PFIによる民間活力の導入について

 地方行政は財政が厳しい中でも進めていかなければならない社会資本整備や運営もあります。そこで、民間企業の資金や経営能力、技術的能力を導入して社会資本整備や運営を効率的かつ効果的に進める政策手法がPFIといわれるものです。
 プライベート・ファイナンス・イニシアチブの略称であり民間資本の導入による社会資本整備と訳されています。この政策手法は1992年に財政難と公共サービス低下に悩むイギリスで行財政改革の一環として始められた手法であり、このPFIの理念やノウハウを参考とし、第三セクターの諸問題などを踏まえながら施行されました。
 PFIは、公共サービスを提供するにあたって民間の資金、技術力、経営ノウハウを活用することにより行政自ら行うより、利用者の利便性など市民ニーズに配慮した効率的で質の高い公共サービスの提供が期待できます。また事業を進めていく上で民間企業は従来、請負業者という立場であったが、PFIでは、自ら資金を調達して、施設の設計から建設、維持管理、運営に至るまで、ライフサイクルの全工程に関与し、一体的に扱うことにより事業コストの削減ができ、財政負担の軽減が期待できます。さらに民間企業は、創意工夫を発揮しながら経営改善努力を効率的に行うことにより、高収益性が得られるというインセンティブを得ることができ、官から民への新たな事業機会の提供により、そこから新規産業が創出され新たな民間活力の向上により、民間市場の拡大効果も期待できます。PFI法の第2条によりますと、PFIの対象となる公共施設として、道路、河川、公園、公共下水道、公営住宅、教育文化施設、廃棄物処理施設、社会福祉施設などがあり公共性が高く、本来公的部門が整備、運営を行う分野であれば施設の種類や事業の内容などによって限定されることはない広範囲にわたる公共施設が対象となっています。自治体PFI推進センターによりますと平成16年11月8日現在で既に134件のPFI事業が全国の自治体や国等において計画・実施されています
しかしながら、PFI方式の導入方針の決定(特定事業の選定)の際には必ず従来の事業方式とPFI方式の事業期間全体の財政負担額等を比較検証することとされています。その結果、VFM(ヴァリュー・フォー・マネー)いわゆる「費用対効果」の達成が確認でき、かつ現行制度下で実現可能であると判断される場合に、PFIを導入する仕組みになっています。よって事業の計画から実施に至るまでに長い期間が必要であるため、早い時期から準備を進めていく必要があります。
 PFIの原点は、惰性や既得権で実施してきた事業を洗い直すと共に無駄な公共事業を無くし、必要な施設やサービスはより安く、効率的に実現させることであり、「最小の経費で最大の効果」を上げることが期待できるこの政策手法です

平成16年12月本会議における一般質問より抜粋