中国旅行報告
H.11.10.12

 やっと中国旅行に行ってきました。やっとと言うのは、今までに2度中国旅行を計画しましたが、1度も果たすことができませんでした。1度目は、十数年以前、桂林への旅を計画しましたが、出発直前に天安門事件が起こりやむを得ず中止。2度目は敦煌、これも出発間際に一緒に行くはずだった友人が脳血栓で倒れ中止。3度目の正直でやっと実現しました。この間、中国の国情も大きく変わり、楽しく旅行ができたことは返ってよかったかも知れません。

旅行々程(1999.10.04〜08)
名古屋 天津 北京 西安  西安泊@ (華清池、兵馬傭坑、秦始皇帝陵、大雁塔、長安城) 西安泊A (碑林・陜西歴史博物館) 西安 北京  北京泊B (明の十三陵・定陵、八達嶺万里の長城、北京の伝統芸能「天橋楽」) 北京泊C (天安門、故宮) 北京 天津 名古屋

 今年は、中華人民共和国建国五十周年に当たり、10月1日には15年ぶりに天安門広場でパレードが行われ、1日〜10日は国民の祝日ということで官公庁会社は全て休みになっていました。お陰で、車も少なく道路は空いており、かの有名な通勤自転車部隊の姿は見られませんでした。しかし、休日ということで、観光地はどこも大変な人出。おそらく田舎から観光に来たのでしょう、一張羅の人民服に人民帽のお年寄りが孫や子供たちに手を引かれて歩いている姿をよく見掛けました。
【西安へ】
 午前8時50分発天津行きの日本航空で名古屋を出発しましたが、天津、北京を経由して西安に着いたのは黄昏時、1日掛かりでした。愛煙家の私にとって些か辛かったのは、中国でも禁煙運動が進んでいるのか、禁煙場所が多く、空港内、バスの中、全て禁煙。街を歩いている人や、レストランの中でもタバコを吸っている人を殆ど見掛けず、予想外の驚きでした。ガイドは「中国に居る間にタバコが止めれますよ」と冗談めかして言っていました。
 今回の旅は、私達夫婦と近所のご夫婦二組の6人で、6人以上のグループには専属の現地ガイドとバスを塔着地で用意してくれましたので、行動は楽でしたが、最初に戸惑ったのは、北京での乗り継ぎの時でした。北京空港では、ガイドは送迎ゲートから中へ入れないため、西安への国内線搭乗手続は全て自分でやらなければいけませんでした。北京空港は、構内が広く大変分かりにくい上、チェックインしてからも、時々変わる搭乗ゲートのアナウンスが主に中国語、出発便の表示も不十分でいささか戸惑う場面もありました。今年の暮れには、新空港ビルが出来るとのことでしたから、もう少し分かり易くなることと思います。
【西安】
 歴代の皇帝が栄華を誇った古都西安は、歴史の宝庫、1ヶ月滞在しても見尽きることは無いでしょう。 兵馬俑坑 西安は日本の文化・文物に大きな影響を与えた地であり、日本の京都も西安の都に模して造られました。西安の歴史博物館には、古都西安の平面図と京都の平面図が並べて掛けてありました。
西安で私が興味を持っていたものの一つが兵馬俑坑です。始皇帝陵を護衛する等身大の土偶の大軍はは正に壮観でした。兵馬俑坑を見て、どうという感慨はありませんでしたが、これら等身大の土偶は、始皇帝配下の兵一人一人を模して作られているとのことですから、一つ一つの土偶を見ていると、何故か親しみを感じ、この人達が生きていた時代に思いを馳せてみたい気持ちになりました。
 もう一つは、唐代の玄宗皇帝と楊貴妃のロマンスの舞台となった華清宮です。ここには、クレオパトラと並び称せられる絶世の美人楊貴妃が使っていた浴槽があります。(ここは、温泉地でもあり、いまでも温泉がこんこんと湧き出しています)。楊貴妃の浴室は「湯棠海」と呼ばれ、部屋の真中に海棠の花をかたどった石 華清池 造りの浴槽が造られています。浴室の回りの壁には、楊貴妃の妖艶な肖像画や関係資料が展示されていました。「湯棠海」に並んで、玄宗皇帝の浴室「湯華蓮」が建てられています。皇帝の浴槽は楊貴妃の浴槽の5倍ほどの広さがあり、常に多数の美女を侍らせて入浴したということです。
この華清宮は、国共合作(抗日戦線結束のため蒋介石総統と毛沢東主席が休戦)の過程で蒋介石が拉致されたところとしても有名です。
 ところで、先ず最初に私達を一番戸惑わせたのは買い物でした。兎に角、買うべき適正な価格が分かりません。買いたい物がいくらくらいの価値の物か、いくらくらいで買えばいいのか見当がつきませんでした。出掛ける時読んだガイドブックには「半値八掛け」と書いてありました。念のためガイドに聞いてみると、昔はそうでしたが、今は、そうでもないですよとのこと。皆奥様連れですから、買い物は旅の一番の楽しみ。そこで、最初に入った土産物店で孫の土産に最適の中国服を見つけたので早速トライしてみた。店の表示価格は450元、時間を掛けて交渉の末、これが3分の1の150元になりました。やはり、これくらいが適当な価格かと思ったのは大間違いでした。次に寄った土産物店で連れの奥さんがテーブルクロスを買おうとしましたが、1割しか値引きをしてくれません。強引に値引き求めると嫌味を言われ感情的な態度までとられてしまいました。
 買い物も二日目に入ると、だんだん買い方が分かってきました。どうも、この国には土産物店に2種類あるようです。一つは国営の店、もう一つは民営の店です。国営の店は、ほぼ適正な価格で表示してあり、あまり値引きはしてくれません(物にもよりますが)。一方、民営の店の表示価格はさまざま、半値から3分の1位まで負けてくれる。そもそも表示価格が最初から高い。ちなみに、私が3分の1に負けてもらって買った孫の中国服は全く同じ物が国営店では180元の表示価格がついており、もう一つの国営店では200元の表示価格で15%引いてくれるとのことでした。
 物価を知る一番の手がかりは、現地の人の所得です。ガイドの話では、西安どの平均給与は日本円で月1万5千円位とのことでした。
【北京】
 建国五十周年の記念行事最中、主要道路は広く、きれいに整備されており、建物もうつくしく、流石大国の首都という感じでした。
北京に着いた頃から、西安での強行軍で疲れたのか、家内は、持病の腰痛(骨粗鬆症で鉄筋入りのコルセットをしている)や目眩(ヘルペスで三半規管をやられ、疲れると平行神経が異常になる)が出てきて、私の上着に掴まって歩いていましたが、杖を使えば良いかもしれないと、杖を買いました。この杖が表示価格150元、交渉の結果50元。やはり3分の1の価格になりました。家内の様子を見て同情してくれた部分もあるかも知れません。
万里の長城 夜になって気が付いたことですが、目に入る建物や主要道路は全て電飾が施されていて、夕方6時になると一斉に点灯、町中が遊園地に居るような雰囲気、正に絶景でした。
 天安門広場には建国記念行事のパレードに参加した山車が100両以上展示されていて、ずらりと並べられたその光景は、正に壮観でした。歩いている兵士も、遠隔の地から行事に参加した人達でしょう、風船のように膨らみ、足首までありそうな長い防寒コートを着、いかにも寒冷地から来たことを想像させる人達や、おそらく新兵でしょう、若い兵士がグループで記念写真を写したり、小隊単位で小隊長に率いられて観光している兵士達もいました。日頃の観光旅行では見ることの出来なかったであろう旅行ができたことは本当に運がよかったと思います。町の中では沢山の兵士や警官を見かけましたが、拳銃を携帯している人は居なかったように思います。常時警官が拳銃を携帯している日本より治安はいいのかも知れません。
記念行事山車  北京に入った頃には、私達のグループも、買い物は上手になりました。値引きしてもらえる店、もらえない店も分かるようになってきました。土産物店の店員の話では、日本人はあまり買い物をしなくなり、今では欧米の人の方が高い物を買ってくれると言っていました。見ていると欧米の人達は高い水墨画等をけっこう買っているようでした。値引きしてくれる店といっても、これは、みやげ物店での話で、一般市民が買い物をする店では、物価相応の価格体系になっていると思います。普通の店で買い物をする機会はあまりありませんでしたが、値切っている様子もあまり見かけませんでしたし、価格を見ても、まあまあ納得できる価格のようでした。
 食事も心配事の一つでしたが取越苦労でした。私達のグループは、ホテルでの朝食がバイキングであった以外は、全て中国料理でした。本場の中国料理は意外と私達の口に合い、美味しい美味しいとよく食べました。特に、最後の晩餐に出た北京ダックの味は格別でした。昔から、外国旅行をしていて、日本食が恋しくなったら中華料理店を探せと言われているように、中国料理は日本人の口に合うのかも知れません。ただ、こちらの水は硬水で、生水だけはいけないようです。もっとも、中国の人達も生水は飲まないようです。
天安門  旅行に出る前、多くの方から頂いたアドバイスの筆頭はトイレでした。特に、女性のトイレは、恥ずかしいと思ったら入れないということでした。ドアーは無いし、溝に前の人のお尻を見ながら一列にしゃがんで使わなければいけない等、いろいろ聞きました。今回の旅行は夫婦連れの旅、一番心配しましたが、心配することは何もありませんでした。訪問したのが大都市だったことと、私達が表通りばかり歩いたせいかも知れませんが、トイレは、美しく良く整備されていました。有料のトイレも所々にあり、使用料は2角(日本円で3円弱)でした。
 北京の名所旧跡はあまりにも有名な所が多く説明を省きましたが、兎に角、人口や面積だけではなく、何につけても広い国だと思いました。私は野菜作りに興味があるので、移動中バスの窓から畑を見ていましたが、一区画が、日本では大きくても1反ですが、1町はありそうでした。これが、殆ど手作業で行われている様子、気が遠くなりそうです。
今回の旅は4泊5日と短く、西安と北京の上面を少し見てきただけですが、次の時にはじっくり腰を据えて中国を旅したいと思っています。


それでは又!!!

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