まいごのプリンセスPart2





ドラゴンキラー編クリア後――

ラルク「YOU、久しぶりだな」
YOU「ああ、今日はちょっと顔を見に来ただけだ。おまえともたまには会わないとな」
ラルク「ここにいても腕がなまってしょうがない。俺の力が必要な時はいつでも呼んでくれ」
YOU「ああ、わかったよ」










ある日、マイホームの戸を激しく叩く音がした。

瑠璃「YOU!YOUはいるかっ!」
YOU「どうしたんだ?」
瑠璃「真珠姫がまたいなくなっちまったっ!どこを探してもいないんだ!協力してくれ!」



ラルク「――で、なんで俺のところに来るんだ?」
YOU「おまえ、鼻が利くだろう。最初にシエラとヴァディスに会いに行った時のことを思い出してな。さあ、これが真珠姫のハンカチだ。匂いを辿って見つけ出してくれ」
ラルク「何で俺がそんなことをしなければならんのだ?」
YOU「力が必要な時はいつでも呼んでくれと言っていたじゃないか」
ラルク「それはそうだが…」
YOU「それにモンスターがいるところに迷い込んでしまった可能性もある。腕がなまっているんだろう?たまには戦うのもいいぞ」
ラルク「そ…そうか…なら仕方がないな…」



YOU「――で、最後に真珠姫を見たのはどこだ?」
瑠璃「煌めきの都市だ。俺達はいつも一緒にいる。なのに今朝起きたら急にいなくなっていたんだ!」
ラルク「俺はこのハンカチからソイツの香りを辿るのに専念する……何とかなるさ。行こう」


ラルクについて行くYOUと瑠璃


てくてくてくてく…………


瑠璃「ここは…魔法都市ジオ!この都市のどこかにいるんだな!さっそく探そう!」

魔法都市ジオの中をくまなく探す瑠璃とYOU。


クリスティー「真珠のお嬢さん?見てないわねえ。サザビー、あなたは何か知らない」
サザビー「見てまちぇん」


ニキータ「真珠のお嬢さん?知らないにゃ。もし見かけてたら何か商品を売りつけてたはずだから忘れるはずないにゃ」


メフィヤーンス「真珠のお嬢さん?残念だが知らないねえ。この学園にいるかもしれないから探してみたらどうかね?」

魔法学園の教室、図書室を探したがみつからない。


瑠璃「もしかして宝石店に?」

宝石店「ウェンデルの秘宝」に入るが真珠姫は見当たらない。

YOU「まさか宝石箱パンドラの中とか…?」

いない…


喫茶「ごめんねカール」で聞き込みをする瑠璃とYOU。

店員のティーポ「あのお嬢さんならここへきましたわ。この喫茶のお薦めランチ食べてもろうたで」
瑠璃「それで真珠姫はその後どこへ行った?」
ティーポ「さあ?なんか考え事しながら歩いておったさかい、お勘定もらうの忘れるところでしたわ」
瑠璃「全くアイツは!」



YOU「ラルク、真珠姫の匂いはまだ辿れそうか?」
ラルク「ああ、こっちだ」


てくてくてくてく…………


瑠璃「ここは…レイリスの塔!よし!3人で手分けして探そう!」



モンスターを蹴散らしながらレイリスの塔の中をくまなく探す瑠璃達。だが真珠姫は見つからない。

瑠璃「クソッ!運命の部屋にもいないか!」
YOU「ラルク、匂いは…?」
ラルク「まだ続いているぞ。ついてこい」


てくてくてくてく…………


瑠璃「今度は港町ポルポタか!」

再び探索を開始する瑠璃とYOU。

YOU「ショッピングマリーナや入り江の方には行ってないみたいだぞ!」
瑠璃「となるとホテルの方か!」

モティさん「ああ、あのお嬢さんなら昨日ここへ泊まっていったよ」
瑠璃「それで今はどこへ!」
モティさん「さあ…なんだか考え事してたみたいで、何を言ってもほとんどうわの空。フラフラ〜っとチェックアウトしていったよ」
瑠璃「真珠ッ!!!!!」
YOU「瑠璃落ち着け!…ラルク匂いは?」
ラルク「ちょっと待て、匂いが薄くなってる…」
瑠璃「そんな!」
ラルク「安心しろ。完全に見失ったわけではない。ついてこい」


てくてくてくてく…………


瑠璃「今度は断崖の町ガトか!」


ダナエ「ごめんなさい。そのようなお嬢さんは見かけてないわ」
瑠璃「そんなっ!それならどこにいるというんだ!…まさかカンクン鳥の巣まで!?」
ラルク「待て、あっちの方には香りがしない」
瑠璃「そんなの当てにできるかっ!現に今までだってすれ違いばかりだ!」
ラルク「待てと言っているのに…仕方ない奴だ」


YOU「う〜ん、瞑想の部屋やシュタインベルガーがあるところまで探したけど見つからないな」
ラルク「だから俺が言った通りだっただろう?」
瑠璃「くそっ!お手上げか!」
草人「ねえねえ、そこの人達、白いドレスを着た真珠の女の子を探してるの?その人ならこの間テラスで見たよ」
瑠璃「何っ!それで真珠は今どこに!」
草人「…さあ…?」
瑠璃「ガクッ………」





ひゅううううぅぅぅ〜〜〜〜〜





瑠璃「真珠…いったいどこへ行ったんだ………」
YOU「レディパールになって煌めきの都市に戻っているってことはないのか?」
瑠璃「ジンの曜日しかレディパールにはならないよ…いなくなったのはドリアードの曜日だったんだ…」
YOU「いっそのことジンの曜日まで待ったら――」
瑠璃「そんなことできるか!その間に真珠にもしものことがあったらどうする!」
YOU「う〜…前はメキブの洞窟にいた。探してみるか?」
瑠璃「こうなったらヤケだ!手当たり次第探してやる!」



ラルク「ここがメキブの洞窟か…?このハンカチと同じ香りがするぞ」
瑠璃「よし探せ探せ探せーーーっ!!!!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


瑠璃「はあっ、はあっ………見つからない…」
ラルク「見つからんな」
YOU「もうだいぶ俺んちの近くまで来たな…そうだ、ドミナの町で情報収集してみよう」



ドミナの町、アマンダ&パロット亭

YOU「だからレイチェルに当たるなって!」
瑠璃「うるさい!黙れ!これだけ探しまわっても見つからないんだ!真珠姫が危険な目に遭っていると思うと俺は気が気じゃないんだ!」
レイチェル「あなたが瑠璃さん?レイチェルからお話は伺っているわ。確かに気性が荒くて怖いかもね。ウフフ…そんなに真珠姫さんのことが大切なのね」
瑠璃「!?おまえは何だ?レイチェルじゃないのか?」
レイチェル「あなたが私をレイチェルと呼ぶ限り、私はレイチェルだわ」
瑠璃「??ところで真珠姫はどこだ?」
レイチェル「ついさっきリュオン街道を探してみるってぶつぶつ言いながら店を出て行ったわ」
瑠璃「リュオン街道かあーーーっ!」



慌ててリュオン街道へ走る瑠璃達。するとそこには「ぶにゅ」に囲まれた真珠姫の姿が。

真珠姫「えっと、あの、『ぶにゅ』さん?私はそっちへ行きたいの。ダメかしら?」
「ぶにゅ」
真珠姫「……………」
瑠璃「真珠!」
真珠姫「あ!瑠璃くん!」
瑠璃「バカヤロウ!さんざん探したんだぞ!さあ煌めきの都市に戻るんだ!」
真珠姫「あ、でも、まだここは探していないわ…」
瑠璃「一体何を探しているんだ!何かなくしたんなら俺が新しいのを買ってやる!」
真珠姫「そうじゃないの…アレクサンドルに会いたくて…」
瑠璃「何?」
真珠姫「わたしたち、さいごまですれちがってばかりだったから…もう一度会って話したかったの。そして蛍姫様の言うように、またみんなで一緒に…」
瑠璃「……………真珠姫、アイツは当分帰って来ないよ………アイツの方から煌めきの都市に帰って来る気になるまで俺達で待っていてやろうじゃないか?」
真珠姫「…そうね…瑠璃くん、心配かけてごめんなさい」





瑠璃「さんざんつきあわせて悪かったな。何かお礼にやれるようなものがあればいいんだが…」
YOU「残念だけどアーティファクトはもう全部入手済みだ」
瑠璃「それじゃあロリマー聖鉄をやろう」
YOU「1個か?」
瑠璃「なんだ、足りないのか?」
YOU「何日振り回されたと思っている?」
瑠璃「…そうか…なら煌めきの都市の宝石屋にあるものを一通りやろう。象牙、サンゴ、エメラルド、パール、ラピスラズリ、陽光のクリスタル、月光のクリスタル、輝きのクリスタル、カオスのクリスタル…これでどうだ?」
YOU「…………………輝きのクリスタルとカオスのクリスタル3つずつにしてくれ。武器防具改造に使えるんだ」
瑠璃「うっ………所持金が…ツケだとエメロードの姉さんに怒られるんだ…チクショウ!持ってけ!」
YOU「よし!」
ラルク「ちょっと待て。俺も協力したんだぞ。何かよこせ」
瑠璃「ああくそっ!おまえは何が欲しいんだ?」
ラルク「腹が減った。ドラゴンステーキでもおごってくれ」
瑠璃「チクショウ!俺の財布の中身があああーーー!!!!!」





真珠姫「瑠璃くん、ごめんなさい。私のせいで…」
瑠璃「いいんだ、おまえさえ無事なら。…それより今後はもう1人で出て行くなよ。おまえには俺がついてることを忘れるな」
真珠姫「うん、ありがとう、瑠璃くん」

煌めきの都市にて、2人見つめ合う瑠璃と真珠姫であった。



(完)



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