夏の花木・草花

ユキノシタ

 湿気のある日陰の岩場や地上に生える常緑の多年草。かわいい花なので、観賞用として庭などに植えられる。 5枚ある花弁のうち、上に3枚は小さく、下の2枚が極端に長い。上の3枚にはいくつかの赤紫色の 斑点、基部に黄色の斑点があるがある。

 少し離れてみると、葉の上に雪が積もったように見える。だが、6月に咲くのにユキノシタとは変だ、 本田正次博士は著書「花ものがたり」で書いている。中村浩博士は、花は下の2弁が著しく大きく垂れ 下がっているように見えるので「雪の舌」が語源だ、とする。

 生葉は厚みがあり、てんぷらにすると、うまいという。葉の汁は小児の百日咳、ひきつけなどに用い、 あぶった葉は腫れ物やけどにはる。また、葉を塩で揉んで漆かぶれに付ける。こうした民間療法のあることが、松田修著 「花の文化史」に記されている。

 写真のユキノシタは、愛知県春日井市の岐阜県に近い山の陰地で2002年6月4日に写した。周辺の数 個所に群落があった。■花の拡大写真    


©2002 Yuusuke Niinomi

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