春の花木・草花

岐阜・中将姫誓願ザクラ

 岐阜市芥見の願成寺境内にある。藤原豊成の娘・中将姫お手植えの伝説が残る。案内板によると、樹高は 約8.1メートル。花の色は白で、径約3.6センチ。花弁の数は20−30。ヤマザクラの変種と考えられ、 突然変異の珍しい桜として、昭和4年4月2日、国の天然記念物に指定された。

 2003年4月9日、寺に聞くと、満開とのことだったので見に出かけた。この日は風が強く、すでに散り 始めていた。昼前に到着したが、10人ほどの訪問者がいた。近づいて花を見ていると、「ここにしかない桜で、 花弁に深い切れ込みがあるのが特徴」と女性の見物客が教えてくれた。

 よく見ると、花弁が細く、確かに深い切れ込みがある。落ちていた花のがく筒を見ると、ヤマザクラの特徴を 示している。花が咲いているのに葉もたくさん出ていたので、ヤマザクラの変種と断定していいだろう。花弁は白いが、 縁はピンクを帯びていた。

 主幹がなく、株立ちのように6本ほどの幹が広がって生えている変わった樹形。岐阜市教委の案内板に、 現在の姿は幹が朽ち、根元から伸びた枝が成長した、と書いてある。納得である。 ■花の拡大(2003年4月10日作成) 


©2002−2003 Yuusuke Niinomi

桜の表紙
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