春日井春秋


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(平成29年1月26日「くらしのニュース」より)

「人工知能を使った旅客機」


 ○本当に大丈夫かなあと思う。今年から官民共同で開発が始まるという、人工知能(AI)を使った旅客機の運行システムのことだ。

 〇操縦士を現在の二人から一人に減らし、将来予想される操縦士不足に対応するのが目的という。最適な飛行ルートを割り出し、着陸や地上との通信も人を頼らずにできるようにするそうだ。

 ○かつて、取材で名古屋―福岡を往復する旅客機のコックピットに乗せてもらったことがある。若い副操縦士は銀行勤務からあこがれのパイロットになった苦労人。機長は彼に操縦を任せた。

 ○往路は小雨だった。雲間からようやく福岡空港が見え、手動の着陸体勢に入った。滑走路を目前にしたとき、操縦かんを引く副操縦士の腕に力が入り、ぷるぷる震えていたのを思い出す。

 ○大勢の人の命を預かるパイロット。たとえ優秀だとしても、すべてをAI任せにしていいのだろうか。単純な素人考えかもしれないが、あの緊張感を知っている人が操縦する飛行機に乗りたい。(この項 終わり)


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(平成29年1月12日「くらしのニュース」より)

「カジノの建設問題」


 ○正月休み。過ごし方はいろいろだが、ギャンブルに興じた人も多かったのではないか。少し楽しむにはいいが、度を超すと怖いのが賭け事だ。

 ○人類は常にギャンブルをしてきたというのが持論だ。いにしえの昔、食物がなくなったグループが東の山を越えるべきか、西の山を選ぶべきかと迷う。運命を賭して決めた山を超え、食べ物があれば「勝ち組」だ。

 ○こうして生き残ってきたのが私たち。今も本能、DNAの中に一か八かで行動する因子があるのではないかと思う。ただ、かつてと違うのは、たとえ負けても命まで落とさないということだ。

 ○賭けに弱くても生きていける。私もその一人かもしれないが、そんな人間がギャンブルに手を出すと大変なことになる。したたかな胴元は、生かさず、殺さず搾取を続けていく。

 ○昨年、話題になったカジノの建設問題。結局は賭けに負けた人たちから吸い上げるお金が収益になる。そろそろ、本能に操られない高等な生物に進化したいものだ。(この項 終わり)


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(平成28年12月22日「くらしのニュース」より)

「ふるさと納税の返礼品競争について」


 ○ふるさと納税に対する自治体の「返礼品」競争について、賛否両論が渦巻いている。どちらの主張も分かるが、制度がある以上仕方ないかとも思う。

 ○収入に応じて利用できる額は違うが、2千円を支払うだけで各市町村が用意している特産品を入手できる。使わない手はないというのが一般市民の気持ちだろう。

 ○ただ、魅力のある返礼品がない自治体は税収が減り、他市町村に持っていかれるという面がある。生まれ育った土地や被災地を応援するといった本来のかたちではなく、税金の争奪合戦になっていることは歪めない。

 ○さて春日井市。これといった特産物はないが、今年は市職員が知恵を絞り、市内の各企業、商店の協力で100種類以上の返礼品を用意した。以外にこれが人気を集めて「黒字」となっている。

 ○職員や企業のやる気を促し、春日井の産品を広くPRしていると見れば成功しており、市役所幹部らも「地方創生」になっていると胸を張る。皆さんはどう考えますか。(この項 終わり)


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(平成28年12月8日「くらしのニュース」より)

「全国高校ラグビー大会」


 ○全国高校ラグビー大会(大阪府東大阪市、花園ラグビー場)の話が出るようになると、わが春日井市局では「年の瀬」を実感する。

 ○今年27日に開幕する大会には、ことしも地元、中部大春日丘高校が出場する。県大会で圧倒的な強さを見せ、4年連続5度目の花園切符を獲得した。

 ○昨年は「初のベスト8」入りを目指して大阪に乗り込んだが、1回戦で佐賀工にまさかの敗退。相手はあの五郎丸歩選手を輩出した名門だったが、宮地真監督は「うちは1回戦で負けるチームではない」と悔しさをあらわにした。

 ○春日丘が出場する大会には、春日井支局からいつも記者を派遣している。勝ち進むと越年。大阪で新年を迎えることになる。昨年は男性記者が意気込んで取材に臨んだが、年内に帰ってくることになった。

 ○決勝は来年1月7日。ベスト8なんていってないで、昨年の悔しさを吹き飛ばす快進撃を見せ、最後まで支局記者を大阪にとどまらせてもらいたい。(この項 終わり)


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(平成28年11月24日「くらしのニュース」より)

「書のまち春日井」


 ○春日井市小野小学校で今年も「県下児童生徒席上揮毫(きごう)大会があり、780人が参加した。81回目の今回も盛況だった。

 ○今年初めに同小で審査会があり、結果が発表されて中日新聞近郊版で紹介したのだが、ご覧になった方は少し驚いたのではないだろうか。

 ○ほとんどの賞が小牧市の小中学生に占められてしまっているのだ。審査員は名古屋市の書家で、校名を見ても知らないので、至極フェアな審査が行われている。

 ○それにしても、春日井で生まれたとされる小野道風の地元で始まり、80年以上も続いている大会で、他市の子どもたちに席巻されるとは寂しい限りだ。

 ○大会に出る子たちは本番までに2千枚以上の練習を重ねる。入賞するにはそれくらいは当たり前だが、こういう厳しい稽古を嫌い、書道をやめてしまう子が多いとか。小牧の小中学生だけが忍耐強いとは思えない。「書のまち春日井」として、何とか捲土重来とはいかないものか。(この項 終わり)


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(平成28年11月10日「くらしのニュース」より)

「ラジオ体操指導者講習会」


 ○全国ラジオ体操連盟の「ラジオ体操指導者講習会」というのが先日、市の総合体育館で開かれ、参加してみたのだが大変な目にあった。

 ○愛知、岐阜、三重、静岡の4県持ち回りの講習会で、県内では4年に1度しか受講のチャンスはない。当日は、NHKテレビでよく見る講師の先生が指導してくれた。

 ○「みんなの体操」という高齢者でもできる体操から始まったが、動きがゆっくりで、しかもラジオ体操より時間が長い。指導通りに真面目にやったら、どっと汗が吹き出し、ふくらはぎが危うくなった。

 ○休憩を挟んで、ラジオ体操第1に。一つ一つの動きの解説や正しい体の使い方を習い、続いて第2体操。こちらは第1より高度な運動で、解説の後、音楽に合わせて通しで挑んだが、まともに体が動かなかった。

 ○春日井市は市民の健康増進のため、このラジオ体操を普及させようとしている。講習会の経験から言わせてもらうと、真剣に取り組むとなかなかの運動効果があるようだ。(この項 終わり)


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(平成28年10月27日「くらしのニュース」より)

「ノーベルウィーク」


 ○今月初めの週は「ノーベルウィーク」といわれ、毎年、ノーベル賞の受賞者が発表される。われわれも地元や地元ゆかりの研究者が受賞するのではと、緊張する時季だ。

 ○春日井の関係では中部大の山本尚(ひさし)教授。今年は米国化学学会の「ロジャーアダムス賞」の受賞が決まったため、特に注目が集まった。

 ○これまでの受賞者のうち、約3分の1がノーベル賞を受賞しているためで、化学賞が発表される当日は、中部大が準備した記者会見場に多くの報道陣が集まった。

 ○残念ながら受賞はならなかったが、発表前の午後、偶然、会見場のある建物で山本教授とお会いした。名刺交換をしただけだが、仕立てのいい上着をお召しで、温厚な話しぶりの紳士という印象だった。

 ○あとで聞いた話では、いつもオーダーメイドのスーツを着て研究室に現れ、「研究者は、人から憧れられる存在でなくてはならない」と話しているとか。“本物志向”の紳士に、来年こそ栄冠が輝くことを願う。(この項 終わり)


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(平成28年10月13日「くらしのニュース」より)

「春日井の玄関を見に行きましょう」


 ○2011年度から始まったJR春日井駅の南北自由通路と橋上駅舎の工事が間もなく終わり、10月30日から供用が始まる。

 ○駅を挟んだ南北地域の分断解消と利便性を高めるための工事で、自由通路は長さ100メートル、幅8〜10メートル、橋上駅舎は1300平方メートル。駅舎の改築は1942(昭和17)年以来だ。

 ○新しい駅舎の改札口付近には大型モニターが取り付けられ、市政や災害の情報を流す。自由通路には市観光コンベンション協会の案内所を置く。北側ロータリーの工事も始まり、交番も設けられる予定だ。

 ○小学生のころ、駅南の耳鼻咽喉科に通ったが、駅を北側から南側に超えなくてはならなかった。本来、入場券を払わなくてはならないところを駅員の配慮で無料で通してもらった。

 ○そんな記憶もあるので、南北自由通路のある新駅舎の完成には感慨ひとしお。記念式典と内覧会は、供用開始前日の10月29日午前。みんなで新しい「春日井の玄関」を見に行きましょう。(この項 終わり)


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(平成28年9月22日「くらしのニュース」より)

「中日新聞近郊版“あたしで盛ってます”」


 ○中日新聞近郊版で、毎週日曜付の新企画「あたしで盛ってます」を始めた。先日、この欄で“宣言”した女性の多い支局としての新たな挑戦だ。

 ○企業や商店、市民団体などで、中心的な役割を担い、仕事や活動を切り盛りしている女性を紹介していくコーナー。原稿も写真も上々で、まずまずのスタートを切れた。

 ○当初は、取材対象になる女性がどれくらいいるのか心配した。しかし、調べてみると、春日井市だけでもかなりの人数の女性が活躍していることが分かった。

 ○取材で話を聞かせてもらうと、意外に市外、県外からこの地域にやって来た女性が多い。地元出身者でもいったんは東京などに出て、Uターンしたケースが少なくないことが分かった。

 ○春日井が住みやすい街である証拠ともいえそうだが、そのバイタリティーにも感服する。支局の女性記者たちもやはり県外の出身者。取材先で会う彼女たちから逆に元気をもらっているみたいで、より仕事に意欲的になり、楽しそうだ。(この項 終わり)


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(平成28年9月8日「くらしのニュース」より)

「法とは…」


 ○「市内の県立高校の脇で、教師がスマホを使いながら、たばこを吸っている。敷地内ではないが、こんなことを許していいのか」。高齢男性からかかった電話だ。

 ○毎日のウオーキングの途中、男性が指摘した高校とは別の高校の横を通る際にも、よく見る光景だ。だが、休憩時間なら問題ないし、たばこを吸う権利もある。スマホを使ってはいけないという規則もないだろう。

 ○男性の言い分は公僕たる県職員の教師がけしからん、という内容。その訴えにそのままうなづけないが、確かにあまり格好のいいものではない。

 ○基本的に、公務員とは法律を守るのが仕事だと思う。そして、市民が法律を守り、みんなが平和に暮らせるように導いていくのがその職責だろう。

 ○法とは明文化されたものだけではなく、広くは慣習や常識、道徳なども含む。守らないと迷惑だし、要らぬ争いの原因になる。そう考えると、スマホ片手にたばこを吸う教師の行為は法に触れるのかもしれない。(この項 終わり)


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(平成28年8月25日「くらしのニュース」より)

「夏休み子ども科学電話相談」


 ○NHKラジオの「夏休み子ども科学電話相談」が今年も放送されていて、移動の車中などで聞いている。夏の楽しみの一つで、先生方の回答から“二つの勉強”をさせてもらっている。

 ○意表を突く子どもたちの質問は面白く、大人だったら聞かないような基本的な事柄も尋ねてくる。よく聞いていると、意外に知らなかったことがあったりする。

 ○もう一つ勉強になっているのは、質問に対する答え方。応対する先生によっては、かみ砕いた分かりやすい回答ができる人と、専門的すぎて、話していることが理解できない人がいる。

 ○われわれの仕事も似ていて、専門的な話や、込み入ったニュースを記事にするとき、いかに分かりやすく書くかで、記者の力量が問われてくる。若いころ、デスクに言われたことだ。

 ○それができるか否かは、記者がそのニュース対象について本当に理解しているかどうかにかかってくる。そして、取材したことをそしゃくした上で伝える。番組のおかげで基本を思い出した。(この項 終わり)


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(平成28年8月11日「くらしのニュース」より)

「ポケモンGOの使い方に気をつけたい」


 ○スマートフォン向けのゲーム「ポケモンGO(ゴー)」。世界中でブームになっていると聞き、配信初日に早速試してみた。すぐに、自宅にいた5匹をゲットした。

 ○新しいシチュエーションということもあり、確かに面白く、かつて流行った「インベーダーゲーム」を思い出した。あれも、それまでにはなかった面白いゲームで、小遣いをはたいたものだ。

 ○自宅でポケモンGOをやっていた妻と娘が、もっと試したいと、近くの公園に繰り出した。深夜だったのに、公園には何人もの人影が。みんな手にスマホを持っていた。

 ○興味深くて面白いだけに、みんな、つい普段と違う行動に出てしまう。「ちょっとだけなら」とやっているうちに、深みに入るというのは、よくあることだ。

 ○既に問題になっているように、ゲームの虜(とりこ)になって、行きすぎた行為に及ぶ人たちもいる。ポケモンGOで親子3代がコミュニケーション、なんていうほほえましい話も聞く。使い方に気をつけたい。(この項 終わり)


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(平成28年7月28日「くらしのニュース」より)

「女性の良さを生かした新聞作り」


 ○支局が女性ばかりの所帯になってしまった。社の定期人事異動で、支局唯一の男性記者が県外へ転勤することになり、補充はないため男は支局長だけになってしまった。

 ○自宅に帰っても妻と娘二人がいるだけ。どこへ行っても女性と対峙しなくてはならない状況になり、飼い犬は雄だがなんとも頼りにならない。

 ○考えてみれば、30年前に入社したとき、初めて女性記者が一人だけ採用され、同期となった。今も関東でデスクとして活躍しているが、その後、女性記者は増え続け、今では新規採用の半分は女性だ。

 ○入社試験で女性は優秀な成績を取るからとも言われるが、それだけではない。男性記者より度胸が良かったり、決断が速く、フットワークも良かったりする。

 ○若い記者ばかりで、仕事以外は共通の話題が見つからないが、こうなったら開き直るしかない。女性の良さを生かした新聞作りもあるはず。何か面白いことをしようかと、知恵を絞るこの夏だ。(この項 終わり)


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(平成28年7月14日「くらしのニュース」より)

「イチロー選手はすごい」


 ○イチロー選手の日米通算4257安打は、いろいろ評価が分かれるところだが、40歳を過ぎても若手と変わらないプレーをしているのはすごい。

 ○新記録達成の日、出身地、豊山町の関係者を取材して、いろいろな話を聞いた。皆さんが共通しておっしゃったのは「野球好き」「努力の人」という言葉だった。

 ○中学時代の同級生の男性は、修学旅行の時、イチロー選手がグラブとボールを持ってきていたと話し「自由時間になると、ルーティーンだからと腕立て伏せをしていた」と振り返った。

 ○大リーグに行っても、イチロー選手は誰よりも早く球場入りして、ウオーミングアップをしている。試合に臨める最高の体の状態を作ることで、大きなけがをすることなく、コンスタントに成績を残せる。

 ○時には変人と言われようと、大好きなことを続けて、結果を出したいという一心で黙々と努力を続ける。簡単にまねのできることではないけれど、できれば子どもたちに見習ってもらいたい。(この項 終わり)


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(平成28年6月23日「くらしのニュース」より)

「タクシーの利用」


 ○仕事柄、各地でタクシーを利用することが多い。地域によって初乗り料金が違ったり、送迎料金があったりなかったりで、業界も生き残りに必死のようだ。

 ○10数年前、仕事でギリシャ・アテネに1カ月ほど滞在したことがあり、この時、「なるほどなあ」と思わせる合理的なタクシーサービスを何度も体験した。

 ○タクシーの相乗りだ。乗車している客の合意があれば、走っているタクシーでも手を上げれば止まってくれる。行き先が同じ方向なら契約成立。料金はタクシー、客たち、みんなが得をする設定だったと思う。

 ○日本でもこれまで、時代とともに画期的な交通手段が生まれてきた。代行運転の登場は飲酒時に便利だと大歓迎したし、自治体が巡回バスの運行を始めた時は低料金のうえ、きめ細かいルートに感心したものだ。

 ○タクシーの相乗りは、日本人の気質や今のシステムでは難しいかもしれない。でも、深夜の駅前で少ないタクシーを待つのはいかにも不合理だ。(この項 終わり)


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(平成28年6月9日「くらしのニュース」より)

「患者の身になって考える」


 ○前々回、この欄で書いた接骨院について「どこの接骨院か」という問い合わせを多数いただいた。腰や膝痛などに悩む人が多いことをあらためて知った。

 ○問い合わせに対しては、この接骨院の先生が特に優れていて、どんな痛みも取り除いてくれるわけではないことを説明した。患者との相性ということもあるとも。

 ○ただ、一つ言えるのは、この先生は症状に対して納得のいく説明をしてくれるということ。すぐに治らなくても、痛みの原因を知るだけで安心できる。つまり、患者の身になってくれる先生なのだ。

 ○同じ頃、腰痛で訪れた病院では、診察料の精算の際、釣り銭がないと言われた。向かいの薬局で、先生が指定した薬と湿布薬を買い、その釣り銭で診察料を支払ってほしいという。

 ○腰が痛くて、院内でもよちよち歩きの幼児のようにしか歩けない患者に、そんな要求をするのか。患者の身になって考えない、この病院には2度と行く気がしない。(この項 終わり)


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(平成28年5月26日「くらしのニュース」より)

「震災は他人事ではない」


 ○熊本地震の義援金を携え、支局を訪れる人が引きも切らない。みんな優しい人ばかりだが、いつ義援金をいただく立場に変わってもおかしくない。

 ○心配される南海トラフには東海、東南海、南海の三つの震源域がある。この地域は最近、大地震がないと思われがちだが、1944年に東南海地震、46年に南海地震が起きている。

 ○44年の東南海地震は戦時中の報道管制で、国民にほとんど知らされなかったが、静岡、愛知、三重、和歌山の死者・行方不明者は1200人を超えた。46年の南海地震でも1300人以上が亡くなっている。

 ○三つの震源域のうち、最も長く動いていないのが東海。江戸時代末期に揺れて以来、大地震が起きていない。地震のエネルギーをため込んでいるともいえる。

 ○一番恐ろしいのは、この東海と東南海、南海の震源域が同時に地震を起こす3連動。これは東日本大震災をしのぐ規模になるという。阪神、東日本、熊本などの震災を他人事と思ってはいけない。(この項 終わり)


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(平成28年5月12日「くらしのニュース」より)

「別の意見を聞くことは大切」


 ○突然膝が痛くなり、会社近くの接骨院でみてもらった。膝痛は患部だけの問題ではないのでと、全身マッサージなどを受け、先生から週に2回通うように言われた。

 ○しばらくしても良くならないので、自宅近くの接骨院に行った。先生は膝を触り、聞き慣れない症状を言うと、専門書の記述を見せながら丁寧に説明してくれた。間もなく症状は改善した。

 ○次に、持病の腰痛が出た。同じ接骨院に行くと、あおむけに寝て安静にするように言われた。翌日、念のために今度は整形外科に行った。医師から「うつぶせになって安静に」と指示された。

 ○説明の仕方と指示が違うので迷ったが、膝の時のことがあったので自宅近くの接骨院に通うことにした。完治してはいないが、毎回いろいろなアドバイスを受け、いい方向に向かっている。

 ○病気やけがの時にセカンドオピニオンを聞くのは重要だと、身をもって悟った。生活全般や仕事についても、別の意見を聞くことはとても大切なことではないかと思う。(この項 終わり)


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(平成28年4月28日「くらしのニュース」より)

「大型連休の耳寄りな情報」


 ○大型連休。行楽地や飲食店、道路が混み合うが、耳寄りな“情報”を少し紹介したい。いずれも一定の条件付きですが。

 ○まずは行列の待ち時間。<前に並んでいる人数>割る<1分間に後ろに来る人数>が公式だ。30人が並んでいて、後ろに1分間あたり2人が来る状態なら、30割る2の「15分」が待ち時間だ。

 ○次は高速道路。渋滞は車間距離が40メートル以下になったときに起きるという。そこで1台がブレーキを踏むと、後続がもっと強くブレーキを踏み、さらに後ろに連鎖。最後は止まってしまう車が出て渋滞が始まる。

 ○同じく車間距離が40メートル以下の場合、緩い上り坂やトンネル前で1台が失速しても同じことが起きるという。みんなが車間距離を守り、適正なアクセル、ブレーキ操作をすれば渋滞を防げる。

 ○渋滞している時は、追い越し車線より、走行車線の方が平均速度は高いという調査結果もある。これら“情報”は他の要因にも左右されるが、知っていると、少しはイライラ解消になるかも。(この項 終わり)


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(平成28年4月14日「くらしのニュース」より)

「トータルするとプラス、マイナスゼロ」


 ○年度が変わり、新しい生活が始まった若い人たちも多いことだろう。3月に「挫折」を味わい、まだ引きずっている人は早く立ち直ってほしい。

 ○50数年の自身のこれまでを振り返っても、挫折の繰り返しだった。中学、大学入試で失敗。就職でもちょっとこけた。でも、その後は何とかばん回して、帳尻を合わせてきた。

 ○社会人になってからも同じ。12回の転勤を経験してきたが、仕事が厳しくてつらい部署もあったけど、周りの人に恵まれてとても居心地が良く、いい仕事ができた任地もあった。

 ○最近は、新しい環境になじめないなどの理由で、心の病になる人も少なくなく、将来は大きな「国民病」になるともいわれている。実際、われわれの職場にもそんな人が増えている。

 ○でも、長い人生、いいこともあるし、悪いこともある。トータルするとプラス、マイナスゼロというものではないか。失敗をしたり、苦境に置かれたりしても悲観的になることはない。(この項 終わり)


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春日井春秋

(平成28年3月24日「くらしのニュース」より)

「ニセ電話詐欺の被害」


 ○全国的にニセ電話詐欺の被害が後を絶たない。春日井市内でも昨年、約1億1千万円の被害が出ている。被害額は前年より減ったものの、発生件数は増えている。

 ○ニセ電話の多くは、息子が仕事で大きな失敗をして、その穴埋めをするため、親にお金を送ってほしいと求めるケース。残念なことに、これに簡単に応じてしまう。

 ○犯罪なのだから、だます方がもちろん悪いのだが、ある警察関係者と話していて意見が一致した。それは「身内の失態を隠そうという気持ち」につけ込まれているということだ。

 ○もう1つ意見が合ったのが「親としての意識の低さ」。子どもが悪いこと(ミス)をして、勤務先などに迷惑をかけるという連絡を受けたら、まず子どもをしかり、迷惑をかける相手に謝らせるのがまともな親だ。

 ○ニセ電話を受けてパニック状態になるのは分からないではないが、親としてやるべきことをせず、身内の恥をお金で隠そうという気持ちがある以上、被害はなくならない。(この項 終わり)


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春日井春秋

(平成28年3月10日「くらしのニュース」より)

「働かないアリたちの存在」


 ○アリの集団には、働かないアリが必ず2、3割いるという話を聞いたことがある。働かないアリだけを集めると、7、8割が働きだし、やはり2、3割は働かないとか。

 ○かつての学校生活、これまでの職場のことを考えると、人間社会も同じか、とも思う。自分が「働かないグループ」にいたこともあった。

 ○ところが、生産効率を下げる働かないアリたちの存在には、それなりの意味があるのだという。北海道大大学院の研究チームが先日、それを発表した。

 ○アリには卵にカビが生えないよう世話をするなど、誰かがしなくては存続の危機にかかわる重要な仕事があるという。働かないグループがいると、働くアリたちが疲れたときでもその担い手を確保できるのだ。

 ○さらに、アリには腰の軽さに個体差があり、腰の軽いアリから順に働き出すという。普段は何もしないのに、いざとなると力を発揮するアリ。人間社会も同じだとすれば、サボっている人にそんなに目くじらを立てなくてもいいのかも。(この項 終わり)


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(平成28年2月25日「くらしのニュース」より)

「ウオーキングの仲間たちとのつながりを大切に」


 ○毎朝、決まったコースで数キロのウオーキングをしている。すれ違う同好の人たちとあいさつを交わすのは気持ちいい。あいさつだけではなく、言葉を交わす知人もできた。

 ○「6次の隔たり」という理論がある。世界のすべての人や物事は、6人(ステップ)ほどを介してつながっているというもので、実証実験も行われている。

 ○簡単に言えば、友達の友達の友達…という、あれだ。遠く離れている人、自分とは関係がないと思っていることなどが、実は意外と簡単に結び付いているというのだ。

 ○周りにいる人たち、街角で会う人たちは全くの他人ではなく、どこかでつながっている。そんなふうに考えると、とても不思議な気分になってくる。ひどいことをしたり、敵対したり、そんなことはできない。

 ○SNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)の発展で、その仲介数はさらに少なくなっているという。ウオーキングの仲間たちとのつながりを大切にしなくてはと思う。(この項 終わり)


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(平成28年2月11日「くらしのニュース」より)

「春日井市の給食費未納問題について」


 ○先日、中日新聞県内版のコラムで「春日井市の給食費未納問題」について書いた。「へえ、そんなに給食費を収めない親がいるの」と読者の方から感想をいただいた。

 ○市教委の努力で大幅に減ってきたものの、まだ年間1千万円ほどの未納額がある。コラムでは、経済的に困窮していても救済制度があるのだから、広く周知することも必要と書いた。

 ○しかし、このほかに「保護者の規範意識」が低いことが未納問題の原因とも指摘した。給食費を納めることを家庭の支出の最優先項目にしていない保護者がいるのだ。

 ○コラムには書かなかったが、借金の返済と同じで、一度滞納を始めるとどうにもならなくなる。実際、市教委が昨年、法的措置を取った中には15万円近くをため込んだ家庭があった。

 ○そうなると返済は簡単にできなくなる。関東では未納の子どもに給食を提供しないことを決めた中学校もある。給食費の事で、差し押さえを受けたり、子どもにつらい思いをさせないでほしい。(この項 終わり)


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(平成28年1月28日「くらしのニュース」より)

「新春春日井マラソン」


 ○先日開かれた「新春春日井マラソン」は、今年も9千人近いランナーが集まる盛大な大会になった。スタートの様子を見たが、あれだけ多くの人たちが走る姿は壮観だ。

 ○各部門では、新記録あり、激しいデッドヒートありで見応えがあった。ジョギング部門では職場や趣味の仲間同士、家族などが和気あいあいと楽しそうに走り、ほほえましい限りだった。。

 ○しかし、残念なことが一つ。ゴールの市総合体育館前は、選手たちが歩道を横切ってグラウンドに入るようになっているのだが、ここを平然と通る観戦者がたくさんいた。

 ○マラソンなどでコースを横切るのは厳禁。ましてやゴール前は、みんなが疲れ果て、最後の力を振り絞っている場所で、コースを横切る人とぶつかれば大けがをする危険がある。

 ○係員に注意された年配の夫婦とみられる二人は「なぜ渡ってはいかんのだ」と食ってかかり、奮然とした表情でコースを横切っていった。いい大人なのに、常識と品性が問われる。(この項 終わり)


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(平成28年1月14日「くらしのニュース」より)

「今年の目標」


 ○義務ではないが、新しい年を迎えると「今年の目標」なんてことを考える。わが家では毎年元日の朝、雑煮をいただく前に、全員が自分の目標を発表することにしている。

 ○少し前に読んだ本に「他人とつながりをたくさん持つことは寿命を長くする効果がある」ということが書いてあった。それで、今年の目標は「多くの人と関わり合うこと」にした。

 ○これは、米国の研究者が30万人に行った調査によるもの。禁煙をしたり、飲酒を控えたり、よく運動をすることなどより、多くの人とかかわることの方が、長寿に効果があるというのだ。

 ○もう1つ。よく知られていることだが「笑顔」もいいと書いてあった。大リーガー230人の顔写真から調べたところ、目元まで笑っている選手は、笑っていない選手より寿命が7歳長かったという。

 ○面白いことに、目元まで笑っていない「作り笑い」の選手でも2歳長いという結果も出たそうだ。多くの人と関わり合い、笑う。悪くない目標だ。(この項 終わり)


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(平成27年12月17日「くらしのニュース」より)

「言葉を添えて寒中見舞いなどを送ると丁寧」


 ○年も押し迫り、有名人の訃報をよく聞くようになったが、亡くなってしばらくしてからが多い。遺志で情報は秘匿されるものの、この時期、喪中はがきを親族が出すため、公になる。

 ○11月ごろから、わが家にも喪中はがきが届き始めた。年齢的に、友人のご両親が亡くなったというケースがほとんどだ。わが父母は健在だが、少し不安な気持ちになる。

 ○今の若者と違って、年賀状を出す世代なので、喪中はがきの管理は重要だ。新年の賀状作りだけでなく、翌年、欠礼をしないよう、喪中はがきを保存しなくてはならない。

 ○だけど、それより大事なのは、喪中はがきを受け取ったら「年賀状を送らない」だけで済ませないこと。はがきをいただいたら、言葉を添えて寒中見舞いなどを送ると丁寧だという。

 ○年末は何かと気ぜわしく、喪中はがきを受け取り、すぐにお悔やみを送ったりするのはなかなか難しい。でも、年が明けて、少し落ち着いてからの寒中見舞いならできそうだ。(この項 終わり)


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(平成27年12月10日「くらしのニュース」より)

「安全、安心の街のまま、新年を迎えたい」


 ○市役所というか、市民会館の西側にあるT字交差点。東西、南北に渡る横断歩道があるのだが、歩行者にとっては安心できない危険ゾーンだ。

 ○横断歩道を渡ろうとしているのに、ほとんどの車が止まってくれない。きちんと停止するのは官公庁や近くにある中部電力の支店の車ぐらい。職場の教育がしっかりしているのだろう。

 ○春日井署もパトカーを近くに止めて監視するなど、重点的に取り締まっている。しかし、お巡りさんの姿が見えなくなると、どのドライバーもわれ先にと通り過ぎる。

 ○横断歩道で車が止まらないと、どうなるのか。「どうせ止まってくれないんだから、どこを渡っても同じ」ということになり、特に子どもなどは好き勝手な場所を横断するようになる。

 ○横断歩道の歩行者を無視するのは、それ自体が危険だが、人身事故を起こす確率も高めるのだ。つまり、ドライバーにとっては自滅行為。今年も残り少しになった。安全、安心の街のまま、新年を迎えたい。(この項 終わり)


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春日井春秋

(平成27年11月26日「くらしのニュース」より)

「「書のまち春日井」の秋のビッグイベント」


 ○「書のまち春日井」の秋のビッグイベント「県下席上揮毫(きごう)大会」が80回目を迎えた。連載企画をやったこともあって、初めて大会前後の様子などを見た。

 ○中でも印象的だったのは審査会だ。小野小体育館に教職員約30人が集合。むしろを敷いた上に作品を並べて、審査員3人が出来栄えを見ていった。

 ○審査員の手には2メートルほどの竹竿が握られており、作品を差して選別。教職員たちが指示に従って並べ変えていく。昔からのやり方という。

 ○こうして上位から入賞作が決まっていった。審査員はこの地域とは無縁の人たちで、作品の学校名を見てもどこの学校かも知らない。それでも、不思議なというか、当然というか、「実力校」の代表選手の作品が残っていった。

 ○一つ残念だったのは、小牧勢に押され、春日井勢の作品があまり選ばれなかったことだ。児童、生徒、そして指導者には、もっと奮起してもらい、来年の大会で「書のまち」の面目を保ってもらいたい。(この項 終わり)


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春日井春秋

(平成27年11月12日「くらしのニュース」より)

「「安全なまち」を取り戻そう」


 ○書道、サボテンなど、春日井市をPRする素晴らしい文化や特産品があるが、この秋、「ラーメン」で春日井の名が全国に広められてしまった。

 ○9月に市内で起きた強盗事件のことだ。テレビで連日、全国放送された。現場がラーメン店だったことから「春日井ラーメン」が、多くの人たちの頭にインプットされてしまったらしい。

 ○「事件の後、県外の友達から『春日井ってラーメンが有名なの?』なんて聞かれるようになった」。周囲でそんなことを言う人が何人もいたので、作り話ではないだろう。

 ○犠牲者が出た痛ましい事件だ。不謹慎だと思うし、こんなことで春日井市が全国に知られるのは心外だ。そもそも、ラーメンは春日井の名物ではない。

 ○事件後、大ごとにはならなかったが、市内で強盗や殺人未遂事件が続き、交通事故は相変わらず多い状況にある。ここは一つ、市民が協力して「安全なまち」を取り戻し、愉快な話題で春日井が全国放送されるようにしたいものだ。(この項 終わり)


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春日井春秋

(平成27年10月22日「くらしのニュース」より)

「衣替えの季節」


 ○秋も深まり、そろそろ衣替えの季節だ。このあいだ夏物をしまったばかりだが、次は冬物を出して備えなくてはならない。

 ○整理・収納の専門家によると、衣替えにはいくつかのポイントがある。一つは“実行日”は湿気の少ない晴れた日を選ぶこと。その方が、服が傷まないそうだ。

 ○難しいのはもう一つのポイント。衣類の分類だ。いつも出してはおくが、結局着ないものなどがある。逆に、今年もかなりの頻度で使うと思う「お気に入り」もある。

 ○何年も袖を通していないものは売るとか、友達にあげるなどして処分することが重要で、そうすれば収納スペースに余裕が生まれる。処分するかどうか迷ったら、着てみるといいそうだ。

 ○衣類に限らず、整理・収納のポイントは「処分」だ。例えばわれわれの仕事場。かなり古い資料などが平積みになり、視界を遮るほどになっている。だけどあらためて見返すことはなく、捨てるのが何となく惜しいだけ。季節がいいうちに処分してしまおう。(この項 終わり)


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春日井春秋

(平成27年10月8日「くらしのニュース」より)

「書の秋」


 ○食欲の秋、読書の秋、といろいろな秋があるが、春日井だけにここは「書の秋」といきたい。まさにシーズン到来で、今年は特別な年だ。

 ○今年24日には春日井市民なら誰もが知っている「席上揮毫(きごう)大会」が小野小学校で開かれる。戦前から途切れることなく開かれていて、今年で記念の80回目を迎える。

 ○中日新聞では、近郊版で連載企画を予定しており、現在、記者たちが取材を重ねている。これまで知らなかった揮毫大会の舞台裏や苦労話があり、とても興味深い。

 ○名だたる地元の書家で、揮毫大会にかかわったことのない人はいないと言ってもいい。むしろ、揮毫大会で好成績を挙げ、それをきっかけに書の道に入っていった人が多い。

 ○小中学生対象の揮毫大会は「習字」だが、その後、練習を積み重ねてレベルを上げ、「書道」の世界に入る。そんな人たちが腕を競い合うのが全国規模の作品展。春日井市の全国公募展「道風展」は、揮毫大会の翌週、31日から始まる。(この項 終わり)


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春日井春秋

(平成27年9月24日「くらしのニュース」より)

「敗戦直後の写真」


 ○中部大国際交流センターに、43枚の貴重な写真が保存されている。先日、その存在を知人から教えられ、確かめてきた。

 ○敗戦直後の東京の街並みや庶民を撮った写真。撮影したのは米軍写真班員で、その後、彼が勤務したオハイオ大と中部大が提携している関係などから寄贈された。

 ○寄贈後の8年前、中部大で展示され、各方面から大反響を呼んだ。小型潜水艇工場に残された潜水艇で遊ぶ子ども、赤ちゃんを背負い、子守をする少女、青空市場で鍋の修理をする男性…。

 ○興味深い写真ばかりで、東京とはいえ、敗戦後の庶民や街の様子は、この地域でもあまり変わらなかったのではないかと思う。もう1度展示できればと考えたが、適当な会場が見つからず見送ることになった。

 ○いずれまた日の目を見ることになるだろうが、実は中部大のホームページで見られるようになっていた。ご覧になりたい方は「大学概要」→「中部大学ライブラリー」→「TOKYO 1945 写真展」でどうぞ。(この項 終わり)


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春日井春秋

(平成27年9月10日「くらしのニュース」より)

「大人の義務」


 ○ホームセンターの健康器具コーナーで小学生二人が遊んでいた。遊ばないようにと、張り紙がある。女性店員が注意をしてもやめない。「おい、遊ぶのやめろよ」。しかってやった。

 ○すると、年配の女性が飛んできた。子どもたちの祖母らしい。しかったこちらに謝るのかと思いきや、「他人の子どもに何を言っとるの。えらそうに」。あぜんとして返す言葉を失った。

 ○先月、大阪で起きた中1男女の殺害事件。二人は深夜から商店街をうろついていた。気付いた大人はひと言、声をかけなくてはいけなかったと思う。それだけで事件を防げたかもしれない。

 ○ホームセンターで小学生をしかったとき少し迷った。「他人の子だし、おせっかいかも」。でも、現場を見た大人の義務だと考え直して、注意した。

 ○結果は後味の悪いものになったが、直後に初老の男性が近づいてきた。「あなた、よく言ってくれたよ。あれでいいんだよ」。ちゃんと見ていてくれた人がいた。勇気を出してよかった。(この項 終わり)


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春日井春秋

(平成27年8月27日「くらしのニュース」より)

「新しい記者が着任」


 ○夏の定期異動で、春日井支局に新しい記者が着任した。。昨年入社の女性記者。「志沢あれん」というかわいらしい名前通り、明るい性格で、柔らかい物腰の女性だ。

 ○話していたら、父親が私と同い年と分かった。珍しいことではないが、これまで経験がなかったことなので、そういう時代がついに来たかと思う。

 ○約30年前、この仕事に就いたとき、通信機器は固定電話とファクスだけだった。若い人には分からないだろうが、ポケットベルというものを持たされていた。ベルがなると会社に電話をしなくてはならなかった。あちこちにあった公衆電話をよく利用した。

 ○パソコンなんて夢の世界。ワープロが出始めたばかりだった。デジカメもないから、写真は支局の暗室でフィルムを現像してネガを作り、印画紙にプリントしていた。

 ○環境は大きく変わった。おそらく、記者としての考え方も当時の私たちとは違うと思う。自分の娘のような部下とどう付き合うか、“お父さん”としては試練の夏だ。(この項 終わり)


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春日井春秋

(平成27年8月13日「くらしのニュース」より)

「情報を正確に相手に伝え、理解してもらうのは難しい」


 ○NHKのラジオ番組「夏休み子ども科学電話相談」が面白い。意表を突く子どもの質問や言葉に、懸命に応じようとする先生たちの真摯(しんし)な態度がほほえましい。

 ○先生たちは、学者やその道の専門家といったそうそうたるメンバー。しかし、子どもたちの知識レベルは大人とは違う。基本から丁寧に説明しなくてはならない。

 ○聴取者としてはそこが“聞き所”で、先生たちがどうやって対応するのか興味津々。でも、さすが先生たちだ。豊富な知識と経験を使って、子どもたちに理解させてしまう。研究者としての奥の深さを感じる。

 ○新聞記事も同じで、難解な話を原稿にするときは、分かりやすくしようと四苦八苦する。それでも若いころは、デスクから「分からん」と原稿を突き返されたこともある。

 ○しかし、よく考えてみると、自分がその話をよく理解していなかったことが「分からん原稿」になった原因だった。まずは自身の理解度を深めないと、情報を正確に相手に伝え、理解してもらうのは難しい。(この項 終わり)


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