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2015年7月4日(土)に開催された「2015年度 愛知県技術士会 第1回例会 あいち交流会」の報告

 2015年7月4日(土)の13時30分から、中部大学名古屋キャンパスの6階大ホールで「あいち交流会」を開催し、21名の参加がありました。代表幹事による挨拶の後、新技術士や修習技術者を含む6名の方の講演発表が行われました。

1.野々部代表幹事からの開会挨拶 (13:30〜14:00)
会場風景 代表幹事の野々部顕治氏


2.ベテラン技術士から3名の方の発表 (14:00〜15:45、1人あたりの持ち時間は35分)

@井上祥一郎氏 (技術士(森林、上下水道、衛生工学、農業、水産、建設、環境、応用理学部門)) 「私の技術士活動と(核)エネルギー技術のあり方」
 【発表要旨】 汚水・雨水処理、底質改善、たい肥化の4技術の知見を、アサリやシジミなど二枚貝の衣食住の環境整備に生かす活動をしている。東電福島第一原発事故は森林・田畑・海洋を崩壊させた。ウラン軽水炉、トリウム熔融塩炉、核分裂エネルギー技術の比較が可能になり、原発の二項対立から脱却する第三の道・代替論が現実みを帯びてきた。プルトニウムを消しながら核分裂を利用し、マグネシウム燃料などの循環型エネルギー技術の確立の時間を稼ぐリリーフ技術も紹介する。

A杉本利夫氏 (技術士(電気電子部門)) 「リニューアルが必須な地球環境省エネの話」
 【発表要旨】 IPCCが発表した問題点(米海洋大気局発表、2015年3月のCOは平均400ppmで、地球温暖化の危険水域を超えた)を知り、今後に備えよう。重点的で具体的な対策を進めよう。結果もフォローしよう。独自の効果的な省エネ対策(生産設備などをよく診て測定し、記録から判断)を考えて実行しよう。セミナーなどから省エネ対策を学ぼう。さらに地域工場・中小企業等の省エネ設備導入補助金も活用しよう。2015年度資源エネルギー関係予算、第4次エネルギー基本計画の実現(省エネの徹底推進対策)を推進しよう。

B長谷川正氏 (技術士(化学部門)) 「急発展中のメコン圏諸国の現状と技術士の役割」
  【発表要旨】 アジア諸国において、現在まで150回程の技術指導を実施した。中国はプラスチック加工の分野では、日本を遥かに超える段階にまで発展進歩した。技術士の今後の役割は、メコン圏諸国及びインドでの技術指導である。技術指導では日本での幅狭い専門分野だけでなく、材料、金型、加工機械、リサイクル、用途開発、さらに経営的指導(利益を確保しながら会社規模を発展させる)が求められる。

講師の井上祥一郎氏 講師の杉本利夫氏 講師の長谷川正氏


3.技術士新合格者から3名の方の発表 (16:00〜17:00 1人あたりの持ち時間は20分)

C麻田祐一氏 (技術士(機械部門)) 「私の経験による自動車部品設計における設計工学の適用」
  【発表要旨】 自動車部品へのCAD導入は、コンピュータメーカによるデジタル技術の活用を狙いに進められてきたが、設計手法を中心に設計プロセスを組み立て、これに必要なデジタル技術を取捨選択し、設計者が自身で考え、設計に反映できるシステム構築を目指した。ものづくり技術はコンピュータが創出するものでなく、人間中心に考えた結果を効率的に反映できるプロセス構築を提唱したい。

D納所圭一氏 (中部大学大学院) 「廃プラスチックの触媒油化技術の開発」
 【発表要旨】 廃プラスチックは、主に埋立てや焼却により処理されてきたが、社会問題となって環境への負荷がかかるようになった。プラスチックリサイクルのひとつに油化がある。プラスチック製容器包装の再商品化手法のひとつとして認められた油化事業の歴史、技術分類、油化技術の現状と課題と対策、市場性などを論ずる。また、本研究で使用している触媒(FCCとスラグ)に関するトピックスを紹介する。FCC廃触媒の成分が似ているスラグで実験を行い、FCC廃触媒と大差ない油化率を実現した。高炉水砕スラグは油化の触媒として可能性が大きい。

E山口隆正氏 (技術士(機械部門)) 「技術士になってからの今後」
 【発表要旨】 材料力学でなく、自分の業務内容を踏まえて設計工学(仕様を満たす機械を設計する技術)で技術士を受験した。受験を通じて公益確保・技術士の3義務2責務・継続研鑚の必要性などが理解できた。現在、大学で研究用装置の開発設計に従事。技術士として、人材育成(学生への技術士受験指導)、APECエンジニア(CPDに取組み中)、他の技術者の模範となる(技術者倫理を業務の中で伝える)ことに取り組んでいく。公務員技術士として技術士の知名度向上に繋げていきたい。

講師の麻田祐一氏 講師の納所圭一氏 講師の山口隆正氏


4.水野副代表幹事からの閉会挨拶 (17:00〜17:15)


5.近隣の飲食店での技術交流会 (17:30〜19:30)
 14名が参加し、行本副代表幹事の挨拶(発表者への労いの言葉あり)で始まり、参加者間で活発な意見交換が行われた。
技術交流会風景


4.担当幹事
 鈴木 朗、村橋光臣、行本正雄