Windows Vista/7への対応について 2011/2/13

親指シフトキーボードユーティリティ oyakey.exeは、Windows Vista/7(32bit版のみ)
で動作することを確認しています。

使用にあたっては、以下の事項に注意の上、readme.txt または kbdriver.txtに記載の
Windows 2000/XPの場合の手順に従って下さい。


設定および使用方法

@キーボードドライバの組み込み
 富士通製OASYSキーボードドライバの最新版である Windows2000/XP/2003/Vista/2008/7
 用OASYSキーボードドライバ V5.0.0.7は、公式に Windows Vista/7に対応しています。
 インストール手順は、キーボードドライバの説明書をご覧下さい。
 キーボードのモデルは、「FUJITSU OASYS キーボード  親指シフト (BIBLO シリーズ)」 を選択し
 ます。

 フリーソフトウェア版のキーボードドライバであるサニコン製 Windows2000/XP「親指
 シフトキーボード」対応キーボードドライバ Ver 5.0.1.4は、公式には Windows Vista
 /7に対応していませんが、Windows Vista/7にもインストールが可能です。
 ただし、インストール途中で、警告ウィンドウが表示された場合等についての対処方法
 は、富士通製OASYSキーボードドライバの説明書を参考にして下さい。
 キーボードのモデルは、「FUJITSU FMV-BIBLO」 を選択します。

 なお、両ドライバ共にサポート外の使用方法となりますので、使用者各自の責任におい
 て、インストールして下さい。

 また、上記キーボードドライバを組み込んだまま、Vista SP1/SP2のサービスパックを
 インストールしたり、Vistaから7へのOSのアップグレードを行うと、キーボード入力が
 出来なくなり、キーボードドライバの再インストールが必要となります。特に、ログオ
 ンパスワードを設定している場合は、パスワード入力も不可能になり、ログオンが出来
 なくなりますので、注意して下さい。もし、この状態になった場合は、USBキーボード
 を認識させて、USBキーボードでパスワードを入力するなどの対応が必要となります。
 このため、サービスパックをインストールしたり、OSのアップグレードを行う場合は、
 一旦標準のキーボードドライバに戻して下さい。これは、Windows XP以前のOSにも当て
 はまります。

Aキー配置の入れ替えとOASYSキーボード特有のキーの割り当てを行う場合は、Windows
 NT/2000/XP対応のレジストリ書き換えによるキー配置変更を行うソフトウェア Change
 Key v1.40を使用しますが、Windows Vista/7で Change Keyを実行する場合は、実行フ
 ァイルを右クリックして表示されるコンテキストメニューから「管理者として実行」を
 選択して下さい。

 なお、oyakey.exeのキー配置の入れ替えを行うと、左WinキーがAltキーに置き換わるた
 め、Windows Vista/7の特徴であるフリップ3Dの機能は、右Winキー+タブキー(元の左
 Altキー)で操作することになり、左手のみでの操作が困難になります。また、右Winキ
 ーの無いノートPCの場合は、フリップ3Dの操作が出来なくなります。このため、左Win
 キーをそのまま残したい場合には、タブキーの入れ替えや英字キーの割当てを行わない
 などの対応を取って下さい。ただし、英字キーの割当てを行わない場合には、oyakey.
 exeの英字キーに関する機能は使用出来ません。

B上記@,Aの組み込みを完了後、解凍したoyakey.exeとoyakhook.dllを Program Files
 フォルダ下やWindowsフォルダ下以外の適当なフォルダ(C:\oyakey など)に置き、
 oyakey.exeを実行します。
 実行後、oyakey.exeのアイコンが通知領域(タスクトレイ)に格納されます。
 設定変更する場合やプログラムを終了する場合には、通知領域(タスクトレイ)のアイ
 コンを右クリックして表示されるメニューから行いますが、アイコンが非表示になって
 いる場合は、通知領域の[隠れているインジケーターを表示します]の矢印(Windows
 Vista)またはボタン(Windows 7)を押して、アイコンを表示してから操作します。


JapanistおよびOASYSの環境設定

・Japanistの動作環境
 環境スタイルは「FMV DC」を選択。
 キーボード指定は「OASYSキーボード(実行付)」を選択。

・OASYS環境設定のキー割当て
 「OASYSキーボード(実行付box型)」または「OASYSキーボード(実行付note型)」を選択。

Windows Vista/7に正式に対応しているのは、アップデートパックや修正モジュールを適
用したJapanist 2003およびOASYS V10です。それ以前のJapanist/OAKおよびOASYSは、
Windows Vista/7リリース以降にアップデートパックや修正モジュールは更新されておら
ず、正式対応していません。

例えば、作者の環境で Windows Vista/7にOASYS V7以降/Japanist V1.0以降をインストー
ルして動作確認したところ、以下の様な症状が確認出来ました。(いずれも公開中のアッ
プデートパックや修正モジュールを適用済み)

・富士通製OASYSキーボードドライバを組み込むことにより、OASYS使用時に上記キー割当
 てで、「Print Screen」キーが前頁キーとして働くはずであるが、Windows Vista/7上の
 OASYS V7/V8では、「Print Screen」キーが前頁キーとして働かない。(OASYS 2002以降
 では、「Print Screen」キーが正常に前頁キーとして働く)

・OAK V7は、標準で Program Filesフォルダ下にユーザ辞書が作成されることにより、そ
 のままでは、変換時に登録単語が変換候補として表示されない。(ユーザ辞書を、新規
 にユーザーフォルダ等(例えば、OAK V8以降/Japanist V1.0以降と同じ様に
 \Users\<username>\AppData\Roaming\Fujitsu\OAKV7\udic)に作成することにより対策
 が可能)

・保護モードが有効な Internet Explorer 7/8上で、動作環境ダイアログを開こうとする
 と、Japanist 2003では「整合性レベルが低い環境では、本プログラムは動作いたしま
 せん。スタートメニューから起動し直してください。」というダイアログが表示される
 が、Japanist 2002以前/OAK V8以前では「異常が発生しました OK:処理を終了する」
 というダイアログが表示される。(共に動作環境ダイアログを開くことは出来ない)
 また、単語登録ダイアログを開こうとすると、Japanist 2003では「整合性レベルが低
 い環境では、本プログラムは動作いたしません。」というダイアログが表示され、単語
 登録ダイアログを開くことは出来ないが、Japanist 2002以前/OAK V8以前では「Webサ
 イトで、このプログラムを使って Webコンテンツを開こうとしています」という
 Internet Explorerのセキュリティダイアログが表示され、「許可する」ボタンをクリ
 ックすると、単語登録ダイアログを開くことは出来る。ただし、Japanist V1.0では、
 この操作により、Internet Explorerが異常終了する場合がある。

・他のアプリケーションでJapanist 2002以前/OAK V8以前を立ち上げたまま、保護モード
 が有効な Internet Explorer 7/8上で、Japanist 2002以前/OAK V8以前で日本語入力を
 しようとすると「資源不足のため予想外のエラーが発生したため Japanist(OAK)が起動
 できません OK:処理を終了する」というダイアログが表示され、Internet Explorer
 上で漢字変換が出来なくなる。

・普段使用するJapanistの動作環境の環境スタイルを「FMV DC」等にしていても、保護モ
 ードが有効な Internet Explorer 7/8上では、Japanistの動作環境の環境スタイルが
 「標準」に固定され、カスタマイズ出来なくなることがある。Japanist 2003では、こ
 れを回避するために、保護モードプロファイル情報削除ツールが公開されているが、
 Japanist 2002以前では、このツールは公開されていない。
 この症状が発生した場合、レジストリエディタを起動して、以下のエントリの下の該当
 するバージョンの情報を削除することで、上記ツールと同様に、保護モードプロファイ
 ル情報を削除することが出来る。
 (ここで、「S-1-5-21-XXXXXXXXXX-XXXXXXXXXX-XXXXXXXXXX-XXXX」は、ユーザーアカウ
 ント毎に異なるSID(セキュリティ識別子))

 [HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\InternetRegistry\
 REGISTRY\USER\S-1-5-21-XXXXXXXXXX-XXXXXXXXXX-XXXXXXXXXX-XXXX\Software\FUJITSU\
 Japanist]

・OASYS V8以降では、インストール時に「OASYS XXのセットアッププログラムを中断しま
 す。」と表示されてインストールが中断される場合がある。この場合、以下の情報を参
 考にして、\Users\<username>\AppData\Local\Temp の中にある OASYS、OASSETUP、
 MNUSETUP の各フォルダを削除してから、インストールをやり直す必要がある。
 http://software.fujitsu.com/jp/oasys/faq/#qa_i_2

以上の事に注意すれば、OASYS 2002以前であっても、Windows Vista/7上で動作し、OASYS
文書の作成・更新は正常に出来ました。また、Japanist/OAKおよびOASYSの各バージョン
との組み合わせで、oyakey.exeの各機能が正常に動作することを確認しています。


Microsoft IME または Office IME 2007/2010を使用する場合

Windows Vista/7のOS標準のMicrosoft IMEやWindows Vista/7上のOffice IME 2007では、
詳細なテキストサービスをオフにすることが出来ないため、Microsoft Word上で、oyakey
.exeの機能MのOASYS風の確定動作や機能Nの直接確定入力などの機能が正常に動作しま
せん。(oyakey.exeのIME操作のAPIは IMM32であり、TSF(Text Services Framework)に
は対応していないため)また、Microsoft Word以外のアプリケーションであっても、
Windows Vista/7の場合は、Windows XP SP1以降の [詳細なテキストサービスのサポート
をプログラムのすべてに拡張する] の設定が有効な場合と同等になっているため、カーソ
ルの↑↓キーやPageUp・PageDownキーを押した場合に、機能MのOASYS風の確定動作が正
常に動作しません。(候補リストが表示されているかどうかの判定に用いているIMM32の
APIが、TSFでは非互換のため)

Office IME 2010は、Windows Vista/7上でも、詳細なテキストサービスをオフに出来るた
め、Office IME 2010を導入して、IMEのプロパティのその他のタブで「詳細なテキストサ
ービスを使用しない」に設定にすれば、oyakey.exeの機能Mや機能Nなどの機能が正常に
動作する様になります。(Office IME 2010を導入するには、Windows Vistaの場合は SP1
以降のサービスパックの適用が必要です)

なお、Microsoft IME または Office IME 2007/2010のいずれの場合であっても、富士通
製OASYSキーボードドライバまたはサニコン製親指シフトキーボードドライバを導入する
ことで、親指シフト入力自体は、正常に動作します。環境設定については、kbdriver.txt
を参照して下さい。


ATOKを使用する場合

ATOK 2010以前では、IMEのAPIがIMM32のため、oyakey.exeの機能MのOASYS風の確定動作
や機能Nの直接確定入力などの機能は正常に動作します。
ATOK 2011では、Windows Vista/7にインストールした場合は、インストール直後の状態で
TSF(Text Services Framework)対応になっているため、そのままでは、Microsoft Word
上やその他のアプリケーションでのoyakey.exeの機能Mや機能Nなどの動作が Microsoft
IME または Office IME 2007の場合と同様になります。(Windows XP上のATOK 2011は、
TSFには対応せず、IMM32対応となっているので、そのままで ATOK 2010以前と同じ様に、
oyakey.exeの機能Mや機能Nなどの機能は正常に動作します。)
しかし、Windows Vista/7上のATOK 2011でも、以下の手順で [テキストサービスを使用し
ない] を選択することにより、oyakey.exeの機能Mや機能Nなどの機能が正常に動作する
様になります。

・ATOKプロパティを起動する。
・[入力・変換] シートに切り替え、[入力補助-特殊] を選択する。
・[テキストサービスの詳細設定] をクリックする。
・[ユーザーアカウント制御] ダイアログボックスが表示された場合は、[続行] または
 [はい] をクリックする。
・[テキストサービスの詳細設定] ダイアログボックスが表示される。
・[テキストサービスを使用しない] を選択して、[OK] をクリックする。
・[OK] をクリックしてATOKプロパティを終了する。
・Windowsを再起動する。
(この手順は、Windows Vista/7でATOKパレットを表示する場合にも必要です)

なお、以上の設定によらず、富士通製OASYSキーボードドライバまたはサニコン製親指シ
フトキーボードドライバを導入することで、親指シフト入力自体は、正常に動作します。
環境設定については、kbdriver.txtを参照して下さい。


以上