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 2014年6月28日(土)に開催された「あいち交流会」の報告

 2014年6月28日(土)の13時30分から、JR鶴舞駅に近い中部大学名古屋キャンパスで開催し、25名の参加がありました。代表幹事による挨拶の後、新技術士や修習技術者を含む6名の方の発表が行われました。



【プログラム】

 〔前半〕  ベテラン技術士の方の発表 (発表時間は1人あたり15分、質疑応答5分)
  (1) 吉川豊行氏 (技術士(機械部門))  「航空機製造の仕事の流れ」
  (2) 山口昇三氏 (技術士(建設/総合技術監理部門)) 「コンクリート用化学混和剤と東山動植物園恐竜像」
  (3) 小柳卓治氏 (技術士(化学部門)) 「複合材料(FRP、CFRP)の最新技術及び製品の動向」

 〔後半〕  新技術士の方の発表 (発表時間は1人あたり15分、質疑応答5分)
  (4) 中村朋裕氏 技術士((電気電子部門)) 「技術者として思うこと」
  (5) 城地貴裕氏 (技術士(建設部門)) 「廃棄物処理の効率化の一提案」
  (6) 市川浩司氏 技術士((電気電子部門)) 「車載機器のエレクトロニクス化とEMC問題」



【発表概要】

1.航空機製造の仕事の流れ (吉川豊行氏)
 航空機が一旦事故をおこすと多くの人命が失われ、同時に大きな社会的な反響を呼ぶ。そのことから飛行機というものは怖いものであるとの見方がおきてしまい、エアラインでは乗務員に対して様々な教育を行い、あるいは、使用する飛行機には厳重な整備を施して事故を未然に防止する取り組みをしている。しからば、飛行機を製造する現場はどうかということで、厳しい品質保証体系の中での生産体制を工程ごとに説明した。特に関連する法令については、その重要性を紹介した。

2.コンクリート用化学混和剤と東山動植物園恐竜像 (山口昇三氏)
 コンクリート用化学混和剤の種類と効果を紹介後、特にコンクリートの品質向上に寄与した高性能AE減水剤について実績に基づき詳しく解説した。また、建設後76年が経過した東山動植物園恐竜像の保存活動についても紹介をした。

3.複合材料(FRP、CFRP)の最新技術及び製品の動向 (小柳卓治氏)
 FRPはユニットバスを中心として浄化槽、舟艇、耐食タンク、景観製品に多く使われている。最近のFRPはユニットバスを中心として防汚、防滑、保温等を目的とした高機能化による付加価値化が進んでいる。CFRPは軽量、高強度の特徴を生かしてロケットや、B-787、A-380などの飛行機に多く使用されるようになり、燃費向上の切り札として使用量も増加の傾向にある。最近の複合材料の製品事例を紹介した。

4. 技術者として思うこと (中村朋宏氏)
 私は幼いころからモノに魅せられ、信州大学工学部を卒業し、技術者を志した。外国にすごく興味があり、語学学習が趣味のひとつである。 現在、トヨタテクニカルディベロップメント株式会社に勤務している。会社は高度な技術の固まりであるクルマづくりを高度な技術で支えている。私は質の高い仕事につなげたいとの思いから、自己研鑽を続けている。幾つかの技術の資格を取得した。その中で、技術士一次試験に合格したことがきっかけで、多くの方と出会うことができ、参考になった。これさえあれば安心とか、卒業という世の中ではないので、いつまでも自己研鑽を継続したい。

5. 廃棄物処理の効率化の一提案 (城地貴裕氏)
 現在の廃棄物処理は、各自治体で焼却処分設備を保有し処理を行っている。各自治体単位で焼却処分設備を保有しているために、ひとつの処分場の規模が小さくなり、処理効率が悪く、発電などによるエネルギーの再利用が限られている。そこで、廃棄物処理を広域化し、規模の大きな処分設備で一括して廃棄物処理を行うことで、処理効率の向上と、エネルギーの再利用の高効率化、CO2削減等が可能になる。このモデルプランとして、実際の東三河地区の各自治体の焼却設備の紹介と、廃棄物排出量から算定したガス化溶融炉設備での広域化処理の提案をした。

6.車載機器のエレクトロニクス化とEMC問題 (市川浩司氏)
 自動車が安心、安全に使用できるように、また環境に優しいシステムとするために、電子機器の搭載、電子制御による高機能化、電動化が急速に進んできた。しかし、その弊害のひとつがEMCの問題であり、リコールも発生している。特に半導体の微細化による低電圧化や機能向上のための高周波化は、このEMC問題をさらに難解にしていることを報告した。自動運転など、今後更に自動車の信頼性が重要視される中、EMC問題に対応するには、これまでの製品設計のあり方を変革させる必要があることを指摘した。

   


【技術交流会】

 その後、近隣の飲食店で「技術交流会」を開催し、18名が参加されました。発表会での内容などに関する議論が活発に行われ、また講演者による「ひとこと」もあって、盛り上がって好評でした。


 担当幹事 (鈴木 朗、竹下敏保、行本正雄)