地方自治体における広告事業について

景気回復の兆しは、あるものの依然として厳しい財政運営を余儀なくされる自治体が多くこうした状況の中で財政を維持するため、新たな財源を確保することなどを目的とした取組みのひとつが「地方自治体の広告ビジネス」いわゆる広告事業です。広告事業とは簡単に言えば自治体の所有する様々な資産を広告媒体として活用し、民間企業等の広告を掲載することによって自治体の資産を有効活用し、新たな財源の確保または、経費節減を図る事業のことです。 また地元民間企業を対象にして安価に広告媒体を提供することにより、地域経済の活性化を図る効果もあります。
 このような取組みは、すでに平成7年頃から導入している自治体もあるそうですが、代表的な取組み事例である市役所の窓口に備え付けてある窓口用封筒に広告を掲載する事業は、全国200以上の自治体ですでに導入されています。
 先進市の取り組み事例を大きく4種類に分類してみました。
1.市役所の窓口に備え付けてある窓口用封筒や市民に送付する様々な通知書、広報誌や暮らしに関わる各種のガイドブックなど印刷物への広告掲載。
2.自治体のホームページへのバナー広告の掲載。
3.公共施設や庁舎など現有施設を対象にして施設内外の壁面や玄関マット等の活用した広告掲載。
4.公用車を活用して、市内を循環するコミュニティバスやごみ収集車の車体を活用した広告掲載。
 先進的な取組みで地方自治体のモデルとなっている横浜市では平成17年度の広告事業に伴う収入は印刷物の活用によって2800万円、施設の活用によって530万円、ホームページバナーでは1940万円、その他を合わせて合計約7500万円の収入と約700万円の経費節減といった結果が出ています。横浜市と春日井市では財政規模が違いますが、横浜市の平成18年度の一般会計予算案では広告事業による収入は、対前年比81.6%増の約1億3660万円の収入を計上しており創意工夫を重ねていけば最初は少ない収入かもしれませんがやがて大きな成果につながることも考えられます。
 しかし市民の共有資産を広告媒体として活用して広告を掲載するわけですから、企業を選定する過程の公平性・透明性を高めるとともに、春日井市の情報なのか、それとも広告なのか、といった誤解が生じないように広告媒体と、掲載する広告内容の組み合わせを精査する必要があります。またHPのバナー広告の場合はリンク先にも注意しなければなりません。

平成18年12月本会議における一般質問より抜粋