山野の水辺に生える落葉高木。サクラの一種なので、バラ科だが、花が変わっている。穂状に5弁の小さな
花がいっぱいつく。『木の名の由来』(深津正・小林義雄)にある「ビン洗いのブラシのような長い花穂」という
表現が、ウワミズザクラの花にぴったりである。サクラの中でも、地味な花で華やかさはない。花期は最も遅い部類。愛知県で4月の下旬である。
写真は2003年4月22日に、愛知県春日井市の東部丘陵「築水の森」周辺で写す。昨年夏、築水の森に
ウワミズザクラがあることを知り、ことし写しに出かけた。4月19日はやや早く、この日はほぼ満開だった。
東部丘陵では6本のウワミズザクラを見たが、いずれも水辺に生えている。
実は球形で、赤く熟すが、新潟県新発田市では、青いうちにとって塩漬けにして食べるそうだ。酒のつまみに
最高とか。図鑑にも、実は塩漬けにしたり、果実酒にするとあるから、そうした食べ方があるのだろう。
同年7月19日、「築水の森」で赤紫色に熟した直径5ミリほどの実が落ちているのを見つけ、かんでみたが、
甘くも苦くもすっぱくもなかった。
(2003年4月26日作成、7月20日改)■花の拡大