風来の数学講師(ただし中学数学専門)<Re: スコア順って残酷 投稿者:t-kamiya 投稿日:2010年 6月
5日(土)11時35分6秒 |
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こんにちは。 余計なお世話かもしれませんが、しゃしゃり出ます。
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ひとつ気になるのが > x^2+y^2=4 ←(ア)とします >
x^2+y^2-4x-2y+1=0 ←(イ)とします > の二つの交点と原点を通る円の方程式を求めろって問題で > >
k(x^2+y^2-4)+(x^2+y^2-4x-2y+1)=0 ←(ウ)とします > ここのkの意味がよくわかりません。 >
やりたいことはなんとなくわかるんですが、
ここの「なんとなく」を解消しておきましょうか。
まず、(ウ)の式が表しうる図形は何でしょうか? この式のカッコをばらすと x^2の項、y^2の項、xの項、yの項、定数項が出てきて(xyの項は存在しませんね)、 さらに「x^2の項とy^2の項の係数が(ともにk+1で)等しい」から(ここ重要)、 これは円の方程式になりますね(ほんとはちょっと説明不足。※補足参照)。
で、次。 kがどんな値をとっても、 (ア)と(イ)をともに満たす(x,y)の値(←つまりもとの2円の交点の座標)を (ウ)に代入すれば、(ウ)式はかならず成立します (だって、(ウ)式のカッコの中がどっちも0になりますからね!)。
ということはまとめると、(ウ)式は
・円の方程式 であり ・(ア)と(イ)の交点の座標を代入したときに成り立つ→(ア)と(イ)の交点を通る
ので、あとはここに(0,0)を代入してkを決めればよい、というのが全体の流れ。
※補足…(ウ)式は、k=-1のとき2次の項が消えますから、 このときに限っては「2円の交点を通る【直線】」を表すことになります。
※※さらに補足…当然、ここまでの話は(ア)と(イ)が2つの交点をもつことを 前提とした話であって、試験の答案ではまずそれを示す必要があるでしょう。
すごい分かりにくくなってきた……難しいな(汗
本題。
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例えばじゃあなんで前にkがついて後ろにmとかがつかないんだろうとか思ったら >
わからなくなりました…
この疑問はめちゃくちゃ核心を突いていて素晴らしいですね(偉そうですいません)!
mがつかなくてもいい理由。
k(x^2+y^2-4)+(x^2+y^2-4x-2y+1)=0
の両辺をkで割れば、後ろのカッコに係数
1/kがつく代わりに、 前のカッコのkが消えますよね? もうちょい具体的な例を出すと、 2x+6y-4=0 は x+3y-2=0 と同じなので だったら係数が簡単な後者の方がいいよね、みたいな感じです。
……ただし。 本当は疑問の通り、「mがついた方がいい」んです。 理由は、 「(ウ)式は、(ア)と(イ)の交点を通る円(無数にある!)のなかでただ一つ、 「(ア)そのもの」を表すことができない」 からです。
これも感覚的な例を出しますと、方程式kx+y=0は原点を通る直線を表しますが、 この式をどういじっても、原点を通る直線である「x=0」を表すことはできませんね? (中2で習ったかな?) いまの話を(ウ)式で考えると、分かってくるんではないかな?
あとはガジ先生に任せた!(逃げるんかい)
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