※これはヤマ様のリクエストでダルトンのワープした先がビネガーの館だったら…?というお話です。
ダルトンはマール達と対峙していた。新たに改造したシルバード――スカイ・ダルトンギョクーザの上で。
だが彼女達は手強く、苦戦を強いられていた。ダルトンは奥の手を出すことにした。
ダルトン「出でよ!マスターゴーレム、、、、???」
マスターゴーレムの反応が無い。そう思った時は既に遅く、ダルトンは背後に出現したゲートに吸い込まれていった。
一方、ここは中世。
「フッフッフッ、いいぞ、働けおまえらーっ!大魔王ビネガー様の館だ。立派に建てるんだぞ!」
ビネガーは配下の魔族達を使役して館を建築していた。
ビネガー「フッフッフッ、ここを拠点として大魔王として君臨し、ゆくゆくは――
世・界・征・服!!!!!
だー!ファッファッファッファ――びへっ!」
ビネガーの上から何かが落ちてきた。それはダルトンだった。
ビネガー「なんだなんだ?何も無いところからいきなり人間が落ちてきたぞ?」
ダルトン「う…ここはどこだ?」
ビネガー「まあいいっ!ここで会ったが百年目!人間などギッタンギッタンにしてくれるわ!」
ダルトン「俺様の時代とは違うようだな。ぬ!?敵だな?出でよ!ダルトンゴーレム!こやつらを片づけろ!」
ダルトンはゴーレムを召喚したつもりだった。しかし何も出てこない。
ビネガー「さあ行け!我が僕達!」
ダルトン「どうしたゴーレムシスターズ!命令が聞こえんのか!」
ビネガー「?」
ダルトン「さあ、何をしているゴーレムシスターズ!とっとと出て来んか!」
ビネガー「さっきから何を言っているんだこやつは?」
怪訝に思ったダルトンは周囲を見渡したがゴーレムの姿がひとつもない!
ダルトン「!!!!!そんなバカなあーーッ!!!!!」
ビネガー「何を叫んどるんだ、この男は?」
ダルトン「………まあいいっ!それなら俺様が直々に相手をするまでだ!」
ダルトンは鉄球や反撃の魔法で魔族達を一掃した。
ビネガー「くう~、なかなかやるな。ソイソ~ッ!マヨネーッ!」
ソイソー「お呼びになられましたか?」
マヨネー「は~い、あたいをよ♥ん♥だ♥?」
ビネガー「この男を始末するのだ!」
マヨネー「あ~ら、いい男ネ♥!」
ダルトン「待てっ!何だ貴様らは?」
ビネガー「ワシは大魔王ビネガー。そして配下の外法剣士ソイソー、空魔士マヨネーだ」
ダルトン「大魔王だと!?」
ビネガー「そうだ。いずれはこの世界の支配者となるべき存在だ。ギャヘヘ」
ダルトン「そうか。ならば俺様がおまえを倒してやろう。そしてこの俺様が世界を支配してやる!名付けてダルトン・ワールド!ヒャアッハッハッハ!」
ソイソー「人間ふぜいがいきがりおって、俺が始末してくれる!」
ダルトン「鉄球!」
ひゅ~ドーン!
ソイソー「ぐはっ!…む、無念…」
ソイソ―は巨大な鉄球の下敷きになった。
ビネガー「ソイソ―ッ!」
マヨネー「あ~ら、やられちゃったのネ。でも私はこの色男と戦う気はないのヨネ~サ♥ヨ♥ナ♥ラ♥!」
ビネガー「何っ!」
マヨネーは魔法でどこかへワープしてしまった。
ビネガー「ビ……ビネガーピ~ンチッ!!……、さらばだっ!」
ダルトン「ど、どこへ行く!?」
ダルトンは建設中のビネガーの館へと入っていった。
ダルトン「フン、これはいいな。奴らを従えたら俺様の居城にしてやろう」
しばらく進むとビネガーが待ち構えていた。
ビネガー「ウエ~ルカム……!かま~ん、べいべ~!」
ビネガーは何かを必死に回しているようだが薄暗くてよく見えない。
ダルトン「フッ、この城は俺様がいただく!それっ!」
グフッ
ダルトンが突撃すると、上からギロチンが落ちてきた。ダルトンは瀕死の重傷を負った。
ビネガー「ひょ~っひょ!ひっかかったな!!」
その後、囚われの身になったダルトンは、他の魔族達と一緒にビネガーの館の建築をさせられていた。この時代に飛ばされてから何故かゴーレムの召喚ができなくなっていたダルトンは、深手を負った傷の痛みに耐えながらも労働を課せられていた。
マヨネー「ダルトンちゃん♥大魔王ビネガー様に逆らって奴隷にされちゃったんですってネ♥駄目ヨ、悪い子はおしおきされちゃうんだから♥」
ダルトン「うるさいっ!女に何がわかる!」
マヨネー「あ~ら、つれないわネ♥せっかくあたいの魔法で傷を治してあげようと思ったのに♥」
ダルトン「何っ!そうか、それはすまなかったな」
マヨネー「急に素直になったわネ♥じゃ、じっとしてて♥」
マヨネーが回復魔法を唱えると、ダルトンの傷はみるみると塞がった。
マヨネー「うふ~ん♥良かったわネ♥」
ダルトン「フッ、こうして女に傷を癒されるのも悪くはないな」
マヨネー「あたいもいい男は大好きヨ♥」
マヨネーはダルトンに熱い口づけをした。
ビネガー「コラ~ッ!マヨネー、ワシの部下に手を出すな!」
マヨネー「キ~ッ!ど~せ、あたいは男ヨ!」
ダルトン「男…?」
数秒間、ダルトンは硬直していた。そして男に熱い口づけをされた事実に気付く。
ダルトン「ぎゃああああーーーーー!!!!!」
マヨネー「あ~ら、失礼しちゃうのヨネ~男でも女でも美しければいいのヨネ~」
ダルトン「おえええええっっっっっ!!!!!」
ダルトン「くそーっアイツらめ!仕返ししてやる!見てろ!この俺様を怒らせるとどうなるか!…ゴーレムが召喚できないなら…こうだっ!」
ダルトンは建設中のビネガーの館に細工をし始めた。しばらく労働を課せられていたせいで館の仕組みはわかった。ビネガーはリフトから手下を呼び出して侵入者と戦わせるつもりのようだ。
ダルトン「フッ、正々堂々と戦えないとは、大魔王を名乗っていても実力は大したことないな」
ビネガーは魔族の僕達やソイソ―やマヨネーに頼ってばかりで自ら戦おうとはしない。一方ダルトンも普段はゴーレムばかり召喚して自分の力で戦うことはほとんどない。お互い似た者同士だということに気が付いていない2人だった。
ダルトン「ここをこうして…と、よしっ!これで奴がリフトから手下を呼び出そうとしても配下の魔族達はそのまま下へ落ちていく。馬鹿をみるがいい、ビネガーめ。ハハハッ!」
ダルトン「次は王の間(?)だ!ビネガーの奴、落とし穴ばかり仕掛けやがって、策士策に溺れるという言葉を知らんな?ここのスイッチをこうして…と、こうすればちょうど奴が居座るところに落とし穴が空くはずだ」
「ニャー」
ダルトン「何だ?こんなところに猫がいるぞ?魔族の住処だというのによく無事で入って来られたな。まあいい。このスイッチにはマタタビを仕掛けておこう」
館の仕掛けをいじったダルトンは再びビネガーに決闘を挑んだ。
ダルトン「大魔王ビネガーとやら!俺様と勝負しろ!」
ビネガー「ギョヘヘ、こりない奴め。ゆけ!ワシのかわいいムスコ達よ!こやつに死を与えるのだ!」
ダルトン「フン!部下無しでは何もできない奴が!とりあえず……これでも、くらえっ!」
ズガーン!ズガーン!
ビネガー「ぬうッ!バカな……!」
ビネガーは慌ててリフトを回す。
ビネガー「ぜ~は~ぜ~は~ぜ~は~……少々おまえを甘く見過ぎていたようだ。しかし今度はそうはいかんぞ。殺っちめえ!」
ダルトン「はっ!!何だ、あれは!?」
ビネガーの僕達はダルトンの指差した方を見る。
ズガガーン!!
ダルトン「ヒャアッハッハッハ!!これが世界の帝王ダルトン様の実力だ!」
ビネガー「ちくしょー!こ、今度こそおまえもおしまいだぞ!ホントだぞ!ゆけ、我が僕達よ!大魔王ビネガー様の敵を叩きのめせ!」
ダルトン「はっ!!あれは何だ?」
ビネガー「同じ手に何度も引っ掛かるかあ~!」
「ニャー」
ビネガー「ん?猫?」
ビネガーと魔族達は猫の方を見る。
ダルトン「鉄球!」
ひゅ~ドーン! ドーン! ドーン!
ぎゃああああ!!!!!
ビネガーと魔族達はダルトンの鉄球の下敷きになった。
ダルトン「ヒャヒャヒャアアア!どうだ俺様の実力は!」
ビネガー「ぬうッバカな……!ぜ~は~ぜ~は~ぜ~は~……ちいッ!うちどめか!」
ダルトン「待てッ!ビネガー!……待てよ、これで前もギロチンでやられた。……しかし今度はそうはいかんぞ」
ビネガー「フッフッフ、3度目の正直だ。ワシの必殺アイテムビネガーパンツ!」
……
…………
ビネガー「ソイソー!?マヨネー!?」
ダルトン「どうやら貴様しかおらんようだな」
ビネガー「グゲゲ……」
…………………………
ダルトン「まさか1人では何もできないというのではないだろうな?」
ビネガー「ビ……ビネガーピ~ンチッ!!……、さらばだっ!」
ダルトン「待てッ!」
ビネガー「ぜ~は~ぜ~は~ぜ~は~……」
ダルトン「さあ、止めだ。俺様をさんざんコケにしてくれた仕返しをさせてもらうぞ!」
ビネガー「やられはせん、やられはせんぞ!ワシのバリアーはあらゆる攻撃を受けつけぬのだ!」
ダルトン「何!!」
ビネガー「出でよ、我が僕達。ワシに逆らうこやつをボッコボコにするのだ!!」
ダルトン「こうなったら奥の手だ!おならぶ~!」
あまりの威力にビネガーの手下達は皆やられてしまった。
ビネガー「んな、アホな!ワシのも同じくらい臭いぞ」
そう言っているうちにも他の手下達は逃げていく。後にはビネガーとダルトンだけが残された。
ダルトン「何!?ビネガー貴様、俺様の奥の手が通用しないとは…ぬぬぬぬぬううう!!」
ビネガー「フ…ファッファッファ。ムダ、ムダ、ムダァァァァッ!貴様ではワシは倒せん!」
ダルトン「こうなったらヤケだ!俺様の全魔力を解放してやる!ええい!呪文は確か、バカンテ!!!!!」
ビネガー「!?おぴょおっ!!」
ダルトンの身体から凄まじい魔力が発散された。あまりの威力に館が破壊されていく。
ビネガー「うわーワシの館がー!また一から立て直しだあー!」
ソイソー「何事だ?」
マヨネー「あ~ら、何だか変ヨ。あの色男のおかげで前の魔王様の時と同じ様なゲートができてるわ」
ソイソー「ということはあの男から離れた方がいいということだな」
マヨネー「そうヨ。どんな場所に飛ばされるかわからないわネ」
ダルトンは自らの魔力を暴走させ、その結果生じたゲートに引き込まれていった。
ビネガー「やれやれ。結局あやつは何だったのだ?人間の癖に魔法は使えるようだったし」
マヨネー「今となっては全てが謎ネ。でもいい男でよかったのヨネ~♥」
ビネガー「よくないわあ!ワシの館づくりの邪魔をしおって、また一からやり直しだ~!」
ビネガーは腹を立てながらも館を立て直し始めた。
そしてその後ダルトンがどこへ飛ばされたのか知る者はいない…
(完)
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