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vol.20 とある講演録より7
2001/7/17

● 知能偏重の採用基準

日本ではまだ知能や知識、経験などを重視した採用試験を行っていて、その試験で入ってきた人間が「やるぞ!」と言う人材になるかどうかは疑問です。むしろ「やるぞ!」という人間を落として、頭がいいだけの理由でやる気のない人間を採用しています。

今の日本の大企業が経営不振に陥っている最大の理由は、知能偏重の採用基準に傾きすぎたことにあります。

中小企業ではその逆をやっているかと言えばそうではなく、「うちにはろくな人材がいない」と嘆き、マッチを擦って歩かない経営者がたくさんいる。これでは社員の意識改革になりません。

今、われわれの業界もそうですし、日本の政府機構もあわせ、全体的に何が最大の問題かといいますと、リーダーがいないということです。

アメリカへ行きますと、30歳ぐらいで従業員5千人程度の会社の社長がたくさんいます。最初から経営者のプロを養成しているわけです。

日本では違います。たとえば国立の芸大へ入るのに国語も社会も理科も数学もできないといけないわけです。全部に優れた能力を持っていなかったら音楽活動ができないかと言えばそんな事はないのです。このように日本ではプロが育ちにくい環境なのです。

vol.19 とある講演録より6
2001/7/15

● 人の意識が変われば

(前略)私(講演者)は経営不振の会社を買収していますが、病人にたとえれば集中治療室に入らないといけない程度の赤字の会社ばかりです。しかし毎月何億という赤字を出している会社が、あっという間に利益が出てくるのです。従業員も場所も製品もそのまま何も変わっていないのに、なぜ利益が出るように変わるのか。

それは、人の意識が変わるからです。

マッチで火をつけたら燃える人間が8割いるわけですから。17%の全く燃えない人間をいかに10%に近づけるかという事と、いかに8割の人に燃えてもらうかという事をすれば良いのです。

● 能力の差は5倍、意識の差は100倍

私はいつも申し上げているのですが、人間の能力の差、つまり頭がいいとか経験が豊富とか知識があるとかの差は、天才は別として、秀才まで入れて高々5倍。これまで何千人という人を見ましたが、これ以上の能力差はない。普通は1.5から2倍ぐらいでしょう。

ところが、意識ややる気、気力など精神的な強さは、その差が100倍ぐらいあるのです。

朝、「今日も会社へ行かないと」と、目覚し時計を3個つけてもまだ起きられない人間と、「今日は月曜日だ、がんばるぞ!」という人との差は100倍、全く違います。これは頭がいいなどとは全く関係ないのです。一流大学出身者が皆「がんばるぞ!」と言うやる気を持った人間で、三流大学の出身者がそうでないとなりますか?

ところが、今の会社はほとんどそういう錯覚に陥っているわけです。なぜ優秀な製品が出ないかと言えば、「一流大学出がいないから。知識の豊富な人材がいないから」と多くの人が言っています。

vol.18 とある講演録より5
2001/7/14

● 80%の人間を

(前略)残りの80%の人間をどういうふうにして燃やすか、これがキーなのです。従業員が100人くらいの会社の経営者が、「うちにはろくな社員がいない。だから、良い製品も出てこない。営業も弱い。」とよく言われます。そこで私(講演者)が「ところで、社長さんは毎日どういう生活をしておられますか」と聞くと、「会社へ遅めに出て、週2回はゴルフへ行って・・・」と返ってきます。

従業員100人規模の会社でマッチを持った人間と言えば社長、専務、常務それくらいです。その3人が会社に遅く出て来て、早く帰ってカラオケに行って遊んでいるから、残りの社員はぼんやりと過ごしているわけです。本来なら「今度こういう製品を開発するぞ、君たちならできる。私もがんばるから」と言って社員に火をつけて回らないといけないのです。

vol.17 とある講演録より4
2001/7/11 ●人間の3つの種類

(前略)私は、人間には3つの種類があるといつも言っています。まず第1番目は自分でマッチを持っている人間。自分で燃えて、何でもできるのです。これは100人中3人しかいません。

その次、一番多いのは自分ではマッチを持っていないのですが、他人が燃えると一緒に燃える人間です。やる気のある人間の所へ入れると、自分もやる気を出す人間。これが100人中80人です。ほとんどの人がこの種類です。

残りの17%は、マッチも持っていないし、燃えている人間の横にいても、少し暖かくなるけど燃えることはない人です。企業にはそういう人が17%いるのです。この人たちは何の役にも立たないと思いがちですが、全くゼロではいけないのです。宴会部長でもさせると、歌はうまいし、「社長、社長」と言ってくれます。こういう人たちがいなかったら、会社の中はギスギスするのです。

この人たちの占める比率は17%が平均で、20%になるとその会社は経営不振になります。業績不振会社へ行きますと、最低でもこういった人たちが2割はいます。3割いる所もあります。

自分でマッチを持っている3%は、ほとんどが日本を代表する大企業に入っています。こういう人材は一般の企業には回ってこないのです。

ところが、大企業はそういうマッチを持った人間ばかりを集めて、マッチを擦らせずにずっとポケットにしまわせたままにしています。10年ほど経って「いよいよお前も自分でマッチを擦ってもらわなければ」と言われた時には、すでに湿っていて火がつかない。これが大企業によく見られる傾向です。大変有能な人材を集めているのに、それを活かせていない。

本来なら、そういう人はアメリカのように、最初からベンチャー企業に入って会社を成長させるか、会社を起こせば、国が一挙に活性化するのですが、日本の場合はマッチを持った人間はほとんど大企業に入っているわけです。(つづく)
vol.16 とある講演録より3
2001/7/10

●なぜ、四流、五流の人材が一流になったのか

(前略)ある社員の話ですが、会社ができて5年ほど経った頃、アメリカに先発隊で行くように言われた彼は、「私は英語の文字を見ただけで気分が悪くなるほどの人間です。英語が嫌いだから理科系の学部へ進み、英語を使わなくてもいいこの会社に入ったんです。」と答えるのです。

私は「アメリカでは、小さい子供でもぺらぺらと流暢に英語を喋っているではないか。何を言っているのだ。行け!」と叱りつけました。

そうしてアメリカへ行った人間が、今や海外の営業の最高責任者です。英語だけではないですよ、フランス語、ドイツ語とすべて堪能です。

もちろん後から話を聞くと、行ってからしばらくはノイローゼになって、ご飯を食べに行くと英語を使わないといけないから何度か3食抜いたといった苦労があったようです。

つまり、「学校の成績で英語が良くなかったから、英語が嫌いだ」ということと、実際に現地へ行って英語を話すことには何の関係もないわけです。それを、英語ができないからアメリカへ行かせないとか、英語ができるから行かせるとか、こんな人事を今の大企業はやっているのです。(以下省略)

・・・この講師がおっしゃっていることの意味は大切ですよね。

vol.15 とある講演録より2
2001/7/8

●人間に関心を持て

(前略)叱って育てるということは何を意味するかと言いますと、人間に関心を持たないといけないということです。

会社の中でも人の使い方のうまい管理者は何が違うかと言いますと、やはり部下に関心を持っています。今の時代は、できる限り部下に関心を持ちたくないという傾向が強いのです。

私(講演者)は昔サラリーマンを6年していまして、その会社で自分が感じた一つの例を紹介します。社長と専務がおられまして、社長はさほど良い学校を出ていない創業者、専務は東大出の立派な方でした。その社長は、廊下でお会いすると「おい○○、お前のモーターは全くダメだ。もっとがんばれ。」と、肩を叩くわけです。

一方、専務は、まず私の名前がわからないのです。胸の名札を見て、「ああ○○さん、おはようさん。がんばってください。」ぐらいの挨拶です。

どちらがいいか。片方はぼろすかにけなされているわけだけど、会った後に部下はどういう感じを受けるかと言うと、社長の方が格段に愛情が深いわけです。名前を覚えてくれているし、仕事の内容をきちんと知ってくれていると、「よーし、次は社長に誉めてもらえるようにやらなければ」となります。

この場合、部下に対する関心の持ち方が社長と専務ではおそらく100倍くらい違うと思うのです。社長は人望がありました。専務は立派な方ですが、そんなに人望はありませんでした。人間の人望というのは、高学歴や知識があるなどの立派な経歴とは関係がないのです。良いことも悪いことも上司がきちんと知ってくれているというのは、部下にとって大変重要な問題だと思います。

私も人望の厚い人間になりたいと思います。

vol.14 とある講演録より1
2001/7/7 ●最近の頭のいい人は・・・

(前略)頭のいい人はすごいですよ。「お客様からこういう商品を開発してほしいと依頼がきているけれど、どう思う」と尋ねますと、「社長、お言葉を返すようですが」と、黒板の前に立って、いかにそれが不可能であるかを証明する難しい式を書くのです。

だから、私は言いました。「大学で博士号をとるのなら、できないことを証明することも意味があるが、民間企業ではできないことを証明しても、ビジネスが成り立たないのだから、そんな証明には何の価値もないではなか」と。(以下省略)

これを読んでどう思いますか??

「なるほど」「あたりまえ」「いや、そんなことはない」等、色々意見はあると思います。でも、ビジネスの世界では確かに意味がないと思いませんか?

みなさんも、一度この意味について考えてみてください。
vol.13 採用担当者として、思ふ(う)こと・・・
2001/6/17 今日は採用担当者として、自分が思うことを書きたいと思います。

僕が思う採用担当者の理想は
採用担当者である前に「学生のみなさんの将来の道先案内人」になることだと思います。(偉そうな事は言えませんが・・・)

会社説明会や会社訪問などで出会う学生のみなさんが、「それぞれが考える一流企業」(就職応援団の櫻井氏がよく使います。櫻井さん、言葉借りましたよ。)に出会い、入社する手助けができたとき、“採用担当者としての喜び”を感じることができます。
つまり、採用担当者として自分の勤めている会社に無理をして入社させるのではなく、「山下と出会ったおかげで、自分の行きたい会社が見つかり、入社することができました!」と後から声をかけてもらった時が“喜びや、やりがいを感じるとき”なんです。

まあ、担当者としての本音は「自分が絶対に良いと思った学生は、やっぱりなんとしても欲しい・・・と思いますけどね・・・」

あと、実際は入社した後にどうするかの方が大切だったりしますが・・・
vol.12 もう一度よく考えよう
2001/6/15

今回は少しマジメな話です。

就職活動も終盤戦を迎え、すでに内定をゲットし、就職活動を終了したという学生の方もみえると思います。

ところで、この時期に陥りやすい落とし穴は「自分を見失う」ことなんです。

つまり、この時期は就職活動にも疲れが出てきて、「自分は一体何がしたいのか」見失ってしまうんです。

もっと言えば、「自分はなぜ就職活動をしているのか」「自分はどんな基準で企業や仕事を選択しているのか」どんどんぼやけてしまう時期なんです。

また、すでに就職活動を終了した学生のみなさんの中にも、「本当にこれでよかったのか?」一抹の不安を覚えている人もいると思います。

もう一度、上に書いた事を自分自身に問い直してみてください。

自分の目の前に広がっている将来について不安になる事は当然です。
就職した後も、「本当にこれでよかったのか」必ず考えますよ。
その答えはきっとすぐには出ないと思いますけどね・・・。

vol.11 メッツの新庄選手について
2001/5/27 採用とは関係ありませんが、たまたまテレビで新庄選手の特集をしていたので・・・
個人的に彼の生き方を尊敬しています。

みなさんも知っての通り新庄選手は阪神からの5年12億円という好条件を蹴って、年俸2000万円の大リーグ・ニューヨークメッツに入団しました。

テレビの中で彼はこんなことを言っていました。
「阪神の5年契約はケガや良い成績を残さなくても収入は保証されている。僕はそれが嫌なんだ。メジャーに行って、良い成績を残せばそれ以上貰えるし、チャレンジしたいんだ。」

僕だったら目先の12億という金額と5年間の保証という点で阪神残留を選んでいたと思う。ところが新庄は違った。後見人の反対には「日本の新庄ではなく、世界の新庄になりたいんだ。」という殺し文句を言ったらしい。

最後にこんなことも言っていました。

「俺は絶対にやれるんだ、やってやるんだ」と言う気持が大切。「最初から諦めていてはダメだし、あいつには無理だ、と言われる事をやってやるんだ」「みんなだって、やろうと思えば結構できるもんだよ。真剣にやろうと思っていないだけだよ」

僕にとって有意義な新庄選手の特集番組でした。

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