昨年春、北軽井沢への途上、時恰も桜の季節、中央自動車道の脇に植えられた桜は満開、その美しさは、私に強烈な印象を与えました。特に、伊那地方一帯に植えられている桜は、コヒガン桜と呼ばれ、花は、淡いピンク色をしていて全ての花が咲き揃う満開時の様子はこの上も無く美しい物でした。中でも高遠の桜の知名度は抜群で、伊那IC近辺に植えられているコヒガン桜の並木は、高遠の桜の美しさを思い出させ「さあさあ桜見物は高遠へ」と人々を高遠へと誘導する意味合いもあるのではないでしょうか。事実、伊那ICの標識には「伊那 高遠」と高遠の名前も併記されてます。
4月上旬、北軽へ行く予定日が丁度高遠の桜祭と重なったのを機に近辺で一泊し、ゆっくり高遠見物をしながら北軽へ行くことにしました。高遠を訪れたのは4月8日。桜の開花には未だ少し早く、日当たりのいい場所で一輪二輪と咲き始めたところでした。メーンステージである高遠城址公園に植えられている木は殆んどが桜の木で、この木々の桜が一斉に咲いた時にはさぞ美しいことであろうことは想像に難くはありません。桜祭が始まっているということで桜の木の下には沢山の屋台が並んではいましたが未だお客さんもまばらで休業中。それでもすれ違う団体客の中には外国からと思われる人たちも結構有りました。
高遠城址公園の桜祭は始まったが桜は未だ蕾。屋台も開花待ち。
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この人たち外国からの観光客?中国語で話していた。
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話で聞いたり写真で見たりした美しい高遠の桜を見ることは出来ませんでしたが、歴史の古い城下町、歴史的見所は幾つもあります。高遠は、昨年の大河ドラマ「風林火山」には、度々出てきましたし、高遠城は、「風林火山」の主人公山本勘助が武田信玄の命により築城したものでガイドブックを見ながら興味深く散策することができました。また、今年の大河ドラマ「篤姫」の中で篤姫と共に大奥に入る老女幾島に大変興味を感じている私は、大奥に関する本などを買ってきて読んだりしていましたが、この高遠には、絵島生島事件で有名な大奥御年寄絵江島が遠島になりその後半生を過ごした地でありその墓も残っています。絵江を扱った映画「大奥」で使った、絵島の囲み屋敷もそのまま保存されていました。囲み屋敷は、映画のセットとは言え本物の家と全く同じに作られていて絵島が幽閉されていた当時を忍ばせてくれるものでした。
歴史的材料の多いこの町、現在、3代将軍家光の弟で高遠藩主保科正光の養子となって高遠藩主になり、後には会津23万石の城主になった保科正之を大河ドラマに取り上げて欲しいとNHKに働きかけ署名運動を展開中です。
映画「大奥」で使われたセット絵島の囲み屋敷が保存公開されている。
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囲み屋敷の平面図。
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(画面をクリックしてください。別画面で拡大表示されます。)
蓮華寺にある絵島の墓。
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絵島の墓の横に造られている絵島像。
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高遠の花見は、歴史探訪の旅になってしまいましたが、結構楽しい道中になりました。高遠城の下に高遠湖と言うダム湖があり、この湖の畔に高遠さくらホテルと言う町営のホテルがあり、当初は、ここに泊まろうと思っていましたので立寄ってみました。ホテルは、高遠湖を挟んで正面に高遠城址公園を見ることができる場所にあり桜見物には最高の立地条件ではないかと思います。時間も未だ早かったし、桜も未だ蕾だったので、もう少し先まで足を伸ばし、諏訪湖ホテルに泊まりましたが、次桜の季節に高遠を訪れる機会があれば是非高遠さくらホテルに泊まりたいと思っています。