記憶喪失
H.13.10.13

 10月8日夜、突然私の記憶が消えてしまいました。
夜中12時少し前、私は台所のテーブルに家内と向かい合って座っていました。なぜこんな時間に私が家内と向き合ってここに座っているの全く分かりません。目の前には次の日の予定を書いた紙が置いてありました。家内は忘れないように大切な翌日の予定を必ず夜床に付く前に紙に書いて台所のテーブルの上に置いておく習慣があります。
私は、家内が書いた明日の予定を見ていましたが、何の事かさっぱり理解できません。 「それじゃ、今朝ご近所の方と結婚のお祝いに行ったの憶えている。」
と家内が私に聞きました。
この日の朝、近くのお宅の息子さんが結婚されるということで町内の人が集まり末広を持ってお祝いに行ってきたのでした。
しかし、私にはそのようなことが有った事は全く思い出せません。
私は、今日あった事や明日の予定を家内から説明を受けながら一生懸命思い出す努力をしました。
1時間以上の時間を費やしたでしょうか、やっといろいろ思い出してきました。
しかし、夜11時頃床に入ってから家内と向き合って台所に座った時までの記憶は完全に消え現在でも思い出せません。
脳の事、明日まで待って手遅れになってはという心配もあり、夜中2時過ぎでしたが小牧市民病院の救命救急センターへ行きました。
流石日本でも有数と言われる救命センター、夜中とは言え全ての検査機器が動いており、即、頭のCT、心電図と検査が行われました。検査の結果異常は見つからず、一過性の血栓ではないかとの診断。夜異常があったら直ぐ来院すること、次の日脳神経外科でもう一度診察を受けることとの指示をもらい帰途に就きました。
帰途車中で、私の異常にどうして気が付いたか尋ねました。
次の日母を病院へ連れて行く予定になっていましたので、
床に入ってから、家内が明日病院へ行かなければいけないことを私に確認したところ
「病院? 病院へ何しに行くんだ。」
という私の返事。
「明日お母さんを連れて行かなければいけないでしょう。」
と言うと
「おふくろがどかしたのか。」
と初めて聞いたような返事。そして、突然私がベッドから起きて台所に来て腰掛けていたと言う。
翌日脳神経外科で診察を受けましたが診断結果は昨夜と同じでした。
以前、目が見えなくなった時も、一過性の血流低下との事でしたから、今回も同じ現象が起きたのだと思います。
脳には海馬と言う場所があり、コンピュータのメモリーのようなもので、当面の記憶を溜めて置く場所だそうです。海馬にある記憶が時間の経過とともに脳に整理保存されるそうで、コンピュータで言えばデスクに保存するのと同じ事なのでしょう。
ですから、
デスクに保存されていた記憶は思い出す事が出来ましたが、メモリーに有った未整理の記憶は完全に消えてしまったのでしょう。
コンピュータは人の脳と全く同じ構造に作られているようです。
小渕元総理が記者会見で見せて数十秒間の沈黙も、私が経験した記憶喪失と同じだったのかも知れません。
年と共にいろいろなことが起きるようになってきました。

それでは又!!!


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