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Artist

WILFRIDO VARGAS & SANDY REYES

Title

ABUSADORA...!


ABUSADORA
Japanese Title 国内未発売
Date 1982?
Label KAREN CDK-60(US)
CD Release 1993
Rating ★★★★★
Availability ◆◆


Review

 元ロス・ベドゥイーノスのヴォーカルだったサンディ・レジェスとのコラボレーションで人気が爆発した82年前後の録音。
 ウィルフリードというと、親しみやすいメロディとブッとんだアレンジでどちらかというとナンパなイメージがあるが、このころもたしかにポップでダンサブルでラディカルなのだけど、その切れ味の鋭い音からは都会的に洗練されたストイックな印象を受ける。
 
 80年代はじめ、ウィルフリードを中心とするニューヨークのメレンゲは、スピード化の一途をたどり、停滞状況にあったサルサにはないスリリングな演奏でニューヨークの若いラティーノたちの心をたちまちとらえた。
 その代表例といえるのが本盤収録の大ヒット曲'ABUSADORA'だ。スピーディにドライブするサックスのリフ、それに突き刺さるトランペットがつむぎ出すめくるめくアンサンブルはすこぶる過激でカッコイイ!の一語に尽きる。ことほどさように、サルサの影響は避けられないとしても、それを必要最小限にとどめることでメレンゲの独自の地平を切り拓いていった当時のウィルフリードの感性のほとばしりがバチバチと音を立てているのが全体から伝わってくるようなテンションの高いアルバムといえる。
 
 ところで、'DIME PAJARITO'は、どっかで聴いたことがあるような気がしていたが、コロンビアのバジェナート2人組、ビノミオ・デ・オロが歌っていたわたしが大好きな曲ではないか!(BINOMIO DE ORO / 15 EXITOS BINOMIO DE ORO 、またはLOS IDOLOS DE COLOMBIAなどに収録)
 ウィルフリードは、本国ドミニカ共和国はもとより、ハイチ、メキシコ、プエルト・リコ、ベネズエラ、トリニダード、フランス語圏小アンティル諸島あたりからよく材料を仕入れてくるが、なかでもコロンビア音楽への愛着は特別なような気がする。たしかにメレンゲとクンビアは同じ2拍子系だから相性はよいはずだが、このことにいち早く気づいて実践したウィルフリードはやっぱり天才だ!。


(10.22.02)



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by Tatsushi Tsukahara