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皆さん、お元気ですか。今日はお盆の最後の日、庭先で送り火を焚き、寺まで精霊様を送ってきました。昔は提灯を燈して天神橋まで送って行き、橋の袂から大山側の川面に浮かべて流すという情緒豊かな行事でした。環境を汚染すると言うことでこの行事は禁止になり、最近は些か味気ない気がしますが、それでも夏の風物詩として季節を感じさせてくれるのには十分な行事です。
スイカは、不思議な作物で、水分を豊富に与えれば葉が大きく伸び伸びと育ちますが、水分が少ないと葉が小さく悴んだようになってしまいます。今年は、苗を植えた後雨が無くずっと日照りが続いたせいか苗の育ちが悪く、病気が出たのではと親切に教えてくれた人もいました。 でも、7月の始めころ豊富に雨が降り、スイカの蔓は元気に大きな葉をつけぐんぐん伸びてくれました。しかし、スイカは雨を嫌う作物で、雨が続くと受粉できず実もつきません。蔓だけは元気でも実がまったく付かない。近所の人たちが、今度は、肥料のやりすぎでは等と専門的な解説をしてくれました。 今年は、もう駄目とあきらめ、スイカは買ってきて食べていました。 ところが、早めの台風がいくつも通り過ぎ大雨を降らせた後、今度は雨なしの日が続きました。スイカは、遅ればせながら子孫を残すため大活躍を始めたようでした。でも、もう今年は駄目と諦めきっていた私の目に、生い茂った茂みの中に出来た小さなスイカの実が入るはずがありません。毎日続く猛暑の中でスイカは遺伝子のプログラムに従いどんどん葉を小さくして行きました。もう今年は実を付けずに枯れてしまうのかと思っていた矢先、悴んだように空き空きになった葉の間からスイカの実が見えるではありませんか。あれっと思って念入りに見回してみると、あちらにも一つ、こちらにも一つ、あるはあるは、あることが分かればもう次々と目に入ってきます。
スイカは、やっぱり私を裏切らなかった。思わず顔がほころび、気分まで晴れ晴れとしてきました。 収穫の日が待ち遠しく、毎日数回畑へ通いました。 ところが、ところがである。世の中それほど甘くはありませんでした。 もう今日当たりはと思いめぼしを付けておいたスイカを採りに出かけた私の目に入ったのは、見るも無残なスイカのすがたでした。スイカの上の部分に拳ほどの穴が開けられ、中身が半分ほど食べられていました。 小さな鳥では硬いスイカの皮を食い破ることは出来ないから、おそらくいつも畑にたむろしているカラスの悪戯ではと勝手に決め、なんとかしなくてはとネットを被せてみたりいろいろ対策を考えてみました。しかし、なかなか効果が現れません。熟したころになると穴をあけられ台無しにされてしまう。 そんなある日、朝早く畑へ出かけた私の目に入ったのは、雛鳥を連れた雉の家族でした。一生懸命お食事中。おいしそうにスイカを突いていました。 これだったのか、急いでスイカの周りにネットを張りました。雉は飛ぶことは少なく、殆ど地上を走って移動します。特に子ずれの雉は、子供と一緒にいる時には先ず飛びません。ですから、歩いて入れ無くすれば先ず大丈夫です。 こんな状態で今年は私たちの口には未だ一個も入っていませんが、もう大丈夫。近々に美味しい自作のスイカを味わうことが出来ることを信じて毎日畑に通っている今日この頃です。
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