リンドウ科の越年草。山野の湿り気のある所に生える。葉は向かい合って付き、縁は滑らかで先が尖る。
花は白く、径2センチほど。花冠は基部近くまで5つに深く裂ける。裂片の中央やや先端寄りに2つの淡緑色の
斑紋があり、そこから先端に向かってたくさんの黒い斑点があるので、識別は容易である。淡緑色の斑紋から
蜜を出すという。
学名はスウェルティア・ビマクラタ。ビマクラタは「2つの班がある」の意味。『秋の野草』(山と渓谷社)
によると、花の模様を、ほのぼのと明ける夜明けの星空にたとえて名付けられた、という。写真は2003年9月
4日、岐阜県荘川村野々俣の川沿いで写す。周辺には一株しかなかった。どこにでもあるという野草では
なさそうである。(2003年9月5日作成)