合うが、隣のラインの真似はせず、自分なりの物を編み出す。これが日本の物づくりの基本である。しかし昨今、直近の結果を重視するために、この能力が軽視される傾向にある。また、効率重視の使い捨て文化も問題である。もうひとりの創業者(故)盛田昭夫氏は、日本人が古代より守り育ててきた重要な“価値観”に『もったいない』という言葉がある。この言葉は、日本人の“心”と“日本の産業の本質”を説明する“重要なキー・ワード”であると言っている。改善活動で大切なのは現場に知恵をつけ、そこに働く人の知恵を精一杯引き出し実現に漕ぎ着ける仕組みを創る事が鍵であり、このためには現場を知るための三現(“現場(何処で)”“現物(何が)”“現実(今)”)を見直し、自分の目で確かめて行動を起こすことが不可欠である。現在、あふれる情報が手に入り、コンピュター入力のデータが正しく、シュミレーション通り全てが動くと錯覚している。このような進化は、人の感性を磨く機会を著しく損ねていることも事実である。先ずは、関係者が三現を把握し、しっかり実行する事が大切である。」ということでした。

   


 引き続き、名古屋国際会議場内の食堂で技術交流会を開催し、会員同士の情報交換を行いました。