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皆さん元気ですか。 今日は家内と一緒に長らく途絶えていた新四国(知多)八十八ヶ所巡拝に行って来ました。古寺の参道に桜吹雪が舞い、木々の新緑は眩しいほど。いよいよ巡礼の季節がきたようです。今日4月14日はお大師様(弘法大師)の命日との事で、白衣を身にまとった巡礼にたくさん出会いました。また、寺の境内には店が並び、農産物や海産物、それに花の苗など地元の産物が売られ、行く先々でお接待を受けました。これも、最近では、お大師様の命日にだけ行われる行事になっているようです。
防波堤の上から、海を見た時、眼前に広がる光景には驚きました。沖の海上一面に重機が林立し、新名古屋国際空港の工事が急ピッチで進められていました。海一面を重機に埋め尽くされた光景は、古い寺のたたずまいとは対照的で、まさにすごいの一言でした。
古い寺には、それなりにいろいろな言い伝えや歴史があり、興味が尽きることはありません。今回の巡拝で一番楽しみにしていたのは、第60番の安楽寺でした。この寺は、正面に苅屋城を見晴らせる高台にある寺で、ガイドブックによると敵に追われた源義朝主従が一時身を隠したと言う伝説の洞窟が残っているとの事でした。 この寺は、本堂庫裏共に新築したばかりのようで真新しく、境内にも伝説の洞窟がある形跡はまったくありませんでした。寺のお庫裏さんに聞くと、 「さぁー、昔は向かいの山にあったと云うことですが・・・。もう無いですよ。」 と気のない返事。 夢のある話、残しておいて欲しかったと思います。 お地蔵さんが井戸から上がって来られたと伝えられる第70番地蔵寺の子安水子地蔵も壮観でした。七日七夜参篭した盲目の女性が満願の日、夢のお告げで、井戸から助けを求めるお地蔵様を知り、探し当てると夜明けと共に日の光を見ることが出来たと言うことです。この井戸から出てきたお地蔵様が祀られています。本堂裏には一体一体
面白かったのは(こんな表現をすると罰が当たるかも知れませんが・・・。)第71番大智院のサングラスを掛けたお地蔵様でした。お堂の奥にサングラスを掛けて鎮座しますお大師様。最初は、何かのジョークではと思ったほどでした。 とにかく、眼鏡を掛けたお大師様は、世界中でこの一体のみということ。 やはり、この眼鏡にもそれなりの言い伝えがありました。 今から約140年ほど前の安政年間、境内の「身代大師」に盲目が治るよう祈願したお年寄りの目が見えるようになり、お礼に自分の眼鏡を置いて行ったそうです。しかし、お年寄の目が治った代わりに、大師自身の左眼に傷がついていました。ある日、住職の夢枕に大師が立ち、年寄りの残して行った眼鏡を自分に掛けさせてほしいとたのみ、この眼鏡を掛けた大師像が造られたと言うことです。 この寺には、用済みになった眼鏡を納める眼鏡塚もあります。 こうして、それぞれの寺にまつわる伝承や昔の出来事をたどりながらの古寺巡拝には時間の経つのを忘れます。 私が知多四国八十八ヶ所を回り始めたのは、平成11年の3月でしたから、もう足掛け3年、やっと8割ほど回り終えました。年内にはなんとか満願をと思っています。
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