【No.34】 「健康一番(青汁飲料健康法)」 技術士(建設部門) 横山芳昌 |
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1938年、いまから23年前、秋の健康診断で私は肝炎と診断されました。この時から、健康に自信があった私が、慢性肝炎(C型肝炎)との苦しい闘病生活が始まりました。 何しろ、当時、国立病院長の診断では、慢性肝炎は治らないが、20年は生きられるとのことでした(65歳までか)。 幸いにして、こうして技術士会に参加できるように、健康が回復できたことを嬉しく思っています。 報筆を依頼されたとき、内容は自由ですとお聞きしましたので、私の慢性肝炎克服療法で最も効果があったと思われる青汁飲料健康法を紹介し、会員各位の健康維持にお役に立てばと思い書き始めました。 もっとも「失敗の原因ははっきりしているが、成功の原因は分からない。」と言われております。何しろ、45歳から51歳までの6年間に入退院を4回繰り返し、慢性肝炎から肝硬変へ移行の兆候がみられたので、もうだめだと観念し、そこで思い切って民間療法に切り替えました。 いろいろな民間療法を試みまた中、いまだに続いているのが青汁飲料で、この民間療法が私の肝炎改善には一番効いたと思っています。 青汁飲料を始めるきっかけは、1988年7月10日の「サンデー毎日」の連載「ドクター谷の東洋医学でこんなによくなる」のページで「漢方 DO IT YOUR SELF」を読みこれだと思いました。 以下「サンデー毎日」の文章を紹介します。 『肝硬変のM子さんに生薬と共に飲み続けるよう勧めたのは、フレッシュな野菜ジュースである。新な野菜にはいわゆる「気」がある。今、森林浴で流行りのフィトチットというのは気の一部だ。目に見えないものでも、人間の体には作用するものは、いろいろある。例えば、体の部分の電位を変えると、人の体というのは明らかに変化する。保存品の野菜に電位はないが、ジュースにすると、含まれているさまざまな電解質が出てきて、いい作用をするのだ。キャベツ50g〜1000g、ニンジン50g、セロリ20g、パセリ5g、リンゴ半個〜1個、それにハチミツを加えたものをベースにして、あとは好きなものをくわえる。毎朝、作ったらすぐ飲むことが大事だ。』 この文章を読んで、早速、家内と相談して始めることにしました。初めの頃は、キャベツをベースにジュースをつくりましたが、数年後にケールの効用を知り、庭で栽培して用いました。 いまだに、家内共々ケールジュースを飲み続けています。ここで、ケールジュースの作り方を紹介します。 ・ケール 1葉、ケールが無いときは小松菜100g ・バナナ 1本 ・りんご 半個 ・水 カップ1杯 ・氷少々 お好み(4月から10月まで) 以上の材料をミキサーに入れミキシング(写真)、ミキシング時間は出来るだけ短く(ミキシング熱を少なくする)ので20秒前後、すぐに飲む。私ども夫婦は朝1番に飲用しています。 ここで、ケールについてふれておきます。 ケールとは、「品種名:ケール 別名:羽衣甘藍 植物分類:アブラナ科アブラナ属 園芸分類:秋播き1,2年草 原産地:ヨーロッパ西部・南部 大きさ:1〜2m 用途:食用」と、花の図鑑に述べられています。 ケールはキャベツやブロッコリーの原種です。歴史は古く、人間の歴史が始まった時、既に存在したと言われているほど、古くから栽培されている野菜です。 ところで、野生の原始型ケールを最初に栽培したのは、古代イベリア(スペイン)のバスク人でした。それをケルト人が紀元前6世紀頃までに、ヨーロッパ各地に広めたと言われています。まさに、有史以前からキャベツはヨーロッパ各地で栽培され、古代ギリシャでは薬用に、ローマ時代では保健食として使われていたのです。 この様に原始型ケールから多くの野菜が進化し、分化しました。 日本に始めてキャベツが渡来してきたのは、江戸時代の宝永、生徳年間(1704〜1714年)です。オランダ人によって長崎に伝えられました。日本人におけるキャベツに関する最初の記録は、あの養生訓で有名な貝原益軒の「大和本草」(1709)です。紅夷菘(オランダ)または、3年草の名前で、記載されています。それによりますと、葉は大型で、味は美味と紹介されています。しかし、当時のキャベツは食用と言うよりは鑑賞用で、葉牡丹(ハボタン)として、栽培されていたようです。 食用として結球キャベツの本格的導入は、明治時代に入ってからです。 ケールは欧米ではロールキャベツなどに用いられている野菜です。日本で野菜として食べられていな いのは、その独特な味のクセにありそうです。ケールは若返りホルモン・メラトニンの含有量もダントツです。総カロチンビタミンAでは、キャベツの約200倍。植物繊維では、ひじき(乾)の約3倍。カルシウムでは、こまつ菜の約20倍。鉄分ではほうれん草の約4倍などです。 このように、すぐれもののケールジュースを飲み始めて15年になります、おかげさまで家内共々元気です。 最後に、ケールの栽培について述べます。ケールは野菜としては入手が困難なことから、ケールを無農薬自家栽培しています。栽培は防虫対策をしっかりすることと、連作障害に注意することです。 自宅の庭では防虫対策として防虫ネットをしています(写真)。葉っぱはバトミントンのラケット位の大きさになります。 今まで、100人以上の方にケールジュースをお勧めしてきました。太陽の光をたっぷり受けた緑の葉っぱは、炭酸同化作用で私たちになくてはならない酸素を供給してくれます。緑の葉っぱはまさに人間の生命を支える命綱です。会員各位が元気でご活躍いただく為にケールジュース飲料をお勧めする次第です。
〈参考文献〉 1) http://www.ao-ao.net/kale.htm 2) http://www.lyasuragi.jp/aojiru/meratonin.html 3) http://www.takushoku-hc.ac.jp/soma/soindex/kyadetu.htm 4) サンデー毎日 1988.7.10号 5) 健康食品と健康法 主婦の友社 |