第15話 往復路での話 超ジャンボカツにびっくり



 私の家から北軽井沢の山荘まで最短ルートを通ると約230キロ。最初の内は、早く山荘へ着くことが目的で、道中脇目も振らずただひたすら山荘に向かって自動車道を走らせていました。月日が経つに従って気持ちの余裕がでてきたのか、少しずつ道中を楽しむことが出来るようになってきました。
 北軽井沢への私のメインルートは、中央自動車道で、時には反れることもありますが殆んどの場合中央自動車道又は中央自動車道沿いの一般道路を走っています。自動車道には、種々な割引制度があり、中でもETC利用の場合の通勤割引は50%と大きく、大変お徳。通勤割引には、距離制限があるため私は伊北ICで自動車道を出て三州街道から伊那道を岡谷に向かって走ることが度々あります。この道を通り始めた頃から気になっていたのですが、伊北ICを出て三州街道を少し北上したとところに真福寺と言う寺の大きな看板が立っていて直ぐ横(後日分かったのですが羽場と言う地名だそうです)の道路脇に「カツ丼日本一」(確かそうだったと記憶しています。私が立寄った日には立っていませんでした)と大きく書いた幟が数本立っていました。私は、うな丼とカツ丼が大好き、食事時ならば迷わず入ったと思いますが残念なことに前を通る時は何時も中途半端な時間帯で準備中の看板。
 北軽へ通い始めて一年半の歳月が過ぎた11月のある日、ついにこの店に入るチャンスが到来しました。この日は、家への帰り道でしたが途中食事をする適当な店が見付からず空腹のままこの店の前を通りかかったのが午後2時少し前。恐らく準備中の看板が出る少し前だったのでしょう。ついに日本一のカツ丼を食べるチャンス到来です。


カツ丼家「まつくぼ」。私達が昼最後の客だったので出て来た時には、準備中の看板が掛けてあった。


特製カツ丼、大きな器にどてーんと言う感じ。


厚さがまたすごい。5センチはありそう。


カツ(勝)丼があれば、負け丼もあった。オリジナルまけ丼。


店に寄ったライダーの写真が部屋の壁一面に貼ってあった。

 入口の戸を開け中に入ると一瞬目を見張った。壁一面に四つ切サイズの写真がびっしりと貼りつめられていました。どの写真も店の玄関前で写した二輪車とライダーたちのもので、恐らくこの店を訪れた人たちなのでしょう。お茶を出してくれたおばさんに聞くと、店の主人が昔オートバイが好きでとのことで「当店主が、皆様のかっこいい姿に魅せられて写真を撮らせていただいております。云々」との貼り紙がしてありました。
 メニューは、カツ丼専門店らしく特製カツ丼を先頭に五種類だけ。勝つがあれば負けがあるのは当然の話、新商品として「負け丼!」と言うのがありました。私は、特製カツ丼、家内は負け丼を注文。待ち時間は、結構長かった。待たせる店ほど料理は美味しいと言うから出て来る日本一のカツ丼に期待し壁の写真などを眺めながら時間を潰していました。
 待つこと暫し、いよいよ期待のカツ丼が出てきました。大きなお椀にどてんと乗っかったボリューム感満点のトンカツ。その大きさもさることながらその厚さにびっくりした。5センチはあるのではと思われる厚さ。大袈裟に言えば、豆腐二丁を並べたくらいのサイズがあるのではと思えるほど。最初は、こんなに食べれるのかなぁと心配になりましたが、午後2時過ぎと言う胃が一番要求している時間帯。結局全部食べてしまった。食べきれない人のためにカウンターにはパックが用意してあり持ち帰ることができるようにしてありました。
 腹は、完全に満腹状態で、この日の夕食は抜き。家内の負け丼も結構ボリュームが有った様で、肉は全部食べましたがご飯は半分以上残していました。家に帰って早速弟に吹聴。そりゃ500グラムあるぜ、その歳でよく食べたなあと感心していた。結構話の種になるカツ丼だ。皆さんも通りかかられたら是非試してみてください。この店、お持ち帰りも出来ますが、やはり揚げたてを店で食べるのが一番美味しいと思います。


2007/11/30