4年ぶりに薪ストーブの煙突掃除をしてもらいました。薪ストーブを使い始めてから6年、最初は、子供のころ経験した煙道火災の怖さの記憶や、読み漁った薪ストーブに関する本の影響から、煙突掃除は毎年やる必要があると思い込んでいました。事実、殆んどの書物には煙突掃除は毎年やるべきだと言う意味合いの説明が多く、ストーブ屋さんに尋ねても同じような返事が返ってきます。
使い始めた年は、使用日数も少なかったので掃除をすべきかどうか迷いましたが、結局1年くらいは大丈夫だろうと飛ばし、2年使って掃除をしてもらいました。私の頭の中では、2年間も掃除をしなかったのだから恐らく煙突の中にはしっかりと煤が溜まり、煤が山と出てくるだろうと思っていました。しかし、結果は全くの予想外。以前「煙突掃除をしてもらいました」でお話ししたように、掃除に来たストーブ屋さんは、室内でストーブの上の部分から煙突を外すと、外した煙突の口から上を向いて中を覗き「きれいなもんだよ。」と一言。私にも煙突の中を見せてくれましたが煙突内側の表面に何か少しついているなと言うくらいの感じ。素人目には、掃除などする必要はないように見えました。案の定、掃除は実に簡単なもの。下から煙突掃除のブラシを突っ込み上に向かってゴシゴシと上下に動かしながら一往復。それでも、受けてあった袋に一掴みほどの煤か灰か分からないものが溜まっていました。
この経験から、煤が大分溜まっているのではとびくびくしながらも4年間掃除をせずに過ごしてしまいました。

今回は屋根に上って掃除
私の場合、毎年5トン近くの薪を焚くわけですから、それなりの排煙は出るはずです。それでも、先回煙突を叩いてみれば音で分かるとストーブ屋さんに教えてもらった通り、煙突を外から叩いてみましたが煤が溜まっているような気配はありませんでした。今年もパスとも考えましたが、やはり不安。意を決して掃除を頼みました。同じ会社に頼みましたが担当者によって掃除の仕方も違うのか、今回は屋根に上って上からの掃除でした。今度は大分溜まっているだろうと掃除の結果を尋ねると、意外なことに
「冬は、あまり来られないのですか。煤は、殆んど溜まってません。これ、皆灰ですよ。」
と、掃除してとれた灰を見せてくれた。袋の中には、両手ですくえるほどの量の白い灰が入っていたのみでした。
6年間、薪を焚いて来た経験と、薪を使っている人たちや掃除に来てくれた人たちの話を総合すると、私の薪についての認識は、大分間違っていたようです。手引書や、ストーブ屋さんは、責任がありますから、そう簡単に大丈夫とは言えないのでしょう。
私の得た結論は、よい材質のよく乾いた薪を使い焚き方さえ間違っていなければ、殆んどが完全燃焼し、煙突に煤が溜まるようなことはまず無いと思います。ストーブの窓のガラスが煤で曇っていたり、ストーブの中に沢山灰が溜まるようなことがあれば、要注意です。薪が順調に燃えていれば火力が上がり完全燃焼。ストーブの窓に付いた汚れが燃えて、逆にきれいになるくらいです。灰が沢山溜まるのは、薪が燃えきれずに不燃物が灰となって残るからでしょう。ストーブの窓が汚れず、灰が溜まらない焚き方をすれば、煙突掃除は10年に1度でもいいのではとさえ思います。もっとも、定住し冬中終日薪で暖房をするような場合は分かりません。
乾燥したいい薪を作るため、今年は、10トンほど貯蔵できる高床の薪置場を増設しました。ここでしっかり乾燥させたいい薪を造ろうと思っています。軽井沢地区はどこも湿気が多く地面に直接薪を積むことはあまり感心できません。私の考えでは、原木を買って薪にする工程も考えると、貯蔵量を3年分にし、毎年1年分ずつ補充して行くと言う流れが一番いいのではと思っています。