昼神温泉へ行ってきました

H.16.10.23

 皆さんお元気ですか。今年は台風の当たり年。異常気象には振り回されました。季節外れの台風23号も超大型で大きな爪あとを残して通り過ぎて行きました。我が家も、今年は大した被害も無く済みそうだと思っていた矢先、最後の最後23号通過の折、近くのお宅のベランダの屋根が飛び我家を直撃。

恵那パーキングエリアにて
畳四枚ほどの大きさの物が空に舞い上がり落下してきたのですから凄いショック。当たった場所が外壁で被害も少なく済みほっとしています。あれが窓を直撃していたらどうなっていただろうかと思い出してもぞっとします。とにかくあれだけ大きなものが空に舞い上がるのですから今更ながら台風の怖さを実感している次第です。
父は、8月に退院して以来体調は安定しており一応平穏な日が続いています。特に寒天様のお陰で栄養補給の手間や身の回りの世話がずっと楽になり本当に助かっています。しかし、96年間使い続け満身創痍の大年寄の身体のこと、何時何が起きるか分かりません。体調が急変することも多く、介護者としては、父の体調の変化に一喜一憂して過ごしている次第で、友人達は至極冷静にいろいろアドバイスしてくれますが、一緒に生活している家族としては、悲しいかなそれほど沈着冷静に割り切って考えることも出来ず父の体調の変化に振り回されているのが実情です。父の看護については、月一回の診察の他に看護婦さんの訪問を週二日受けており、病状管理については安心して介護ができほんとうに助かっています。
いろいろ不安は有るものの、今月は父も町内にある福祉施設へ3泊4日のショートステイに行きました。鬼の居ぬ間の洗濯では有りませんが、父の入所中に、何時も昼神温泉をべた誉めに誉めている友人夫婦に是非案内して欲しいと誘い4人で昼神温泉へ行ってきました。

ホテルの窓からズームレンズで写した十字屋可否茶館
昼神温泉については、いろいろな伝説が残されているようですが、何時の頃か相当古い時代に土砂崩れで埋まってしまい忘れ去られていました。ところが、昭和48年,今では幻となってしまった旧国鉄中津川線(飯田・下呂線)のボーリング調査中,突如お湯が湧きだしました。さまざまな事情で幻となった鉄道工事の思わぬ産物は,年間60万人もの観光客の訪れる一大温泉地となりました。
この中津川線は、昭和41年12月工事実施計画が認められ、飯田−中津川間36.7キロ単線電化で、駅は飯田、伊那中村、伊那山本、阿智、昼神、神坂、美濃落合、中津川の予定でした。完成目標は昭和49年。昭和42年11月に二ツ山トンネルの掘削工事が開始されましたが、昭和48年のオイルショックが引き金となり、ついに昭和55年に工事はストップしました。そして国鉄清算事業団に引き継がれ温泉と言う遺産を残して幻の中津川線となってしまいました。
現在では、昼神温泉のために名神高速道路園原インターチェンジ(名古屋方面からのみ出入り可能)が作られ、私の家からは車でわずか1時間少々で行けるところになりました。

十字屋可否茶館の入り口
今までに昼神温泉を訪れたことは数度ありますが泊まるのは今回が初めて。途中で食事をしながらと思い11時少し過ぎに家を出、高速道路に入る前に昼食。高速道路に入ってからも速度制限はきちんと守りパーキングエリアで時間を潰し。それでも宿泊予定の湯元ホテル阿智川へ着いたのは2時前。チェックインタイム迄まだ1時間以上もあり、ロビーでぼけーっとしているのもとなんだからどこか外でお茶でもと思いフロントで聞くと近くの喫茶店を教えてくれました。
道すがら眺めたところでは、喫茶店はあまり見かけませんでしたし、たまに見かけた喫茶店も食堂的雰囲気のところが多く、今度教えてくれた所も似たようなものでまあ時間つぶしだから仕方が無いだろうと思い行くことにしました。
喫茶店は、ホテルから少し離れた裏の方にあるとのことでしたので、再び車に乗り阿智川沿いの狭い道路に出、ホテルの周りを半周して正面を見た時、目に飛び込んできた景色に私は思わず目を見張りました。正に絶景そのもの。赤瓦の屋根に白壁の二階建ての建物が一軒だけ急斜面の山裾の木々に抱かれるように建っていました。建物の前には、稲田があり、刈った稲がはざに掛けられ景色に色を添えていました。

私達の泊まった湯元ホテル阿智川
建物に近づくと十字屋可否茶館と看板立ててありました。建物の周りもさることながら、店の中の雰囲気や調度品も素晴らしくどこかヨーロッパのリゾート地の店へ来たような錯覚を起こすほどでした。
私たちの泊まったホテルは昼神温泉のホテルが集中する中心街から阿智川沿いに上流へ数キロ上ったところに一軒だけ離れて立っており山に囲まれた静かな環境は安らぎの場としては最適の立地条件ではないかと思います。収容人数600人とのことですから結構大きなホテルでした。
私たちの部屋は新館5階、部屋に案内されて窓を開けると驚いた。窓全体を額縁とした絵のように先ほどの十字屋可否茶館が見えるではありませんか。このページに載せたのはその時写した写真です。建物を中心にトリミングしてありますので私が受けた印象とは少し違っていますがこんな感じです。昼神温泉へ行かれる機会がありましたら是非この可否茶館へ寄ってみて下さい。この喫茶店の雰囲気を味わいにだけでももう一度行きたいと思っています。
「忙中閑あり」と言う言葉がありますが、時間を見つけては一泊半日の旅をしています。木曾・飛騨につながるこの地点、結構近くに沢山の温泉や観光地があります。一泊半日の超短い旅の中にでも幾つかの感動を見つけることが出来るのは本当に楽しいことです。これからも感動を求めて一泊半日の旅を続けたいと思っています。
もう台風は来ないでしょう。いよいよ秋本番。我が家の前に広がる稲田の稲刈りも殆ど終わりました。皆さんも食欲の秋、行楽の秋、スポーツの秋、一年中で一番豊かな季節秋を満喫して下さい。

それでは、また!!!

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