第8話  炎のまつり



 北軽井沢ふれあい広場で開催された「第15回 炎のまつり(ほのまつり)2007」を見てきました。北軽井沢観光協会主催のこの行事は、毎年2月の第2土曜日に開催され、冬の北軽井沢の一大イベントです。


神事の出番を待つ神主、鬼、巫女たち。

白銀広がる夕闇の中で炎をテーマとして展開されたこの行事は、
 15:00 祈願式
 16:30 開会式
 16:50 女神、巫女、使者隊による点火式
 17:00 4000本の祈願ローソクへの点火
 18:00 浅間鬼押し太鼓の演奏
 18:15 炎のパーフォーマンス( by 信州火縁 )
 18:30 打ち上げ花火、閉会
と4時間に亘って私たちを幻想の世界へと誘ってくれました。翌日の地元紙によれば、約2000人の人出があったとのこと。
 今未だ煙を吐き続ける浅間山を背景に雪原の中で行われる神事に何か神秘的な期待を持っていた私は、弟夫婦を誘い早々に車で10分ほどの会場へ向かいました。ところが、会場前の駐車場に入ろうとすると交通整理の係員が
「関係者以外は駄目です。」
と冷酷にも通過を促す。
周りの道路は全て駐車禁止の立て看板が立てられ、近くに駐車場がある様子もありません。この地に来るようになって未だ日の浅い私には、近場の駐車場の在処など分かろうはずがありません。私の頭に浮かんだ最も近い駐車場は、北軽井沢交差点にあるシバタエステートの4WAY北軽井沢くらい。仕方なく北軽の交差点まで戻り歩くことにしました。
 地図で見る限り会場までの距離は然程遠くに思えませんでしたが、零下の気温の中(少なくとも私の身体はそう感じていました)震えながら30分も歩いたような気がします。式典は、既に始まっていましたが見物客はほんのまばら。どんな催し物でもそうですが、開会式というものは主催者や関係者にとって大変意味があり重要なイントロの行事なのでしょうが、ショーを見に集まってきた私たち見物客にとってはあまり意味の無い退屈な時間になる場合が殆んどです。地元の人はよく知っていて、式典は、関係者で済ませておいてくれといった感じで静かなもの、それがいよいよ本番のローソク点火が始まる5時頃になると一挙に会場は超満員、立錐の余地も無いほどになります。


カメラの砲列の中夕闇迫る雪原で神事は粛々と執り行われた。

 今年で第15回を迎えるこの「炎のまつり」、回を重ねる毎に磨き上げられてきたのでしょう。しっかり見応えがありました。特に、4000本のローソクの炎で描かれた絵の前で演じられた浅間鬼押し太鼓の演奏と信州火縁による炎のパーフォーマンスは、筆舌に尽くしがたいものがありました。太鼓の演奏も信州火縁も共に地元のグループとのことで、若い女性の奏者が殆どでした。この寒い中上半身は素肌を出しての演奏。「あれ、絶対ボデースーツ着てるよ。」と横からの声。
 立錐の余地も無いカメラの砲列、人の群の中、デジカメを持った手を精一杯上に伸ばし背伸びして何枚も写しましたが、手振れ、ピンボケ、露出不足。残念なのは、炎のパーフォーマンスの写真が一枚もまともに撮れていなかったことです。


4000本の蝋燭を使って雪原に描かれた Fire Festival 2007 の絵と文字。


浅間鬼押し太鼓の演奏。奏者の大半が若い女性だった。


フィナーレは打ち上げ花火。頭上を彩る華麗な花火をうまく撮影できなかったのは残念。

 弟は、花より団子ペース。あちこちの店を食べ歩き、試食品を私たちの分までもらって届けてくれる。結構いろいろな店が出ていました。老人会のおばあちゃんたちが出していた豚汁の店、姉妹都市なのか千葉県から来て鰯の干物を焼いて売ってた店、別荘地の中から来たホットドックの店、カレーライスの店等々。
 まつりのフィナーレは、やはり花火、冬の夜空を彩る花火もまた格別でした。アンコールがあったのか閉幕後再度信州火縁の演技が行われる由の場内放送が流れていました。もう一度見たいとは思いましたが、気温はどんどん下がり道路の凍結が心配で帰途に就くことにしました。


2007/02/18

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