レ・ミゼラブル
H.14.10.09

 皆さん、お元気ですか。朝夕はめっきり涼しくなってきましたね。スポーツの秋、食欲の秋、実りの秋、読書の秋、行楽の秋

今朝、食い千切ぎられたばかりのブロッコリー

、四季の内でこうした修飾語の付く季節は秋だけだそうです。皆さん秋を堪能してますか。
 家事多忙で外出もままならぬ私は、目下新調した耕運機を駆って菜園の手入れと冬に備えて庭木の手入れに余念がありません。
 しかし、世の中なかなか思うようにはゆきません。折角順調に育ち始めた野菜が、片っ端から虫や鳥の餌食になり、見るも無残な姿になってゆくのを目にし、最近は野菜つくりへの情熱がやや薄らぎ始めてきました。
 何故か中世フランスの文豪ビクトル・ユゴーの作品『レ・ミゼラブル』が頭に浮かんできました。若い頃に一度読んだことがあるのみのこの小説のストーリーがどうであったかは、もう完全に忘れてしまいましたし、今私の頭に「レ・ミゼラブル」という言葉が浮かんできたこととこの小説のストーリーは全く関係なく、ただ、「レ・ミゼラブル」が「ああ無情」と日本語に訳されていたことだけが記憶に残っていたのが理由のようです。
 丹精込めて育てている野菜がある朝突然無残な姿に変身しているのを見たときの育ての親の無情感、分かりますか?

数日前に食い千切られ朽ちてゆくブロッコリー

 私の頭の中のコンピュータは、私の無情感をどのような言葉で表現すべきか私の心情をキーワードに適切な言葉を検索してくれたようです。私の小さな辞典の数少ない収録語数の中から真っ先に見つけ出したのがこの「レ・ミゼラブル」だったのでしょう。
ここまで育てるのに、
カップに培養土を入れ → 種を蒔き → 毎日水をやり → 移植のため畑に畝を作り肥料を散布 → 雑草から守るためと肥料の流失を防ぐため畝にはマルチ(ビニールシート)をかける → 苗が育ったところで畑に移植する。
 蒔種から約一ヵ月半を要しています。
 それが、ある日突然無残な姿に・・・。正に「ああ無情」です。
 畑へ行く度に鳥に荒らされている野菜を見つけると、植えた野菜全部が荒らされてしまうのではないかと言う一種の恐怖感さえ感じ始めました。
 どうも犯人は、鳩のようです。世の中では、鳩は平和のシンボルと言われていますが、私の目には凶悪犯そのものです。最近は鳩なんかこの世の中から居なくなって欲しいとさえ思い始めました。

新芽だけを食い荒らされた白菜

 毎日、畑や庭を観察していると、毎年同じように見える自然も、絶えず変化していることが分かります。それが、環境の変化によるものか、気候の変化によるものか、それとも何か他の理由によるものかわかりませんが、とにかく毎年変化してゆくようです。
 鳩による野菜の被害も、今年初めての経験です。昨年までは、冬場のヒヨドリやムクドリによる被害には手を焼きましたが、鳩による被害は全くありませんでした。
 鳩の被害と言っても、鳩が野菜を啄ばんで食べるのではなさそうです。鳩が野菜を食べているという形跡はありません。ただ、食い散らかしいると言った感じです。どうも野菜を玩具に遊んでいるのではと思います。
そう言えば、今年はもう一つ気付いたことがあります。一時期全く水田から姿を消していたイナゴが昨年は沢山見かけるようになり農薬の改善によりイナゴが戻ってきたのではと思っていましたが、今年は全くイナゴを見かけません。これが気候の異状によるものか、それとも新しく使われ始めた農薬で死滅してしまったのか分かりませんが、とにかく全くイナゴを見かけなくなってしまいました。
 私の周りの自然現象も、毎年手を変え品を変えして私を退屈させないように努力してくれますが、最近歳のせいか、付いて行けなくなって感じです。

それでは又!!!

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