2日目
   宿 →(送迎バス)→ 鳩待峠バス連絡所 ⇒(シャトルバス)⇒ 鳩待峠 → 尾瀬ヶ原散策 → 鳩待峠 ⇒(シャトルバス)⇒ 戸倉 ⇒(路線バス)⇒  沼田 ⇒(普通)⇒ 高崎 ⇒(新幹線)⇒ 上野 ⇒(普通)⇒ お茶の水(日帰り入浴) ⇒(普通)⇒ 東京 ⇒(新幹線)⇒ 名古屋 ⇒(普通)⇒  最寄駅
  

 朝を迎えた。天気は結局くもり、ところどころ晴れ間。今日1日の予報も二転三転した揚句、曇り一時的に弱い雨。夕立の可能性もあるという。

 僕らしか泊まっていなかったので、当然朝食も僕らだけ。朝食後、頼んでおいた弁当を受け取りチェックアウト。宿の車で鳩待峠バス連絡所へ。そして、 シャトルバスに乗り換えて鳩待峠に到着。


尾瀬ヶ原への道はここから

緑のトンネルを進む。

 鳩待山荘に荷物を預けて、出発だ。気温11.4℃。くもり。風がすーっと吹いてくると寒い。雨も少しまじる。1枚羽織って出発することにした。 尾瀬ヶ原は携帯電話も圏外。昨日、勤務先から電話があったことが気にかかったが、今日は土曜日だし、大丈夫だろう。

 鳩待峠を出発するとひたすら下り。特に最初3分の1は急だ。階段、木道、また階段の繰り返し。時折至仏山を望める場所があるが、ガスの中だ。 前後に人がいなくなったのを見計らい、気を送る。

 雲よどけ! 晴れ晴れ晴れ!!!! カーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
 

至仏山は見えない

3分の1を過ぎたあたりから坂は緩くなり、木道が続く。

 そして、花々がポツポツと足元に見られるようになってきた。シラネアオイ、ミズバショウ、サンカヨウ…。
 

 鳩待峠を出発して1時間ちょっとで山の鼻に到着。意外と早く着いた。ここは山小屋などがあり、休憩も出来る。
 
 空も明るくなってきて、うっすら日ざしも出てきた。空に向かって気を送ったのが効いてきたか。よし、もっと晴れろよ。
 

 トイレ休憩の後、尾瀬ヶ原へ出発だ。すぐに視界が開けた。木道がずっと続く。
 

木道が続く

ふり返れば至仏山。だんだん見えてきていた。

 ミズバショウの群落があちらこちらにある。これぞ6月の尾瀬!
 
 しばらく行くとここまでとは違う花も登場。
 

さらにびっしりミズバショウ

タテヤマリンドウ。小さな花だ。

ヒメシャクナゲ

ワタスゲ。白い部分は花ではないが、とても目立つ。

 だんだん人も多くなってきた。ミズバショウ以外はあまり考えてこなかったんだけど、目を引いたのがワタスゲ。ちょうどワタスゲが一面に広がる 場所で日がさしてきて、いっそうキラキラして見えた。これだけのワタスゲは初めて。
 

もっとびっしり一面のワタスゲの場所もあったけど、撮影してなかった。これらが一斉に風に揺れてる景色は 癒される。

 青空が広がってきた! いいぞ! 天気の回復が早かった。水面に燧ケ岳が逆さに映って見えるポイントに着いたが、雲が映っているのみで逆さ燧 (ひうち)とはならず。
 

逆さ燧は…見えず

 

 日ざしがあると暖かい。日ざしの偉大さを感じる瞬間だ。気温も16℃くらいまであがり、快適になってきた。
 牛首分岐を過ぎると人が少なくなった。追い越しや対向を気にしなくて済むので落ち着ける。
 

ミツガシワが咲き始めていた。

イワカガミ。群生は見つけられなかったが、点々と咲いていた。

 ミズバショウと至仏山の定番ポイントに到着。至仏山もついに全容が見えていた。 
 

青空ならなぁ…。せめて一面のミズバショウが…。とはいえ、至仏山を含めて、この景色を見ることが できたのはよかった。

 再び曇ってきた。竜宮十字路まで到達したところで昼にしよう。ベンチもあいており、座って景色を眺めながら食べよう!
 

竜宮小屋

このあたりではチングルマが見られた。

 おにぎりがうまい! こういうところで食べる食事ってホントおいしい。ベンチに横になりたかったが、さすがにそこまでガラガラではない。譲り合って 利用しよう。 

 !!!!!!!! 
 曇り天気ながらもちゃんと見えていた至仏山が霞んでいるではないか!

 

いい景色を見ながらのお弁当だったんだが、だんだん至仏山が霞んできて…

  まさか!?

  そのまさかだった。雨が降ってきやがったのだ。みんな一斉にレインウェアを着用し、ザックにカバーをかけ始めた。弁当は食べ終わっていたので 良かったが、食べている途中の人は弁当も片付けている。僕らもレインウェアをザックから出し着用。ザックにはレインカバーをかけて歩き始めた。

 雨は10分も立たないうちに上がり、また日が差してきた。雨粒を払っておけばウェアもザックカバーもすぐに乾きそうだ。
 

木道は続くよどこまでも

ヨッピ吊り橋

 ヨッピ吊り橋を経て、牛首分岐へ向かい歩き始めると、また雲行きが怪しくなってき た。至仏山が霞んでいる。またひと雨きそうだ。通常こういう場合、雨雲レーダーを見るところなんだが、尾瀬ヶ原は携帯通信の圏外。文明の利器が 使えない以上、目で見て感じて判断するしかないのだ。
 そして、サーっと降水。数十分降りっぱなしで、カメラもザックに避難させたためしばらく写真がない。
 

これは何だろう。結局わからず。全体では3分咲きって感じでした。

レンゲツツジが咲きかけていた。

 牛首分岐からはもと来た道を戻る。雨は強くはないが一向に止まない。それでももう一度ミズバショウなどを楽しみながら歩き、山の鼻にたどり着く 頃には雨が上がっていた。
 13時50分頃、山の鼻到着。山荘で休憩だ。そして、休憩の後、鳩待峠に向けて出発。

 行きが下りだったということは、帰りは上り。残り3分の1は 急坂 が待っている。14時ちょっとすぎに山の鼻を出発した。鳩待峠を出るバスは15時20分だ。山の鼻から鳩待峠までの所要時間は1時間30分と ガイドブックに出ている。間に合わない計算だが、行きもガイドブックの所要時間より早く到達していたので、なんとか間に合うだろうと判断。
 
 
 急ぐ。最初は比較的平坦なので、ガンガン行く。基本的に帰りの時間。鳩待峠へ戻る人が多く、団体客も多いので列をなしてしまう。が、木道は 2列であり、対向してくる人はほとんどいない。ガンガン追い越す。

 いよいよ残り3分の1。登り急勾配が始まった。上の写真では人もまばら。しかし、登り急勾配では歩みも遅くなり、疲れて休む人、上着を脱ぐため 止まる人、そして彼らを待つ人…で大渋滞。今さら日もさしてきて暑い。
 最初のうちに飛ばしておいて正解だった。こんな状況では追い越せない。

 「すいません! 急いでます! 時間がないんです。すいません!」
 血相を変えたおじさんが強引に追い越して行く。ツアーの出発時刻が迫っているのだろう。
 

連なる人、人、人

バスのケツが見えればゴール、鳩待峠だ。

 15時12分、鳩待峠に到達! 1時間ちょっとで登ってきちゃった! 鳩待山荘に預けておいた荷物を回収。大慌てで土産物を買い、バスへ。

 「15時20分発のバスが出まーす!」

 ギリギリだ。席に着くとバスは発車した。

ギリギリなくせに写真は撮ってる。朝は見えなかった至仏山。
 よかった…。予定どおり帰って行ける。実 に充実した1日だった。初めての尾瀬は天気はいまいちだったが、最悪の事態にもならず散策を楽しむことができた。
 さて、通信の圏外ということで、電波オフにしてたスマホを電波オンに戻す。そして、戸倉からの路線バス車中で…

 ピロリン♪      えっ!

 勤務先からメール!

 おいおい、うそだろう。土曜日だぞ…。

 とりあえず返信。何通かやり取りして終了したが、休み返上で資料作りか何かしているということだけは分かった。旅行に出ていなかったら、僕も今頃は 職場だったのか!?
 
  上司と同僚は金曜日を遅くまで残業、そしてこの日、土曜日は休日返上で朝から 夜まで。そして翌日の日曜日も昼間を中心に作業があったらしい。ということで、月曜日出勤したら、それはもう…。
  いきなりフルパワーでの労働が待っていた。もちろん残業。月・火曜日の2日間で3日分働いたと思っている。休みがなかった上司・同僚の前では 言えないが…


 出発前に感じていたどうにもイヤな予感とはこれだったのか。

  東京で日帰り入浴をして帰路に着いた。
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