岡谷インターで長野自動車道から一般道に出、新和田トンネルを通り、ひたすら中山道を佐久に向かって走る。望月を過ぎ少し走ると百沢東の信号に出る。この信号を左に折れると広々と開けた田園風景の中を真新しく整備された県道44号線が佐久平に向かって延びている。百沢東の信号を過ぎて数分走った左側に ちゃたまや はある。さほど奇をてらった建物ではないが素朴なたたずまいは、私の好みであり、その外観は、一見喫茶店のように見えるが、入口の上に書かれている「手づくりシュークリーム、浅間小町、ジェラート」の文字から、浅間小町が何であるかは分からないが、洋菓子店のようにも思えた。田園風景の中に一軒だけぽつんと建っているこの店が、この道を通り始めた頃から気になっていた。この店が気になっていた理由は、もう一つあった。私が佐久に向かってこの店の前を通るのは、いつも朝9時頃。その時間帯には、店の駐車場は車でぎっしり。着いたばかりの車から降りて来る人たちは皆いそいそと急ぎ足で店に入って行く。女性のお客さんが、それも中年の女性が多かった。モーニングサービスに何か美味しい物でも出すのだろうかとも思った。事実、この店の前を午後通った時には、駐車場の車も少なく朝のような賑わいはなかった。
この店に大きな関心を持ち、通る度に気になりながらも時間だけが過ぎて行き、今年12月下旬のある日、やっとこの店に入る機会を得た。この日、北軽からの帰途、特別な用事もなく、時間的にも余裕があったのでこの店に入ってみることにした。10時半頃、もうピークの時間帯は過ぎていたがそれでも駐車場はほぼ満車状態。この店は、外から中が全く見えず、中がどうなっているのか、何を売っている店なのか、中の様子は、全く分からない。とにかく入ってみることにした。
一見喫茶店かケーキ屋さんのように見える外観。
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入った時は、大混雑でしたが、私たちが出る頃には波が引いたように静かになっていました。商品も売れて少なくなっています。
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セット詰めされた卵製品。
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美味しかったジャンボシュークリーム。県内一番の売れ行きだそうです。
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入口脇に掛けてあった表札。
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車から降りて店に向かう時、おそらく奥さんを待っているのであろう、運転席に座ってぼんやりと窓の外を眺めている60年配の男性に気づいた。入ってみれば分かることだが、とにかくこの店で何を売っているのか知りたく、この男性に近づくと
「この店、何を売っているんですか。」
と尋ねてみた。
「卵」
と、男性は、ぶっきらぼうに答えた。全く予期していなかった答えに私は一瞬戸惑った。私の様子を見て
「ここの卵美味しいですよ。シュークリームも美味しいですよ。」
と付け加えた。
卵・・・。私が想像していた答えとはあまりにも違い過ぎ、私の大脳は事態を整理しかねていた。卵は、大量に消費される安価な食材で、スーパーの食料品売り場の隅に山と積まれ、安い時には10個入りパックが100円を切っていることもある。卵だけを売って繁盛している店があるなどと思いつきもしないことであった。
早速店の中に入ってみた。さほど広くない店の中は、大混雑。台の上には所狭しといろいろな卵が並べられ、それぞれに工夫を凝らした手書きの説明書きや値段を書いたカードが立てられていて、おもちゃ売り場へ来たのではと錯覚を起こすような楽しい雰囲気が漂っていた。8人前後の店員が忙しく動き回っていたが、全て若い女性ばかりだったことも店の雰囲気を華やかなものに感じさせてくれたのかも知れない。また、並べられている卵パックは、殆どが20個入り。私が、日頃スーパーで見る卵は、全て5個入りか10個入りで、20個入りパックがぎっしりと積み上げられたこの店の光景は、実に興味あるものだった。それに、レジに並んでいる会計待ちのお客さんの殆どは、この20個入り卵パックを2個から3個抱るようにして持っており、中には、何パック入っているのか分からないが段ボール箱のまま持って並んでいる人もあった。
レジと並んで作られたショーケースには、この店特製のシュークリームなど洋菓子が並べられていた。大きなリンゴほどあるシュークリームは見るからに美味しそう。私は、シュークリームが大好き。お土産にとも思ったが、保冷剤なしで暖かい車の中に積んで帰るのは心配だったので店で食べて行くことにした。店の奥には、店で食べて行くお客さんのために小さなテーブルが三つ置いてあり、セルフサービスでお茶を飲めるようにしてあった。早速、シュークリーム二種類を注文。注文を受けてからクリームを詰めるので新鮮で皮はパリッと香ばしく、入る時に駐車場で教えてもらった言葉に違わず、ほんとうに美味しいシュークリームだった。とにかく一個が大きいので二個も食べた私のお腹は満杯。この日の昼食は、抜きにしようかと思ったほど。帰宅後、ちゃたまやさんのホームページで知ったことですが、店で食べる人のために無料のコーヒーサービスもあるそうだし、このシュークリームは、この店の自慢商品で休日には一日に1000個も売れ、長野県内では、ナバーワンの売上とのこと。
何か買って帰ろうと陳列台を見ていると、この店のオリジナル商品であるたまごかけご飯用醤油が目に入った。長年かけてたまごかけご飯用に開発した商品とのこと。たまごかけご飯は、私の大好物。辛口用と甘口用の二本セットを買った。謎だった「浅間小町」は、ブラウンエッグファーム自慢の鶏卵の名前だった。たまごかけご飯には最適の卵とのこと。次寄った時には、浅間小町も買って、大好物の卵かけごはんを食べようと思っている。
この店に入って、私が、感心したのは、どこのスーパーでも山と積まれ安価で安売り商品のようになっている卵を単品で扱い、これだけ繁盛させることができるノウハウについてだった。入る時には、気が付かなかったが、出る時、入口の脇に貼ってあった表札の「アグリベンチュァー支援事業」の文字が目に留まり帰宅後早速農水省のホームページで調べてみた。アグリベンチャーなるものが少し分かったような気がしてきた。それにしても、ここのシュークリームの味は最高。これからも時々寄って行こうと思っている。
【後日談】
1月14日、家内と二人で北軽井沢へ出かけた。勿論、途上ちゃたまやに寄り浅間小町とシュークリームを買う予定でいた。特に、シュークリームは、北軽でいつもお世話になっているU子さんへのお土産にと予定していた。ところが、いざちゃたまやの前に差し掛かると、すごい混雑。駐車場は満車を超えて車であふれていると言う感じであった。二重駐車どころか三重駐車。歩道まで満車。仕方がないので100メートルほど離れた所に見つけた空き地に車を停め店まで歩いて行った。いつも賑わっている店なので、こういうこともあろうかと納得。
駐車場は、満車を超え二重三重駐車、歩道まで満車。100メートルも離れた空地に停めて店へ行った。
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ところが、一歩店に入って驚いた。店の中は、ラッシュアワーの電車の中並。中に入ったものの身動きできないありさま。いくらよく流行る店とは言え、この日の混雑は度が過ぎている。近くに居た人に聞くと、特別企画イベントの初日とのこと。レジに並んでいる行列を見て、買物をあきらめ店を出た。
店の中は、ラッシュアワーの電車の中のよう。身動きもできないほどの混雑。
夜、来る途中に買ってきた雑誌を見ていると、ちゃたまや軽井沢店の紹介記事が載っていた。軽井沢駅北口を出て直ぐのところに軽井沢店はあった。ここで買えばいいんだと、次の日わざわざ買いに行った。しかし、ついていない時には、なにをしても駄目。店は、カーテンが閉まっていて本日休業。メタボ対策にはこれで良かったかも知れない。
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軽井沢駅前に支店があることを知りシュークリームを買いに出かけたが、残念ながら休業日。
以下【農水省ホームページ】より
(1) アグリベンチャー支援事業の概要
(アグリビジネス(創造的高付加価値型農業)創出等を担う人材育成)
1.趣旨
(1) 農業就業者の高齢化が進行し、農業労働力が脆弱化している我が国農業においては、企業的な感覚を有する経営体の確保・育成が喫緊の課題となっている。
(2) 一方、国民の食料や農業農村に対する国民のニーズや意識は多様化してきており、1次産業としての農業のみならず、2次・3次産業としての加工・流通・サービス産業の分野に新たなビジネスチャンスが発生しつつある。
(3)このため、農畜産物の生産だけではなく、加工・流通部門やサービス産業部門を一体的に展開する複合アグリビジネスを行う人材(アグリベンチャー)の育成を支援する施設等の整備を推進することにより、将来の我が国農業を担う人材の育成を緊急に図ることとする。
2.事業内容
アグリベンチャーを育成する観点から、農業者等の組織する団体等に、以下の支援等を行う。
(1)アグリベンチャー支援事業
従来型の「農業」から脱却し、1次産業としての農業生産に2次・3次産業としての加工・流通・サービス部門等まで融合・連携した経営を行う複合アグリビジネスを展開する人材の育成を支援する加工施設、集出荷施設、交流拠点施設等の整備を推進する。
(2)アグリベンチャー支援推進事業
アグリベンチャーが施設の整備と同時に円滑な経営を行うことができるよう、リスク回避方策の検討及び情報提供、先駆的農業者によるセミナーの開催等の支援活動を実施する。
3.事業実施主体
(1)アグリベンチャー支援事業農業者等の組織する団体等
(2)アグリベンチャー支援推進事業
民間団体
4.補助率
1/2以内(沖縄にあっては2/3以内)、定額
5.平成12年度補正予算額1,210百万円
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