夏の花木・草花

キキョウ

 山地の草原に生える多年草。傷をつけると乳液が出る。花冠は紫色で5つに分裂、頭注も5つつに分かれる。 山上憶良が詠んだ「秋の七草の歌」に出てくる朝貌(あさがほ)は、キキョウのことという。

 漢字で書くと桔梗で、「きちこう」とも読む。秋の七草の一つで、俳句の秋の季語だが、夏に咲く。 根にキキョウサポニンを含み、漢方で咳止めなどに使われる。写真は2002年6月22日、名古屋市守山区 志段味の東谷山フルーツパークの野草園で写す。

 お盆の花として親しまれているが、私は自生のキキョウを見たことがない。「夏の野草」 (1991年、山と渓谷社)にも、 昔は山村の共同の茅場であるススキの草原に群生していたが、今では野生の花を見ることが困難、とある。

 なお、万葉集にある山上憶良の「秋の七草の歌」は次の通り。「芽子(はぎ)の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花  女郎花 また藤袴 朝貌の花」  


©2002 Yuusuke Niinomi

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