春の花として万葉時代から親しまれてきたカタクリは、ユリ科である。おしべの形、めしべの花粉のつき方はユリ
にそっくりである。
写真のカタクリは愛知県足助町の香嵐渓で、2002年3月28日に写す。写真のはピンクだが、
白っぽく
平らに開いたの、十分に反り返っていないの、
ピンクの濃いのなど、さまざまな形をしたカタクリの花が咲いていた。
日が当たらないと花びらは閉じる、と本には書いてあるが、十分に反り返らずに開いているのは、日の光が
少ないために半開きなのか、それとも花期の終わりで反り返る元気がないのか。白っぽいのは花期の終わりなの
か、それとも個性なのか。分からないことが多い。
カタクリが実際に咲いているのを、60歳になって初めて見たが、分からないことが多い。それにしても、本などの写真で見るように
全部そろって反り返って咲いているようなことはないことが分かり、勉強になった。
2003年3月26日、町役場で「咲いている」との確認を取り、香嵐渓を訪れる。11時半になって
いたので、駐車場は、ほぼ満杯。駐車場の人に聞くと「まだ4割程度の開花」という。
自生地を訪れると、確かにつぼみが多い。ことし新たに分かったことは、花は開花直後は下向きで、
だんだん開き、反り返る、ということ。そして、色は、その花の個性のようだ。
花の色は、ピンクの濃いのから白まで、ほとんど無段階といえるほど微妙な変化がある。
ショウジョウバカマもそうだが、歴史のある生物は変異が多い、といえよう。(2003年3月27日改)