World > Latin America > Caribe > Dominica Rep. | ||||||||||||||||
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Artist | ||||||||||||||||
WILFRIDO VARGAS |
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Title | ||||||||||||||||
WILFRIDO 86/LA MEDICINA |
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Review |
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ウィルフリードに加え、ルビー・ペレス、エディ・エレーラなど個性的な6人のヴォーカル・ラインが出揃い、バンドとしてもっとも脂がのった時期にドミニカ共和国とベネズエラでレコーディングされた記念碑的アルバム。 84年リリースの前作"EL JARDINERO"(未CD化)でシンセやエレキ・ギターを導入したウィルフリードは、本作で流行のズークを大幅にとりいれ汎カリブ的メレンゲ路線をさらに推し進めた。 冒頭の'LA MEDICINA'は、ズークの代表的バンドであるカッサブの作品。メレンゲ独自のタンボーラの「デケデケデン」とグィラの「シャッシャカ、シャッシャカ」いうお決まりのパターンは後退し、DX7とおぼしきシンセとドラムスが前面に出て、リズムはメレンゲというよりズークそのもの。 2曲目の'EL LOCO Y LA LINA'でラップをとりいれたかと思えば、'EL CIEGO'は、なんとソウル・シンガー/ギタリスト、クラレンス・カーターの'I'D RATHER GO BLIND'のリメイク。 また、ベネズエラのフォルクロア'EL GALLO PINTO'では、なんとハチロク(8分の6拍子)にチャレンジ。ラストの'MALA NOCHE NO'にいたっては、ファルセットのコーラスがくり返されるなかをウィルフリードが歌い語るスタイルが70年代後半のフランク・ザッパをほうふつさせたりもする。 このようにウィルフリードの尽きることのないイマジネーションがカリブ海全域を覆い尽くし、世界中の音楽にまで拡がり、まさに“ワールド・ミュージック”の域に達している。 しかし、本盤を傑作たらしめているのは、音楽のヴァリエーションもさることながら、ヴォーカルのすばらしさにあると思う。なかでも、セクシーでつややかな高音を聞かせるルビー・ペレスのヴォーカルは、この時期のウィルフリードのサウンドに決定的なカラーを与えている。ペレスは翌年"VIDA, CANCION Y SUERTE"(未CD化)を最後にグループを脱退するが、わたしはこの時期のウィルフリードこそライブ・バンドとしての絶頂期であったと疑わない。それは、ほぼ同時期に収録されたと思われる傑作ライブ・ビデオ"LA NOCHE DE WILFRIDO EN VIVO"を見れば、一目瞭然だ。 ウィルフリードは、87年、デビュー以来のKARENを離れてSONOTONEへ移籍するが、アルバムを重ねるごとにミュージシャンとしてよりもプロデューサーとしての比重が高くなっていく。 |
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(8.31.02) |
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