World > Africa > Nigeria | ||||||||||||||||
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Artist | ||||||||||||||||
DR SIKIRU AYINDE BARRISTER |
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Title | ||||||||||||||||
NEW FUJI GARBAGE |
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Review |
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ナイジェリアのフジは、ヨルバのイスラム教徒のコミュニティから生まれた音楽。トーキング・ドラム、サカラ(フレーム・ドラム)、バタ(両面太鼓)、シェケレ(マラカス)などの多様な打楽器群が生みだすうねるように複雑なポリリズムに、イスラム的なコブシのきいた力づよいヴォーカルが重ねられる。その重厚にして変幻自在の打楽器アンサンブルは世界屈指である。これに比べれば、ブラジルのチンバラータとか屁みたいなもんだ。 もともとはウェレとよばれた宗教音楽を、60年代に“フジ”と名づけてダンス音楽に仕立てたのが、このシキル・アインデ・バリスターだ。同じナイジェリアの音楽でも、フジは、ジュジュよりもずっと泥臭かったせいか、長らくCDリリースされていなかった。つまり、CDプレイヤーを持ってるようなハイ・ブローな連中が聴く音楽ではなかったというわけだ。本盤が、91年にイギリスのグローブスタイルからリリースされるまで、バリスターの音楽はドイツのピラーニャのコンピレーションで聴いたことがあるくらいだった。 見よ!ロンドンの植物園かどこかで、大勢の手下どもを付き従えて、ドシリとソファーに腰を下ろすバリスター親分の迫力を。左側の白いプランターがさり気なく壊れているところがまたいい。さらに裏ジャケに注目すると、熱唱する親分の片手にはおひねりが‥‥。 本盤は、28分以上の大作2曲構成だが、欧米の音楽のように、32小節をワン・コーラスとして、これを何コーラスか繰り返すというパターンをとっていないので、現地のパーティーやナイト・クラブでは聴衆とのヴァイブレーションが合えば、演奏は延々と何時間も続けられるらしい。 ほかにも海外のリスナー向けに、フジ本来の姿とはことなる工夫が施されいる。声と打楽器だけでおこなわれるのがフジの基本形だが、ここではジュジュのようなハワイアン・ギターが随所に散りばめられ、フジ本来のむきだしの野性味をやわらかなヴェールでおおっている。賛否両論わかれるところであろうが、わたしのようにフジにさほどなじみのなかった者には、このほうが最初はとっつきやすかった。いまはそうでもないけど‥‥。さらにギターに加えて、ヘタレ気味のベタなキーボードも付加されている。弾いているのが親分本人。正直いってヘタだが、ここぞという場面でいい味を出している。 第2世代のキング・ワシウ・アインデ・マーシャル1や、さらに若いアデワレ・アユバなんかにはぜったいにマネのできない自信にみちた迫力と貫禄が音楽から立ちのぼってくる。 |
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(12.3.01) |
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