嬬恋村三原から長野原町大津に向かって吾妻川沿いに国道を走ると、三原と大津の中間よりやや大津寄りの道路右側に「半出来温泉」と書かれた大きな縦書きの看板が立っています。私がこの地に初めて足を踏み入れた6年前から、看板の「半出来」の文字は、この前を通る度にずっと私の脳トレーニングの材料になっていました。「半出来」とは、一体何が半出来なのだろうか?半出来温泉ってどんな温泉なのだろうか?いろいろ想像してみました。
情報が溢れているこの時代、インターネットで調べれば直ぐに分かったことだったかも知れませんが、そのような努力もせず時が過ぎてしまいました。ところが、一昨日のこと、突然思い立ち、家内と一緒に半出来温泉へ出かけました。別荘から車で十数分、直ぐに到着です。
温泉は、登喜和荘という民宿の温泉でした。オフシーズンと言うこともあってか閑散としていて玄関を入って声をかけても誰も出てこない。何度も声をかけると奥のドアーが少し開いて、温泉へ入りたい由を伝えると、「400円です。そこの箱の中に入れて入っていって下さい。」との返事。フロントのカウンターの上に金額の書いた料金箱がおいてあり、皆400円入れて勝手に入って行く様子でした。
雰囲気は、昔の銭湯のような感じですが、木組みの浴槽に源泉100パーセントの掛け流しの湯。少々年を経ていることを除けばこのクラスの他の温泉と何ら変わることころはありません。この温泉が他の温泉と違うところと言えば、露天風呂が男女混浴になっていることでしょうか。男女それぞれの内湯から庭を通って露天風呂へ行くようになっていますが途中で両方からの通路が1本になって露天風呂へと続いています。露天風呂は、本当にオープンな雰囲気で周りの景色や下を流れる吾妻川の渓流の総てを堪能できました。中から見えると言うことは、外からも見えると言うことでこれも一興かも知れません。「半出来」の正体については、訊ねる人もなく分からず仕舞で帰ることになってしまいました。

国道端に立っている半出来温泉の看板。後ろの建物が登喜和荘。

登喜和荘の正面玄関。

浴室入口。浮世絵の暖簾が掛っている。

脱衣室。ロッカーがないので貴重品は、フロントに預けて入った方がいい。

内湯(男湯)。

露天風呂、男女混浴。男女の内湯から通路で繋がっている。

吾妻川の岸辺にある露天ぶろは、露天そのものでオープンで開放的。外からもオープン?
山荘に帰りインターネットで検索したところ「半出来温泉」の立派なホームページがありました。「半出来という名称は地区名からお名前を頂いたもので、その昔作物が十分に収穫できなかったところからきていると言われております。」と説明が書いてありました。やっと納得です。それにしても紛らわしい地名があるものですね。