南知多温泉 源 氏 香
H.16.04.28

 皆さんお元気ですか。

源氏香正門にて。
夕方からかがり火が焚かれ、お客様の到着毎に玄関脇に置かれた大太鼓の音が鳴り響きます。
歳を重ねるに従って暑さ寒さに敏感になり、春も最中と言うのに気温の変化の激しいこの時期はとかく過ごしにくい季節になってしまいました。
3月末に入院した父は、誤嚥が原因の軽い肺炎ということで2週間ほどで退院してきました。高齢になるとどうしても嚥下がうまく出来ず誤嚥による肺炎をしばしば起こすようになるようです。父もこの例に漏れず、入院は、いつも誤嚥による肺炎原因です。
私の膵臓検査は、まだ継続中で、5月6日に予定されているMRIの撮影で一応終わりになります。後は、担当医師から検査結果に基づいて説明を受けるという段取りになります。
最初の検査で医師から気休めを言われているので大船に乗った気持ちで高を括っていますが、でもよからぬ物が出来ていることには間違いないわけですから全く気にしていないと言えば嘘になるでしょう。
父は、退院後一度熱を出し、またかとひやりとさせられましたが、毎日落ち着いて過ごしており、ショートステイにも行くことができるようになりました。鬼の居ぬ間にではありませんが、父がショートステイに入っている間に南知多温泉の源氏香へ行ってきました。

玄関脇の水琴窟を聞く(通りの音が喧しく竹の筒を使って)
源氏香などと言うとお香の名前のように聞こえますが、最近女性の間で大人気の料理旅館だそうです。源氏香のホームページの冒頭には次のように書かれています。

薫りでもてなす 和風旅苑
源氏香
知多半島の南端南知多町「源氏香」は、日本でも数少ない「香り」がテーマの和風旅苑。和のアロマテラピー「香(こう)」によるリラクゼーションを提案しております。お気軽に「香り」をお楽しみ頂くおもてなしの他、尾張の文化と、伊勢湾の自然の恵み、そして女性へのはからいを採り入れております。また、露天風呂では眼下に広がる伊勢湾を見渡しながら、良質な天然温泉をお楽しみ頂けます。

私は、海を見るのが好きで知多半島へはよく出掛けます。今年に入ってからも数度出かけましたが、南知多にこんな旅館があることは全く知りませんでした。

野天岩風呂より伊勢湾の夕日を望む
人の頭は実に精密にと言うか都合よくと言うかうまく出来ていて、関心の無いことや必要の無いことはカットして記録するように出来ているようです。耳が無数の音源から出てくる雑音の中から必要な音声だけを聞き分け理解できるように、目もまた興味の無い景色は無視して全く記憶に残こしておいてはくれないようです。
南知多に温泉が出るようになって数十年になるのでしょうか、海にばかり関心を向けていた私は、今回の訪問で南知多がこれほど多くのホテルが立ち並ぶ温泉町になっていることを再認識した次第です。最近では、温泉だけではなくかっては三河の海で沢山捕れ山口方面に出荷されていたフグが知多の料理旅館で出されるようになり知多のフグ料理は結構有名になっているそうです。
源氏香には、女性専用フロアーがあったり、エステサロンがあったり、主に女性をターゲットにしたホテルのようですが、南知多温泉郷に沢山あるホテルの中から源氏香を私が選んだ理由は、源氏香のホームページから源氏物語をテーマにしたこの旅館は、私に雅やかな平安朝の雰囲気に浸る機会を提供してくれるのではないかと言う期待があったからでした。

津島天王公園の藤の棚
事実、香がテーマではあるもののホテル全体に平安朝の雰囲気を漂わせる努力がなされていて、部屋にも石山寺で見たことのあるあの紫式部の書院の雰囲気を模した一角があり、文机の上の文箱に重ねて瀬戸内寂聴著の源氏物語(なぜか第七巻が一冊のみ)が置かれたり、館内の処々にそのための工夫がいろいろしてありました。
もう一つの理由は、ホームページに載っていた野天風呂の写真でした。ここにその写真を載せて置きました。海の彼方に霞む夕日を見ながら入ることの出来る野天風呂、雰囲気いいと思いませんか。
なんか源氏香のコマーシャルページようになってしまいましたが、源氏香からは1銭も貰っていませんので・・・。
朝9時にチェックアウト。高速道路を通れば1時間で家に着いてしまいます。それではあまりにも味気ない気がして、最近藤の棚で有名になってきた津島神社近くの天王公園に寄って帰ることにしました。まだ少し時期が早かったのか2分咲きと言った所。棚のスケールが大きく、満開の時期にはさぞ素晴らしい眺めだろうとおもいます。
「忙中に閑あり」と言いますが、気の休まらない日々の中で、近くの穴場を見つけては一泊一日(午後遅く出て、午前中に帰ってくるので・・・)の旅をせめてもの楽しみにしている昨今です。

それでは、また!!!

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