第13話 結局ナラの薪材を購入



 梅雨も終りいよいよ夏、薪の準備をする季節になりました。二つ有る薪小屋は、未だ半分近く空いています。現在在庫している薪は、殆んどが先日割って積んだ樅の木で、今年の春に伐採したばかりの乾燥不十分な薪、今年の冬にはまだ使えません。直ぐに使えそうな薪は、昨年の残りが少しあるとは言え、ひと月もあれば焚き切ってしまうほどの量です。兎に角大急ぎで今年の冬の準備に入らなければいけません。とは言うものの、どんな木でもいいと言うのであれば比較的簡単に安く手に入りますが、薪に最適と言われる楢材は、なかなか手に入りません。私なりにいろいろ入手チャンネルや情報チャンネルを作って来たこともありある程度の期待をしていたのですが、楢の薪材については全くゼロでした。私の思うに、唐松で有名な軽井沢一帯では、唐松は当然のことですが赤松や樅の木など針葉樹が多く広葉樹が少ないことや、別荘地帯でのストーブ用薪の需要が多いことが、楢の薪材の不足に繋がっているのかも知れません。Tさんの話では、別荘地での間伐で楢の木が出ても残しておいて欲しいと言われる場合が多いそうです。
 兎にも角にも薪ライフ一年生の私に贅沢を言っているような余裕はありません。薪が無ければどうしようもありません。入手できる薪材ならば何でも手に入れ使ってきました。そんな訳で、昨冬使った薪は、唐松、赤松、栗、白樺などが殆んどで中には多少楢も混じっていたかも知れませんが薪としては不向きと言われる物ばかりでした。その所為か暖房効果も上がらず素人の私ですら薪ストーブが十分機能していないことが分かるほどでした。
 「いろいろ言うけど木なんてどんな木だって同じだよ。」と言うTさんの言葉に納得して運んでもらった樅の薪で薪小屋が半分ほど詰り心に余裕が出てきたのか残りの薪の調達を考える時、どうしても最上の薪といわれる楢への執着が頭を擡げてきます。書物を読んだりインターネットで体験談を読んだりしても、Tさんと同じことを言う人もありますが、「薪は、やはり楢」でした。事実店頭で売られている薪は殆んどが楢です。


庭の隅に積まれた楢(ナラ)の薪材4トン。重量感があり迫力満点、さすが楢と言う感じです。

 いろいろ検討した結果、昨年N総商さんに紹介してもらい訪れたことのある南佐久北部森林組合で楢の薪材を購入することにしました。個人で買う場合は、楢の木1トン1万3千円。運賃は、1車7千円ですが、北軽井沢は、少し遠いので2千円プラスして欲しいとのことで9千円。重量は、重量計で計量され正確そのもの。私の所へ届いた薪材には正味3940kgと打ち出された計量書が付いていました。

楢(ナラ)の木


樅(モミ)の木

 楢材が届いたところで、手元にある樅の木と切断面を比較してみました。楢の木の木目の細かさに比べ樅の木の木目の粗さが目立ちます。持った重さも全く違います。いよいよ4トンの楢材を玉に切り薪に割る作業が始まります。楢の木は、見るからに硬そうで今までの様にすんなりとは行かないような気がします。昨年の冬に切った木なので今年の冬は焚けますよとのことでしたから、うまく行けば早々に楢の薪の焚き具合を試してみることが出来るかも知れません。


2007/08/06