ここはグレートアーチ。観光名所のリゾート地である。

エレン「うわ〜暑いな〜」
ハリード「砂漠と違って蒸し暑いな」
タチアナ「暑いよ〜アイス食べたい〜」
ウォード「俺が住んでたユーステルムに比べたら、暑さでおかしくなりそうだぜ」
タチアナ「ねえ、レオニードは暑くないの?そんな恰好で。それにヴァンパイアなんだよね?これだけ強い日差しになのに平気なの?」
レオニード「……………」

レオニードはふっとミステリアスな微笑を浮かべた。

タチアナ「な、何それ!黙秘ってこと?気になる〜!!」
ハリード「まあ、落ち着け、タチアナ」
エレン「それにしてもこれだけ暑いとだるくなるわね〜何か涼しくなる冷たいものないかしら?」
雪だるま「ここが南の国なのか。ボク初めてなのだ。とってもとっても暑いのだ」

「……………!!!!!」

一同は一斉に雪だるまを見た。

雪だるま「どっ、どうしたのだ!?みんな」
ウォード「雪〜〜!!」
タチアナ「触らせて〜!」

ベタベタベタベタ

タチアナ「あ〜冷た〜い。気持ちいい〜」
雪だるま「うわ〜やめるのだ〜生温いのだ〜」
ハリード「お〜い、あっちにかき氷屋があるぞ〜食べに行こうぜ」


※実際にはありません





店主「へい!らっしぇい!…ってなんでえ、そりゃ?何でこんなところに雪だるまが!?しかも動いてるう!!??」
雪だるま「ボクは北の雪の町からやってきたのだ。よろしくなのだ」
ハリード「まあ、細かいことはツッコミはよしてくれ。それよりかき氷だ」

ハリード達はかき氷を食べた。

店主「それにしても面白れえ生き物だな。ウチでバイトしないか?」
雪だるま「バイト?何なのだ、それは?」
店主「なあに、ただ屋台の前で立っててくれればいいんだよ。それだけで客寄せになるぜ。儲かれば礼ははずむぜ」
ハリード「何っ!本当か?」
店主「もちろんだ」
ハリード「雪だるま、お願いだ。俺達の為にバイトしてくれないか?」
雪だるま「バイト…」

ハリードは雪だるまの肩(?)に手を置いた。

ハリード「今、金が無いんだ。仲間の為だと思ってやってくれ。安心しろ。トレードの合間に様子を見に来るから」
雪だるま「そ、そうなのか?じゃあ、みんなの為にがんばるのだ」
ハリード「任せたぞ」





雪だるま「いらっしゃいませ〜かき氷はいかがですか〜?なのだ〜」
子供「わ〜い、雪だるまだ〜」

子供は雪だるまの雪をもぎとろうとする。

雪だるま「こ、こら〜やめるのだ〜」
店主「おい、雪だるま、おまえのその顔、雪をちぎって食べさせてやんなよ」
雪だるま「ボクはアン○ンマンじゃないのだ〜!!」





店主「おい、雪だるま、おまえの身体にいちごミルクかけてもいいか?」
雪だるま「ダ、ダメなのだ〜!ボクは食べ物じゃないのだ〜!生き物なのだ〜!」





ハリード「よう、雪だるま。約束通りトレードの最中に様子を見に来てやったぜ」
雪だるま「ハリード〜バイトもけっこう大変なのだ〜」
ハリード「で、店のオヤジ、給料はどうなってるんだ?」
店主「いやあ〜いい見世物になってねえ。おかげで大繁盛だよ。報酬はこれくらいでどうだい?」
ハリード「お、おお!1万オーラム!!」
エレン「ちょっとハリード、あんた仲間を売ってるってことわかってる?」
ハリード「見ろよ、エレン、1万オーラムだぜ!これだけ稼ぐのに普通ならどれだけ苦労することか…雪だるま!おまえはかけがえのない仲間だ!!」
雪だるま「そ、そうなのか?みんなの為に役立って嬉しいのだ」
エレン「ハリード…あんたってホント守銭奴ね…」
タチアナ「雪だるま…だまされてる…」
ウォード「いいのか?あのままほっといて」
レオニード「聖杯を持つ者に従おう」
ウォード「そうじゃねえだろ…」












雪だるまの受難


教授「はあ〜い、みんな、ひ・さ・し・ぶ・り!私のこと覚えてるかしら〜?」
ハリード「ああ、覚えてるよ。変人女教授」
教授「やあねえ、全く素直じゃないんだ・か・ら!」
ハリード「何の用だよ?」
教授「そこの雪だるま君に用があるのよ」
雪だるま「ボクに?何なのだ?」
教授「あなたの生態を調べたいのよ。見た目はどこもかしこも普通の雪だるま。でも中身は一体どうなってるのかしら?気になるわ〜解剖さ・せ・て!」
雪だるま「じょっ、冗談じゃないのだ!」

逃げ出す雪だるま。

教授「待ってちょうだい!あなたが私の研究に協力してくれれば科学が発達するかもしれないのよ〜!」
雪だるま「嫌なのだ〜!怖いのだ〜!」
教授「あら?雪だるまなのになぜ足跡がついているのかしら?余計気になるわ。待ってえ〜」

雪だるまは全速力で逃げ出し雪の町に帰ってしまった。


※以降、雪だるまを仲間にすることはできなくなる(←嘘です)





(終)





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