冬の花木・草花

ハコベ

 ナデシコ科の越年草。ハコベはミドリハコ、コハコベなどの総称だが、一般には前記の2種をハコベと 呼んでいるようだ。両方とも花柱が3本で、畑や道端などに生える。やや大型のウシハコベは花柱が5本ある。

 白い小さな花弁は5枚だが、一つ一つの花弁は深く2つに別れており、10枚のように見えるのが特徴。 属名は、ラテン語のstella(星)に由来するステッラリラで、花は集まると星のようにも見える。

 花が径1センチに満たないので見過ごしがちだが、どこにもある雑草の類。自宅庭にも生えていた。 だが、名前の割には実物は知られていないような気がする。私も図鑑で花の名前を調べるのに時間がかかった。

 コハコベやウシハコベは秋にも咲いているのを見かけた。昨年10月に岐阜県加茂郡、愛知県東部丘陵で咲いている のを見かけた。その時は、花の名前を確認できなかった。

  ミドリハコベとコハコベは区別が難しい。コハコベは大正時代にヨーロッパから帰化したらしいという。すると、 古くにハコベラと呼ばれた春の七草の一つは、ミドリハコベであろうか。

 図鑑によれば、コハコベは葉が小さく濃緑色で、長さ0.5〜1センチ。茎は普通、紫色になる。おしべは 3〜5本。ミドリハコベは葉は大きく明るい緑色で、長さ1〜3センチ。茎は普通淡緑色。おしべは8〜10本。

 ところが、コハコベとミドリハコベが交配し、区別しにくい個体が増えているという。私が見た限りでは、 ほとんどがコハコベか、格別しにくい個体。写真は2003年2月15日、滋賀県能登川町の畑で写したコハコベ。 (2003年2月21日作成)


©2002−2003 Yuusuke Niinomi

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