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 2014年11月1日(土)に開催された「講演会」の報告

1.講演会の概要
 日時 : 2014 年11 月1日(土) 14:00〜16:40 (技術交流会は16:40〜18:00)
 場所 : 名城大学名駅サテライト
 講演内容 : 「ユニーの環境・社会貢献活動〜消費者と一緒に目指す持続可能な社会」
 講演者 : ユニーグル−プ・ホールディングス株式会社 執行役員 グループ業務本部 グル−プ環境社会貢献部 部長 百瀬則子氏

2.講演会の内容
 14時から開始し、まず、代表幹事から愛知県支部の立ち上げ状況と支部立ち上げの経緯の説明がありました。続いて、副代表幹事から本日の資料確認、愛知県支部設立関連の補足説明と、講師の紹介があり、講演会に入りました。
 以下、百瀬氏の講演内容で、実際に実施しているショッピングセンターでの実例が主体でした。
 「ショッピングセンターだけではできないお客様の参加型環境づくりが必要。この業界では生産者、消費者の意識、ゴミのリサイクルと処理の環境を整えながら、50〜100年後の地域社会のあり方を模索しなければならない。そのため、リサイクル処理環境を構築しながら、コンビニエンスストア(サークルKサンクス)、スーパーマーケット(ピアゴ)、大型ショッピングセンター(アピタ)を効率的に配置している。店舗自体の環境負荷低減の取り組み、顧客意識の改善ボランティア活動、ヒートポンプ、蓄熱機器の採用、断熱構造の採用、電気自動車の充電設備の設置などを実施。廃棄物を単純に廃棄物として処理するのではなく、徹底した19種類分別と各排出資源の計量と、回収まで鮮度を保って保存するための施設を各店舗に構築。細かく分別することによって、ゴミを資源として利用可能な状態にしている。また、地域社会で発生したリサイクル可能な資源排出物の回収も積極的に行っている。(このリサイクル法の施工状況の説明とその内容の説明いただいた) 社会全体のリサイクル促進および食品の未利用部位・非可食残渣を削減するため、可能な限り加工を行っていない状態で購入し、排出物の低減と分別の容易化を図っている。その関係上、どうしても未利用部位・非可食残渣の排出物の量が多くなる。生ゴミと呼ばれる部位は乾燥させるとエネルギーが必要になり、環境負荷を増大させる。また、安易に液体化して発酵させ下水処理をするようなことは下水処理にとって大きな負荷がかかり、環境を悪化させる。発酵して堆肥にしたいという考えもあるが、中途半端な発酵状態では堆肥として実用性がない。実際に発酵をうまく促進するのは細分化された分別と丁寧な堆肥化の手段を踏む必要があり、安価なコンポストでは土を汚すだけで、とても実用に耐えない。また、リサイクルにかかった費用が一般的なゴミ回収の3倍近くまで価格が上がると長く続かないため、そこを踏まえた上で方法を確立する必要がある。そして、農家の方に買っていただける堆肥の生成と、そこから得られた農業生産物の積極的な購入を行い、リサイクルの輪を形成する必要がある。得られた農産物がいくらエコであっても、安心でおいしい物でなくてはお客様は購入しない。これらの全ての要件を満たし、全員が高いハードルを越えた時点でようやくリサイクルの輪が完成し、安定し続けることができる。(その実例を詳しく紹介された) このリサイクルの輪を始めて実現したので、2013年に農林水産大臣賞をいただいた。このリサイクルの輪は15個回っており、ユニーの全店舗で実施している。(http://www.uny.co.jp/upload/pdf/news_corporate_695.pdf)。レジ袋の排出量も非常に多く、下手な処理は環境破壊の助長になる。そのため、レジ袋の削減に関してもスタンプカード、愛知万博でのPR、レジ袋の有料化(ただし、何ヶ月も前から事前の告知活動とマイバックの事前無料配布)、口コミでのエコ活動の推進、店舗の環境改善による集客、店舗価格低減などによる営業努力の活動を地道に行い、売り上げを長期的に下げずにレジ袋使用量を削減した。結果、レジ袋の購入量、廃棄物などの削減が行われ、収益向上に成功した。これは市民の皆様の力である。こういうお客様の共感を得ながら行動する場を提供するのがショッピングセンターを経営する者の役目ではないかと考えている。(その実例を詳しく紹介された) 石油がなくなる可能性を配慮し、包装容器に関しても植物性プラスティックの採用、てんぷら油の廃油由来の製品の開発と販売を促進している。この結果、日本発でショッピングセンターにエコマークをいただいた。(その実例を詳しく紹介された) 照明設備のLED化によって、10%の電力削減を達成と2年に1回の交換が8年に1回の交換サイクルに低減。このことによって廃棄物削減に貢献している。自然の地熱冷却や、太陽光採光による照明など、前向きな環境負荷低減対応を行っている。(その実例を詳しく紹介された) 生産地域の環境をお客様に理解していただき、可能な限り環境負荷・生態系への負荷が低減される製品採用し選択してもらえるように、消費者と見学活動・環境学習を行っている。各店舗で実施している環境学習において、店長が自ら子供に対しての説明を行うことによって、店長の意識も上がり、現場を見ることを重視するようになり、従業員・顧客の意識も非常に高くなる。(その実例を詳しく紹介された) 過去、公民館が行ってきた役割を小売店が代替する時期に来ている。人も集まる、明るい、空調も効いている、掲示板もある、場所も広い、駐車場もあるので、積極的に様々な活動ができるように場所を提供する役を果たさなければならない。そのためのボランティア同士をコーディネートする役目も小売店の役目であり、ボランティア活動への積極的なサポート活動を実施している。認知症に対しての積極的サポートと支援活動。(その実例を詳しく紹介された) これらの活動を通して、孫の世代以降の世界に対して素晴らしい地球資源を残したいと考えている。ESD(持続可能な社会づくりの担い手を育む教育活動)を推進するように企業として全力で取り組んでいる。」
 

 続いて、同じ場所で技術交流会を開催し、講師の百瀬氏も含め、参加者の交流を図りました。
 講演会の出席者は26名(講師の百瀬氏も含む)で、技術交流会の出席者は19名(同)でした。


 担当幹事 : 水野朝夫、盛田直樹