夏の花木・草花

ホタルブクロ

 キキョウ科の多年草。図鑑などにによると、山野に普通に見られる、とあるが、私は自生しているのは見た ことがない。写真は庭のホタルブクロ。数年前に、母親が知り合いからもらってきたのが繁殖した。

 学名はカンパヌラ・プンクタタ。カンパヌラは小さな鐘という意味。和名も釣鐘草の異名がある。野草図鑑 (保育社)によると、花冠は白。まれに淡紅紫色で、内側 に紫の斑点がある、とあり、庭の花と特徴が、ぴたり一致する。

 語源については、いろいろな説がある。私個人としては、松田修著「花の文化史」にある「ホタルの出るところに咲くというので この名がある」で、いいのではないか、と思っている。その後、穂状に垂れ下がって袋状の花が付くところから 出た名前で、ホタルは関係ないという自説を考え付いたが、いかがだろうか。

 ほかに、子供が採ったホタルを入れて持ち運ぶ、あるいはホタルを入れて遊ぶので、その名が付いた。中村浩博士は著書「植物名の由来」で、 ホタルは「火垂る」で、ちょうちんのこと。ちょうちんに似ているので、そう呼んだ、とちょうちんが語源で あるとの説を展開している。

 ことしは花が早く、庭の花も5月中旬から咲き始めた。しかし、アメフリバナ(雨降花)の異名があるように、ホタルブクロは梅雨が 似合う。やはり6月を代表する花といえよう。写真は、愛知県内で一時的に雨が降った2002年5月31日に 写した。

 庭のホタルブクロの花は7月で、ほとんど終わったが、一株だけが延々と10月まで生き延びた。3輪が9月 下旬まで咲き、1輪だけが虫に食われながらも10月まで頑張った。それも10月5日、ついにしおれた。 この花は長さ2.5センチ、径2センチと小さかった。 (2002年10月5日改)


©2002−2003 Yuusuke Niinomi

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