お料理


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(平成23年8月1日更新)

(第1回)

ヨーグルトケーキ

熱々で食べてもOK

材料(4人分)

          (A)小麦粉 ・・・・・・・・・・・・・・ 100グラム
         ベーキングパウダー ・・・・・ 小1
         砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50グラム
         卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2個
         サラダ油 ・・・・・・・・・・・・・・ 50cc
         プレーンヨーグルト ・・・・・・・ 100cc
         レモン汁 ・・・・・・・・・・・・・・ 1個分
      黄桃の缶詰・・・・・・・・・・・・・・・・ 1缶



【コメント】
 今日は娘の通う中学校の給食試食会。カレンダーに丸をつけ、スケジュールと体調をバッチリ整えて、いざ出発。ああ、楽しみ楽しみ。

 メニューはスパゲティーミートソースと洋ナシのヨーグルトケーキ。子供たちの給食時間と同じ時間に同じものを食べる機会はそうあるもんじゃない。そう思うとワクワク感がさらに盛り上がる。

 スパゲティは時間がたって少しのびていたけれど、たくさんの量を作らなければならないのだから仕方ない。けれど、野菜たっぷりの手作りミートソースは温かさのある味で、多少麺がのびていたっておいしく食べられる。デザートの洋ナシのヨーグルトケーキは甘さ控えめであっさり味。洋ナシのシャキシャキ感がさわやかで、大きな1切れがペロリとおなかの中に。ああ〜、おなかいっぱいと幸せのため息をついたら、教室で友達と一緒に笑いながら食べている娘の顔が頭の中によぎった。

 さて、ワクワクしたうれしい気持ちで家に帰ってきたら無性にヨーグルトケーキを作りたくなってきた。そう、あのヨーグルトケーキの味、繰り返しわが家で作ってきたクラフティーとそっくりだったんだもん。

 まず、ボウルに小麦粉100グラム、ベーキングパウダー小さじ1、砂糖50グラムを入れてよく混ぜる。きれいに混ざったら、真ん中にくぼみを作って、卵2個、サラダ油50cc、プレーンヨーグルト100cc、レモン汁1個分を入れる。泡立て器をボウルの中心に立ててドロリとした部分を混ぜ、後は少しずつ土手を崩す感じで粉を混ぜていく。こうすると、ダマにならず、きれいに混ぜることができる。

 直径18センチくらいで深さのある器(私はグラタン用のキャセロールを使っている)に生地を流したら、後は好みのフルーツを形よく上に並べていく。今日は安売りの時に買っておいた黄桃の缶詰。バナナでもいいかと思ったのだけれど、今朝最後の1本を食べてしまったばかり。残念!!

 きれいに並べたら後は180度のオーブンで20〜30分焼く。上においしそうな焼き色がついたらできあがり。子供たちが小さい頃は何度もオーブンをのぞき、焼き上がりを今か今かと待ちわびた。冷たくして食べようと思うのだけれど、冷めるのを待つのがもどかしく、いつも熱々をフーフーしながらほお張った。懐かしい時間が蘇る。

 グッドタイミングで娘が帰ってきた。「ああ〜、おいしそう。ねえねえ、食べよ食べよ」。フーフー、おいしいおいしい。もう1切れいただき!熱々をほお張る娘はあのころと同じニコニコ笑顔。(終り)

   
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(平成23年8月16日更新)

(第2回)

コーンとささみのバター炒め

屋台の味、家庭でも

材料(4人分)

      トウモロコシ ・・・・・・・・・・・・・・ 2本
         (A)ささみ ・・・・・・・・・・・・・・・ 6本
         塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小2分の1
         こしょう、小麦粉
      サラダ油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
      バター ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大1
      醤油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 好みで



【コメント】
 スーパーの入り口に積み上げられた段ボールの周りにたくさんの人が群がっている。トウモロコシのタイムセール。1本89円!!思わずグリグリと人のすき間に押し入り、数本のトウモロコシをゲットした。

 トウモロコシはゆでてかぶりつくのがなんと言ってもおいしい。けれど今日の気分は屋台で売っている焼きトウモロコシ。醤油の焦げた香りがちょっとこうばしい。

 まずはトウモロコシを丸ごとゆで、後は魚焼きの網にのせて醤油をつけながら焼く。屋台の気分になるのも悪くはないけれど、大鍋を出したり、滴り落ちた醤油がガスコンロの上で焦げたのを掃除したりすることなどを考えると、やっぱりなんだか気が重い。

 そこで、フライパンひとつで香ばしいあれをすぐ作れる方法を考えた。まずはトウモロコシの皮をむいて半分に切る。切り口を下にして、まな板の上に立て、トウモロコシの粒粒だけを包丁でこそげ取る。こうするとおもしろいくらいきれいに実が取れるというわけ。今日はこのトウモロコシとささみを組み合わせて、こうばしい醤油の香りがするおかずを作ろう。

 ささみは、筋を取って一口大のそぎ切りにしたらポリ袋に入れる。塩、こしょう、小麦粉も入れたら袋の口を左手でギュッと握って、右手で袋の底をトントンとたたく。そうすると袋の中に入ったささみにうまい具合に粉がまぶさる。これで下準備完了。

 フライパンにサラダ油を入れ、ささみをこんがり焼く。こんがりとおいしそうな焼き色がついたら、こそげておいたトウモロコシを一気に入れる。もちろん生のまま。

 軽く炒めたらふたをして2〜3分。ふたを開けたとき、トウモロコシがパーッときれいな黄色になっていたらOK。ホラね、これなら、大鍋に湯を沸かす手間もないし、とにかく早い!!

 最後にバターを入れて全体にからめる。最初からバターで炒めてもいいのだけれど、最後に入れてからめるほうが断然香りがいい。トウモロコシの一粒一粒にバターがからまってツヤツヤになったら醤油をまわし入れる。ジュッとこうばしい香り!!ああ、これぞ簡単焼きトウモロコシ。

 スプーンでコーンをすくい、口いっぱいほおばる幸せ。みずみずしいプチプチ感はゆでずに炒めたたまもの。ささみのあっさりしてうまみが静かにトウモロコシのおいしさを引き立てる。

 口の中がプチプチした幸せでいっぱいになったら、暑い暑い夏がもうすぐそこまで来ている予感がした。(終り)

   
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(平成23年9月2日更新)

(第3回)

ところてんサラダ

低カロリーでさっぱり味

材料(4人分)

      ところてん ・・・・・・・・・・・・・・ 2パック
      きゅうり ・・・・・・・・・・・・・・・・ 1本
      ワカメ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適宜
      レタス ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4枚
      ハム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4枚
         (A)卵 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 2個
         塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 少々
      ごま油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適宜
      (B)めんつゆ(ストレート) ・・・ 2カップ
        ごま油 ・・・・・・・・・・・・・・ 大1
        酢 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大1
        からし ・・・・・・・・・・・・・・ 好みで
        すりごま ・・・・・・・・・・・・・ 大1



【コメント】
 思うに、ところてんほど優柔不断な食べ物はない。関西育ちの私は、ところてんといえば、黒蜜で食べるものと信じて生きてきた。なのに、東京に来てみると、添付されているのはなんと、からし酢醤油ではないか。まさかと思ったが、甘味屋さんのメニュ−もやっぱり酸っぱいところてん。

 これは、おやつなのか軽食なのか。子どものころ、この酸っぱいところてんを、「3時のおやつや」と言って出されていたら、私は暴れていたか、ぐれていたか、どっちかだったと思う。

 けれど、私もいい年をした大人なんだし、「黒糖をくれ!」と駄々をこねるのもカッコ悪い。ところてんを夕飯のおかずにしてしまえば、すべて丸く収まる。ふふふ、やっぱり大人の女はこうでなきゃ。

 そこで、ガラスの器にところてんをこんもりと入れ、上にきゅうりのせん切りだの、戻したワカメだの、レタスのせん切りだの、ハムのせん切りだのをのせてみた。おお、なかなか彩りもいい感じ。せっかくだから、ここで金糸卵ものせた方がきれいかも。急遽、薄焼き卵を焼く私。

 卵2個に塩をひとつまみいれて、よく混ぜる。金糸卵は醤油や砂糖などを入れず、塩味だけで作った方が、きれいな黄色に仕上がる。後は、油を引いたフライパンに大きく流す。この時、フライパンがあまり熱くなり過ぎる前に油を引いて卵を流し入れ、フライパンの方を動かして、卵を全体に広げるとうまくいく。

 後は、ふたをして、弱火で蒸し焼きにすること1〜2分。表面が乾いたら、そのまま、まな板に取り出す。このやり方だと、ひっくり返す必要がない。できた薄焼き卵を細く切ったら、錦糸卵の出来上がり。

 出来上がった錦糸卵を先ほどのところてんの上にのせてみると、なんだか冷やし中華に見えてきた。ということで、めんつゆにごま油と酢と、からしとすりごまを混ぜてたれを作り、上からドボドボとかける。おおーっ、できた、できた。

 つるりとした冷たいのど越しが、いかにも夏っぽく、しゃきしゃきした野菜ともあいまって、なかなかのお味。中華めんで作るよりもさっぱりしているし、低カロリー。これは、いける!!。

 しかし、これは主食なのか、おかずなのか、サラダなのか。やっぱり優柔不断でつかみどころがない。けれど、ひんやりとしたさっぱり感は、後を引く。明日もおそらく、ところてんを買っている私がいるだろう。まあ、今の時代、がんがん自己主張するより、ところてんみたいな方が、うまく生き残れるってこともあるのかもね。(終り)

   
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(平成23年9月18日更新)

(第4回)

切り干しと豚肉の炒め煮

しょうが&醤油でキリッと

材料(4人分)

      切り干し大根 ・・・・・・・・・・・・ 40グラム
      (A)豚薄切り肉 ・・・・・・・・・・ 150グラム
         醤油 ・・・・・・・・・・・・・・ 大1
      しょうが ・・・・・・・・・・・・・・・・ 1〜2かけ
      水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1カップ
      醤油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大1
      青ねぎ(小口切り) ・・・・・・・・ あれば



【コメント】
 主婦業の中で苦手なものの一つに衣替えがある。季節の節目にきちんと洋服を整理整頓できる人って、尊敬してしまう。私など、ずるずるとなし崩しのまま、夏物も冬物も一緒にクローゼットに押し込んでいるので、もう少しなんとかならないものかと、毎年この時期に思ってしまう。

 こんな私なのに、この時期、食べ物の衣替えだけはきちんとやるのだから、習慣にしてしまえば案外なんでもないのかもしれない。食べ物の衣替え?つまり、ストックしてある食べ物を半年に一度点検して、古いものは食べてしまい、新しいものに換えるってこと。主に点検するのは缶詰類と乾物。乾物の中でも特に切り干し大根、高野豆腐、かんぴょうなどは変色したり、においが付いたりしやすい乾物なので、この機会に食べ切ってしまうほうがいい。

 そんなわけで、今日は中途半端に使い残した切り干し大根を料理しようと思う。まずは豚肉を一口大に切ったら、醤油をもみ込み、ごま油を引いたフライパンで炒める。豚肉はおいしそうな焦げ色がつくくらい、じっくり炒めるほうがおいしい。

 豚肉の色が変わったら、切り干し大根を入れる。切り干しはよほど変色していたり、においがきつくなっていたら、水で一度もみ洗いしたほうがいい場合もあるけれど、そうでないなら、さっと洗うだけで十分。だって、切り干しって、大根を干すことによって甘みを濃縮したものなので、もどしすぎるとせっかくのおいしさを全部捨ててしまうことになる。しかも炒め煮にすれば、ある程度のにおいは消えてしまう。

 さっと洗った切り干しは、フライパンの豚肉の上で、キッチンバサミを使って食べやすく切る。包丁で切ってもいいのだけれど、切り干しを切るのにキッチンバサミは重宝する。切り干しを軽く炒めたら、水1カップを入れてふたをする。意外と水が少ない感じ。でも、弱火で蒸し焼きにすれば、焦げ付く心配はない。

 5分から10分たったら、切り干しを食べてみて、好みの固さになっていればOK。醤油をまわし入れ、最後にせん切りにしたしょうがをたっぷりと混ぜて出来上がり。しょうがは最初に豚肉と一緒に炒めるより、最後にたっぷり加えたほうがフレッシュなしょうがの味が残って、しょうが好きにはたまらないおいしさなのだ。

 油揚げやにんじんと一緒に煮た定番の煮物もおいしいけてど、なんとなくうっとうしいこの時節は、醤油としょうができりりと味付けした切り干しのほうが箸が伸びる。もりもりとおなかいっぱい食べたら、さてと、この勢いでクローゼットの中も、片付け・・・られたら・・・いいなあ・・・。(終り)

   
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(平成23年10月3日更新)

(第5回)

うなぎの柳川

溶き卵は半分、「どぜう」風味も

材料(4人分)

      (A)水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1カップ
         酒・・・・・・・ ・・・・・・・・・・ 1カップ
         醤油 ・・・・・・・・・・・・・・・ 大3
         みりん ・・・・・・・・・・・・・・ 大3
         かつお節 ・・・・・・・・・・・・ 1袋(5グラム)
      ごぼう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・1本
      長ねぎ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1〜2本
      うなぎ蒲焼 ・・・・・・・・・・・・・・ 1尾
      卵 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2個
      粉山椒 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 好みで



【コメント】
 小さな鉄鍋の中で、ぐつぐつと「どぜう」が煮えている。その上に、ささがきごぼうと長ねぎの小口切りを山盛りにのせ、口に運ぶ。あらかじめ下煮された「どぜう」に臭みはなく、ほろりと柔らかい身の中から時々、口に当たる骨の食感が悪くない。ごぼうとねぎの香りが混ざった割り下の味が口に広がり、また、はしが伸びる。これぞ、江戸っ子が昔から夏ばて解消に愛してやまない「どぜう鍋」である。

 これを卵でとじたものが「柳川」で、味噌汁になったのが「どじょう汁」。ドジョウを下処理し、食材として扱う場合は「どぜう」と書き、生きたまま鍋にほうり込む場合は「どじょう」と書く、と杉浦日向子さんの本に書いてあったのを思い出した。そうか、生きたまま熱い味噌汁にほうり込まれたのかと思うと、ありがたみが増した。

 あんまりおいしかったので、家で何とか作れないものかと考えた。そうだ、うなぎのかば焼きで代用して「どぜう鍋」ならぬ、うなぎ鍋にしてみよう。

 まず、ごぼうはきれいに洗って皮をこそげ取ったら、ささがきにする。ピーラーを使うときれいに早く薄切りになる。あと大切なのは長ねぎ。たっぷり二本ほど小口切りに。どうせ煮てしまうのだから、青いところも全部切ってしまおう。

 土鍋に水と酒を1カップずつ入れ、昆布をキッチンばさみで細切りにしながら入れて火にかける。味付けは醤油とみりん、それぞれ大さじ三杯。たっぷりのごぼうを入れ、ふたをして煮る。

 10分も煮ればごぼうがしんなりしてくるので、かつお節を1袋入れて、ひと混ぜする。これで割り下のだし代わりになるというわけ。かつお節が混ざったら、長ねぎの半量を広げて入れ、その上に短冊に切ったうなぎのかば焼きをのせ、さらにねぎをのせてふたをする。

 杉浦さんの本によれば、昔はねぎを使わず、ささがきごぼうを煮たところに生きたドジョウを入れ、味噌と七味唐辛子と粉山椒で味付けし、汁だくで仕上げた、とある。けれど、お店で食べたねぎとの組み合わせがなんともおいしかったので、たっぷり入れ、その昔風に汁だくに仕上げてみた。

 溶き卵を入れるとき、土鍋の中の全体に回しかけず、半分にだけ卵を入れる。そうすると、卵のかかっていない「どぜう鍋」風の味と「柳川」風の味が、両方楽しめるというもの。

 粉山椒をたっぷりかけて口に運べば、うなぎはうなぎで悪くない。ねぎとうなぎで、みるみる体に元気が行き渡り、しめしめ、夏の疲れはこれで完全にシャットアウトできそうだ。(終り)

   
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(平成23年10月17日更新)

(第6回)

きのこと厚揚げのとろろあんかけ

秋のうまみと香りがぎっしり

材料(4人分)

      しめじ、えのき、まいたけなど ・・・・ 3〜4パック
      (A)水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1カップ
         昆布・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ 1×10センチのもの1枚
         醤油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大2〜3
         みりん ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大2〜3
      厚揚げ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1丁
      かつお節 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1袋(5g)
      長いも ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 200gくらい
      長ねぎ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適宜
      ゆずの皮・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ あれば



【コメント】
 秋の気配が色濃くなってくると、なぜか、きのこが食べたくなりますね。きのこなんて1年中、価格変動もなく出回っているのに、やっぱり、秋になるとたっぷり食べたくなってくるから不思議です。

 そんなわけで、今日は、きのこと厚揚げのとろろあんかけを作ることにしました。

 まず、きのこですが、私、スーパーでパックに入って売っているようなきのこなら、基本的に洗いません。以前、きのこの人口栽培の現場を見学させてもらったことがあるのですが、まるで病院か大学の実験室を思わせるようなクリーンな部屋に、たくさんの棚があって、菌床と呼ばれる、きのこの菌をしみ込ませたものが入ったポットがびっしりと並べられて、そこからぽこぽこと、きのこが生えてくるのです。

 温度、湿度などはコンピューターで管理されています。当然ながら、農薬などはかけてないし、汚れという意味でも、安心できるきれいさでした。

 また、きのこって、洗うとスポンジみたいに水を吸って、水っぽくなっておいしくなくなるんです。ただし、山で採ってきたようなきのこの場合は汚れている可能性があるので、ぬらして固く絞ったキッチンペーパーなどで拭くといいですね。

 しめじ、まいたけ、しいたけ、えのき・・・。好きなきのこを3〜4パックくらい用意し、食べやすく切ったり、手でほぐしたりしておきます。厚揚げは1センチ幅くらいに切っておきます。

 さて、ここまで用意できたら早速、煮ていきましょう。フライパンに水1カップと昆布、みりんと醤油各大さじ2〜3杯ずつ入れて火にかけます。昆布は、あらかじめ1×10センチくらいの短冊切りにしたものをキッチンバサミを使って、さらに細く切っていれます。あらかじめ漬けておかなくても、切り口からたっぷりのうまみが出るし、引き上げなくても全部食べられるのがいいところ。

 煮汁が沸騰したら、まずは厚揚げから。ふたをして5分くらい煮たら、きのこをたっぷり入れて再びふたをして煮ます。その間に長いもの皮をむいてスタンバイ!きのこがくたっとしたら、かつお節1袋を入れてひと混ぜ。これで、かつおだしで煮たのと同じことになりました。

 最後は、フライパンの上で長いもをおろしながら加えていくのです。さっと火が通った長いもは、生とは違うもちっとした食感。これがまた、このことあうのです。最後に彩りの青ねぎか三つ葉を、あればユズの皮のすりおろしなどをふり入れて、秋の香り満点の1品の出来上がりです。(終り)

   
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(平成23年11月7日更新)

(第7回)

大学芋

揚げずに蒸し焼き

材料(4人分)

      サツマイモ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1本
      サラダ油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大2〜3
      (A)砂糖 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大4
         醤油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小1
         酢 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小1
      黒ごま ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適宜



【コ メ ン ト】
 ずっしり重たいサツマイモをもらった。何を作ろうかと考えていると、突然、子どものころに行った銭湯の風景を思い出した。でっぷり太ったおばちゃんたちが背中を向けて体や髪を洗っている。でっぷりと安定感のあるお尻のまるみ。サツマイモはまさに、そんなおばちゃん体形だったのだ。

 そんな風に見え始めると、もうだめだ。スイートポテトだの、サツマイモのミルク煮だの、そんなおしゃれな料理は作れない。塩味の効いたサツマイモごはん、しょうがを入れた甘辛味のそぼろ煮、りんごと一緒に鍋に入れ、レモン汁を入れて甘酸っぱく煮る。

 どれも悪くはないのだけれど、このおばちゃん体形のサツマイモで作るには、どれもちょっと違う気がする。う〜ん、なんていうか、どや、おいしいやろ〜みたいな物がいい。

 大学芋!!そうだ大学芋を作ろう!

 まずはサツマイモを皮ごときれいに洗って、乱切りにし、さらに水で洗って表面のでんぷん質をきれいに洗い流す。じっと水にさらすより、流水でジャブジャブ洗ってしまったほうが早いし、サツマイモの色も鮮やかに仕上がる気がする。

 さて、このサツマイモ。普通は油で揚げてから、あめをからめるのだけれど、おやつを作るためだけに油を出すのはめんどくさい。そこで、フライパンに大さじ2〜3杯くらいの油をいれ、そこにサツマイモを入れてさっと炒め、後はふたをして蒸し焼きにする。ふたをして揚げる感じで焼きながら蒸して、中までじっくり火を通そうというにである。

 3〜4分くらいするとサツマイモが黄色くなってくる。そうしたら、一度ふたをあけてはしをさしてみて、すっととおったらOK。後はふたをあけて強火にして、きつね色になるまで焼く。

 かりっと香ばしく焼けたら、キッチンペーパーで余分な油を吸い取る。そしたら、サツマイモを一度とりだし、あいたところに砂糖大さじ4、醤油小さじ1杯、酢小さじ1杯を入れ、フライパンの中で煮溶かす。

 酢を入れると甘さがさっぱりするのと、あめ状になったとき、一つひとつがはずれやすくなるのである。砂糖が溶けてグツグツいい始めたら、サツマイモを戻し入れ、全体を大きく混ぜて、あめをからめる。つや良くからまったら、お皿に出す。フライパンの中に入れたままにしておくと、あめがどんどん焦げていくからね。

 お皿に出して黒ごまをパラリとふったら、どこからでもかかってこいと言わんばかりの大学芋になった。(終り)

   
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(平成23年11月20日更新)

(第8回)

もやしビビンバ

安くて簡単、ボリューム満点

材料(4人分)

      (A)米 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2カップ
         水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2カップ
         にんにく(スライス) ・・・・・ 2〜3かけ
         ごま油 ・・・・・・・・・・・・・・ 大1
      にんじん(せん切り) ・・・・・・・・ 1本
      もやし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1袋
      ニラ(ざく切り)・・・・・・・・・・・・・1束
      (B)豚ひき肉 ・・・・・・・・・・・・ 300グラム
         醤油・・・・・・・・・・・・・・・・ 大3
         蜂蜜・・・・・・・・・・・・・・・・ 大3
         にんにく(すり下ろし) ・・・・ 1かけ
         しょうが(すり下ろし) ・・・・ 1かけ
         豆板醤 ・・・・・・・・・・・・・・ 小2分の1
      目玉焼き、キムチなど ・・・・・・ 好みで
      焼き海苔、塩、ごま油 ・・・・・・・ 好みで



【コ メ ン ト】
 スーパーに行くと、野菜も肉も魚も調味料も、何でもかんでも、確実に高くなっていて、ショック。が、しかし、こんな時こそ主婦の腕の見せ所です。安くて、簡単で、おいしくて、ボリューム満点の料理を作ってやろうではありませんか。今日は、わが家で大人気、野菜たっぷりビビンバを作るぞ〜!!

 材料は、燃やし、ニラ、にんじん、豚ひき肉、にんにく、米。おお〜っ、どれも価格の優等生ばかり。安くてうまい上に栄養バランスもばっちり。これぞ家庭料理の原点です。

 さてさて、まずはごはんから炊きましょう。炊飯器で炊いてもいいのですが、土鍋で炊くと石焼きビビンバならぬ土鍋ビビンバになります。炊き方は、普通に洗った2カップの米と水2カップを土鍋に入れ、30分ほど浸水させたら、にんにく2〜3かけと、ごま油大さじ1〜2杯を入れて火にかけます。最初は強火、沸騰したら弱火にして5分加熱、そのあと火を止めて20分蒸らせば炊き上りです。

 土鍋で炊くといっても難しいことなんて何もありません。一緒に炊き込んだにんにくは、ごはんと一緒に柔らかくなりますから、混ぜる時につぶせば全体に混ざり、にんにくとごま油の香りがふんわりと漂う、おいしいごはんに炊き上がるというわけです。

 では、具を作りましょう。フライパンにごま油を入れて火にかけ、せん切りにしたにんじんを炒めます。柔らかくなったらもやしを入れ、全体に油がまわったら、ざく切りにしたニラを入れてさっと炒めます。

 軽く塩で味を調えたら、先ほどのごはんの上にあけて広げます。あいたフライパンに豚ひき肉300グラム、醤油、蜂蜜各大さじ3杯、にんにくとしょうがのすりおろし各1かけ、豆板醤小さじ2分の1を入れてよく混ぜ、再び火にかけ、あとは、ひき肉に火が通るまでしっかり炒めます。これを先ほどの野菜の上にかけ、さらに全体にごまをふったら、彩りも鮮やかな、ビビンバの出来上がり。

 食べるときは、全体にわっさわっさとかき混ぜて、各自好きなだけよそいながら食べるのが良いですね。さらに、好みで半熟の目玉焼きやキムチなど添えるのも、ステキです。

 もしも焼き海苔があれば、手でもんで細かくし、塩とごま油をまわしかければ、即席の韓国海苔に変身するので、これをごはんの上からかけてもまたおいしいですよ〜。

 ほら、なんだか楽しくなってきました。みんなでわいわい、取り合いしながら食べる。これってどんな時でも最高の調味料なんですよね。(終り)

   
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(平成23年12月4日更新)

(第9回)

水菜サラダ

ゆずこしょうでパンチ力

材料(4人分)

      (A)玉ねぎ ・・・・・・・・・・・・・・ 4分の1個
         塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小2分の1
         ツナ缶 ・・・・・・・・・・・・・・ 小1缶
         レモン汁 ・・・・・・・・・・・・・ 大2
         蜂蜜 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 小1〜2
         ゆずこしょう・・・・・・・・・・・ 小2分の1
      水菜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1束
      三つ葉、パプリカ、キュウリなどあれば好みで



【コ メ ン ト】
 突然、わけもなく無性にサラダが食べたくなる時がある。普段から私は大の野菜好きなのだけれど、生の野菜はあまり食べる習慣がない。煮物や炒め物でたっぷり野菜を食べ、それで十分気持ちは満たされている。だから、野菜が不足しているわけではないと思うのだけれど、温かくてしんなりとやわらかい野菜料理ばかりが続くと、なぜだか突然、口がみずみずしい、しゃきしゃきした食感を欲する。

 そんなときは、大きなサラダボウルを取り出して、生で食べられる野菜をこれでもかというくらいほうり込んで、ウサギのように食べまくるに限る。そんなわけで、今日はサラダを作ろう。

 まずはドレッシング作り。たまねぎ4分の1個を薄くスライスしてボウルに入れ、塩を入れて軽くもんでおく。こうすると水にさらさなくても、たまねぎの辛みがかなりぬける。そこにツナ缶をオイルごと(ノンオイルの時はオリーブオイルを大さじ2杯くらい入れる)入れ、さらに酢かレモン汁を大さじ2杯くらい。隠し味に蜂蜜を小さじ1〜2杯程度。これでマイルドになる。

 にんにくのすり下ろしとか、からしとか、粒マスタードなどは好みで少し入れるのもいいけれど、今日はゆずこしょうを入れて、ピリリとパンチをきかせるつもり。もちろん、ツナの代わりにハムも良い。

 ドレッシングの準備ができたら次はいよいよ野菜。メインは水菜。洗ってザクザクと切り、三つ葉やパプリカ、キュウリなど冷蔵庫に残っている野菜を適当に混ぜる。ボウルに入ったドレッシングの上に次々ほうり込んで、食べる直前まで冷蔵庫に入れておく。この時、ドレッシングと野菜を混ぜないのがコツ。

 いよいよ食事開始というときにテーブルの上に載せて、全体を混ぜる。ここで初めて混ぜることで、野菜がしゃきしゃきのまま食べられるし、ボウルの底でしばらく置いておかれたたまねぎはしんなりして辛さが抜け、ドレッシングをとびきりおいしくしてくれる。最後にすりごまや、揉み海苔など、たっぷりかけるのも良い。

 さて、こんな日は、きのこのたっぷり入った湯豆腐が1番。熱々の豆腐としゃきしゃきのみずみずしいサラダ。これはもう、文句なし、バッチリの相性。ああ〜、おいしい〜。(終り)

   
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(平成23年12月17日更新)

(第10回)

ブリのポン酢照り焼き

野菜と魚・・・抜群のバランス

材料(4人分)

      (A)ブリ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4切れ
         塩 、小麦粉・・・・・・・・・・・ 適宜
      (B)ポン酢醤油 ・・・・・・・・・・・ 50cc
         水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50cc
         みりん(好みで) ・・・・・・・・ 大1〜2
         赤唐辛子(輪切り)・・・・・・ 適宜
      水菜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1束
      ごま油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1



【コ メ ン ト】
 体のことを考えると、できるだけ魚を食卓にのせたいなと思うようになったのは、年を取ったってことなんでしょうか?おりしも、寒くなってくると、鮭、ブリ、タラなど調理しやすい切り身魚がたくさん店頭に並ぶようになり、値段も安くなってきました。食卓での“魚率”、ますます上がりそうな気配です。

 今日はブリを使った、ポン酢照り焼きを作ってみようと思います。照り焼きというと、あらかじめ漬け込んでから焼くのが普通ですが、焦げやすかったり、味がしみ込んでなかったりと、案外難しかったりするもの。そこで、発想の転換!漬け込まずに、最後にたれを絡めれば、あっけないくらい簡単でおいしくできるんです。

 まず、ブリ4切れは、食べやすい大きさにそぎ切りにします。そぎ切りにすることで、厚みが均一になって火も通りやすく、量が多く見えるのもうれしいところ。軽く塩を振って5分ほど置いたら、出てきた水分をキッチンペーパーでふき取ります。つい省いてしまいがちな手間ですが、魚の臭みがすっきり抜け、確実においしさがアップしますので、手を抜いてはいけません。

 ここまでできたら、全体に小麦粉をまぶしますが、今回の照り焼きの最大のポイントは、ここ。粉をまぶすことで焼いたときにかりっとした香ばしさがでますし、粉がたれの水分を吸うのできれいにたれが絡まるのです。

 フライパンにごま油を入れたら、全体がおいしそうなキツネ色になり、かりっとするまで焼きます。ふたはしません。ふたをするとにおいがこもるし、かりっと仕上がらなくなるのです。焼けたら、フライパンに出てきた油を一度、キッチンペーパーでふき取り、いよいよたれを絡めます。

 今回のたれはポン酢醤油!そのまま加えてもよさそうですが、実はそれでは濃すぎるので、水で倍に薄めてください。ポン酢50ccに対して水50cc。もし、ポン酢醤油が酸っぱすぎたら、みりん大さじ1杯を加え、好みで赤唐辛子の輪切りも加えてください。これらをあらかじめ混ぜておいたら、ブリの上から一度に回しかけます。

 じゅーっという威勢のいい音とともに、たれが沸騰してぶりに絡まります。そしたら、ざく切りの水菜をたっぷり敷いたお皿の上に、ブリをたれごと、じゃっと移し入れるのです。

 おいしいブリのうまみの出た、熱々のポン酢醤油だれ。野菜も少し、しなっとなるので、もりもり食べられるというわけです。野菜と魚、これなら、知らず知らずにバランスよく食べられますよ。(終り)

   
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(平成24年1月4日更新)

(第11回)

ゆで豚

色んな料理に変身

材料(4人分)

      (A)豚肩ロース(かたまり) ・・・・・・ 400gくらいのもの2本
         塩・・・・・・・・・・・ 小1
      (B)水 ・・・・・・・・・・・ 5カップ
         昆布 ・・・・・・・・・・・・・・ 1×10センチのもの1枚
         塩 ・・・・・・・・・・・ 小1
      (C)味噌 ・・・・・・・・ 大2
         蜂蜜・・・・・・ 大2
      ありあわせの野菜
      ポン酢醤油



【コメント】
 豚肉のロースのかたまりをポリ袋に入れ、少し多めの塩を入れ、もみもみする。そのまま常温に1時間くらい出しておく。あらかじめ塩をよーくもみ込んでおくことと常温に出しておくことが、ゆで豚をおいしく作るコツ。

 中までしっかり常温になったら、土鍋にその豚肉と、ひたひたの水を入れて火にかける。水から煮ると沸騰と同時にすごくあくが出るので、丁寧に取り除く。火を弱めて5分ほど煮たら、ふたをして火を止める。そのまま30分置けば、出来上がり。余熱で中まで火を通すことで、しっとりとして、うま味のあるゆで豚に仕上がるというわけ。

 このゆで豚、年末の忙しい時にいいのは、ほったらかしておくほうがおいしくできるってところ。火にかけていないから、出かけることだってできるし。しかも、ゆで豚はゆで豚で食べて、ゆで汁はおいしいスープとして利用できる。

 ワカメやねぎなんか入れて、溶き卵で仕上げるもよし、油揚げと冷凍うどんとねぎを入れて、熱々のうどんにして食べるのも良し。さらには、豚肉を煮るときに大根やにんじん、こんにゃくなんかも一緒にほうり込んでおくと、ゆで豚と一緒におでんもできてしまう。

 味噌と蜂蜜を同量混ぜたものに、ユズの皮のすりおろしやしょうがのすりおろしを混ぜた甘味噌を作って、柔らかく煮えた野菜につけて食べる。特別な味付けなしでもOKなので、とても楽チン。

 具が余ったら、細かく切って鍋に戻し、次の日は味噌を溶き入れる。豚肉のうまみたっぷりの豚汁(肉は入ってないけど)があっという間に出来上がる。ひとつの料理から、どんどん新しい料理が展開されていくのは楽しい。もっと展開できる方法はないだろうか。

 そこで、ゆで豚を2本まとめて作っておくことにする。1本ゆでるのも2本ゆでるのも手間にはいっしょなのだから。

 1本はゆでたてをからし醤油とかポン酢とかで食べる。残りの1本はポリ袋に入れて、醤油をとぼとぼと注ぎ入れ、みりん少々とにんにくのすりおろしもいれたら、袋の上からよーくもみもみし、中の空気を抜いて口を縛る。こうすることで、少しの醤油でも全体に行き渡る。次の日には、にんにく醤油がしっかり染み込んで、チャーシューのような味になっているはず。

 このまま薄く切って野菜と混ぜてサラダにするもよし、細かく切ってチャーハンの具にするもよし、サンドイッチにしてもおいしい。冷蔵庫で保存しておけるので、パーティー料理にだってなるはず。ふふふ、やっぱり料理って楽しいね。(終り)

   
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(平成24年1月19日更新)

(第12回)

京風甘酒

もち米使って、より甘〜く

材料(4人分)

      もち米・・・・・・・・・・・1カップ
      水 ・・・・・・・・・・・・・ 3カップ
      米麹 ・・・・・・・・・・・・200グラム



【コメント】
 熱くした甘酒にしょうが汁をたっぷり入れてフーフーいいながらすする。温かい湯気が顔にふわりとかかると、鼻の頭やほっぺがぽっと温かくなる。寒い寒い日に飲む熱い熱い甘酒は、思わず顔がほころぶ至福のおいしさ。

 甘酒というと、酒かすをお湯で伸ばして作るタイプと、麹を入れて発酵させて作るタイプがあるけれど、私が子供のころから親しんでいるのは後者。生まれ育った京都では、室町時代に甘みの研究が盛んにされ、甘酒の作り方からヒントを得て、白味噌が出来上がったらしいから、もしかしたら、もう何百年も前から、とろりとした自然の甘みを好む土地柄なのかもしれない。

 まずは甘酒の材料はもち米1カップと米麹200グラム。うるち米でもいいのだけれど、もち米のほうが甘く仕上がるから私はもち米派。米麹は板状になったものが、スーパーで売っている。

 ではいよいよ作っていこう。もち米は普通に洗ったら、土鍋に3カップの水とともに入れて1時間くらい漬けておき、後はふたをしたまま火にかける。沸騰したら弱火にして5分。あとは火をとめて20分蒸らせばOK.もちろん炊飯器で炊いてもいい。

 炊き上がったら、ふたを開けて軽く混ぜて少し冷ます。指を入れて、熱いのを我慢しながら10秒くらいじっとしていられるくらいの温度がいい。熱すぎると麹菌が死んでしまうし、冷めすぎても菌がうまく働いてくれないからね。後は板状になった麹を手でばらばらにしながら混ぜて、ふた付き容器に入れる。

 あとはこれを暖かい場所において発酵を待つばかり。暖かい場所は、たとえばコタツの中とか風呂場とか、いろいろあるけれど、私は、使い捨てカイロを容器の底とふたに張り付けてバスタオルでくるみ、ベッドの布団の中に入れている。大体8〜10時間くらいすると、全体がとろりとなって、出来上がり。

 ちょっと食べてみて、十分甘みが出ていたら、耐熱容器に入れてラップをし、電子レンジに5分ほどかける。ここで一度加熱しておくと、それ以上発酵が進まなくなり、発酵が進みすぎて酸っぱくなることがないのだ。

 さてこの甘酒の素、お湯で割るのもいいけれど、リンゴジュースや豆乳で割って飲むのも、悪くない。また、塩漬けした大根やキュウリにこの甘酒の素をまぶして1日くらい置いておくと、ちょっと甘い漬物になる。これは酸っぱくなった甘酒でも作れるのがうれしいところ。

 寒い冬に布団の中でぬくぬくと発酵してる甘酒。今年1年、あせらず、急がずマイペースでのんびり行こう。(終り)

   
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(平成24年2月7日更新)

(第13回)

白菜と豚肉の中華風スープ

うどんやごはんを入れてもOK

材料(4人分)

      (A)豚薄切り肉・・・・・・・200グラム
         塩 ・・・・・・・・・・・・・小1
      白菜 ・・・・・・・・・・・・・・ 4分の1個
      昆布 ・・・・・・・・・・・・・・ 1×10センチのもの1枚
      日本酒・・・・・・・・・・・・・ 100cc
      水・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3カップ
      塩、こしょう、醤油・・・・・・ 適宜
      水溶き片栗粉・・・・・・・・・ 適宜
      しょうが(すりおろし)・・・・・・適宜



【コメント】
 寒くなってくると、熱々のスープなんかが、ご馳走に感じられますね。それも、ちょっととろみがついていて、しょうがとかこしょうとかがピリッと効いているようなもの。おなかの中からポカポカ温かくなるだけで、なんとも言えず、幸せな気分になります。

 そんなわけで、今日は白菜と豚肉の中華スープです。この時期の白菜は安くておいしくて、毎日でも食卓にのせたい野菜のひとつ。くたっと軟らかく煮込んだ白菜のおいしいこと。早速、作っていきましょう。

 準備する材料は、豚薄切り肉。あっさり仕上げたいならもも肉、こってり仕上げたいならばら肉、両方のいいとこ取りなら肩ロースあたりを200グラムほど。白菜はたっぷり4分の1個。あとはしょうが、日本酒、昆布など。

 豚肉は食べやすい大きさに切ったら、塩小さじ1杯をもみ込みます。こうすると、煮込んでもお肉がだしがら≠ノならず、しっとりおいしくなるのです。

 さて、ここで取り出すのがフライパン。というのも、まず、ごま油で豚肉を炒めるんですが、この段階でも鍋よりフライパンのほうが上手にいためられ、豚肉に香ばしい焦げ色をつけることもできます。肉の焼けた香ばしさも、実はおいしさをアップさせてくれるんです。

 豚肉がおいしそうにいたまったら、ざく切りにした白菜と細く切った昆布、そして、日本酒を2分の1カップ入れてふたをして蒸し焼きにします。

 いきなり水を入れて煮込むより、こんなふうに蒸し焼きにするほうが、白菜のおいしさをぐんと引き出せるのです。また、このときも、鍋より口径の広いフライパンのほうが蒸気の回りが早く、全体に均一に熱が行き渡るというわけです。

 中火からやや弱火で、ゆっくり白菜に火を通し、白菜がくたっとしたら、ここで水3カップを入れ、再び沸騰したら味をみて、塩、醤油、こしょうなどで味を調えます。

 最後に水溶きかたくり粉をまわし入れ、とろりと温かそうなとろみがついたら、おろししょうがを入れて出来上がり。

 さて、このスープ、実はうどんやごはんを入れてもすごくおいしく、それこそ、これだけでも大満足できる1品に早や代わり。ですから、ちょっと多めに作って夕飯にはスープとして楽しみ、次の日の朝ごはんか昼ごはんには、うどんやごはんをいれる、なんて言うのはどうでしょう?1回で2度おいしい!!得した気分になりますよ。(終り)

   
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(平成24年2月16日更新)

(第14回)

ソーセージ料理

たまねぎと蒸し焼き

材料(4人分)

      水・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100cc
      ソーセージ・・・・・・・・・・・ 8本くらい
      たまねぎ、ピーマンなど



【コメント】
 「ソーセージでも食べようか」。母はそう言うと、冷蔵庫からソーセージを取り出してフライパンに入れた。実家に泊まった朝のこと。「私、朝ご飯に時々、食べてるから、ソーセージ料理は上手やねん」。

 ソーセージ料理に、うまいも下手もあるのだろうか。母の様子を見ていると、なんとフライパンにジャーっと水を入れ、ふたをして火にかけた。炒めるのではなく、どうやらゆでるらしい。かなりじっくり蒸しゆでにされたソーセージ。料理下手の母のやること、どうせ大したことはないだろうと、食べて驚いた。皮はパリッと小気味よく、中はふっくらジューシー。何なんだ、これ!・・・。

 私は、というと、いつもフライパンに油を引いて、じゅっといためていた。別に深い理由はなく、思い込んでいたのだ。けれど、そのやり方だと、ソーセージは脂っぽく、焼けた油のにおいがしつこい。ソーセージ本来の香りやうまみを殺しているなあ、と常々思っていた。それが、ここでこんなにあっけなく解決してしまうなんて。

 数日後、家に帰って作ってみた。まずはソーセージをフライパンにいれ、それから水を100ccほど入れる。母はたっぷりのお湯でゆでていたけれど、私はさらにおいしくなるように策を練ってみた。火にかけている間に、たまねぎ1個をくし切りにし、フライパンの中に入れたら、ふたをして蒸し焼きに。その間、ピーマンもざくざく切って入れる。

 トータルで5分くらい蒸し焼きにする。すると、水は蒸発してほとんどなくなるから、ふたを取って、さらに水分をとばす。ここがミソ。ソーセージには油で焼いたかのように、こんがりおいしそうな焼き色がつくというわけ。お皿にのせてケチャップをかければ出来上がり。

 早速、試食してみよう。う〜ん、うまい!!ソーセージは皮がパリっと香ばしく、中はふっくらジューシー。たまねぎとピーマンはとろりとやわらかく、ソーセージから染み出た油とうま味を十分にからめとっているので、最初からいためたものとは雲泥の差。

 水を入れて蒸し焼きにするので、にんじんやジャガイモやブロッコリーのような火の通りにくい野菜でも応用できるし、キャベツやチンゲン菜のような火の通りやすい野菜なら、最後の方で時間差をつけて入れれば、さっと蒸し焼きにすることだってできる。

 そうか、こんな何気ない料理の中にも、おいしくなるコツはあるんだ。そして、それを見つけるチャンスはあちらこちらに落ちている。(終り)

   
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(平成24年3月2日更新)

(第15回)

豆腐と豚肉の梅蒸し

土鍋を使って熱々を食卓へ/h2>

材料(4人分)

      (A)豚こま切れ肉 ・・・・・・・・・・・ 200g
         醤油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大1
         ごま油 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 大1
         しょうが(すり下ろし) ・・・・・・ 1かけ
         梅干 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1〜2個
         かたくり粉 ・・・・・・・・・・・・・・ 大1
         長ねぎ(みじん切り) ・・・・・・・ 1本
      (B)水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100cc
         昆布 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1×10センチのもの1枚
         塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 少々
      豆腐・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1丁
      三つ葉 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1束
      醤油、ごま油 ・・・・・・・・・・・・・・・・お好みで



【コメント】
 文字通りの三寒四温。春が待ち遠しい日は、ホカホカ湯気の出る料理が恋しくなりますね。そこで今日は、簡単にできてヘルシーな豆腐と豚肉の梅蒸しです。

 準備するものは、豆腐1丁。これは木綿でも絹でもお好みで。後は、豚こま切れ肉200グラム、長ねぎ1本、しょうが1かけ、梅干し1〜2個、三つ葉1束、醤油、かたくり粉、ごま油。

 まずは、豚肉の下準備。ボウルに豚肉と、醤油、ごま油各大さじ1、しょうがのすり下ろし、梅干しを入れて、梅干しをつぶしながらよくもみこみます。全体に混ざったところでかたくり粉大さじ1をもみ込んだら、長ねぎのみじん切りを入れてさっと混ぜ、これで下準備完了。かたくり粉とごま油をもみ込むことで、安い肉でもしっとり柔らかな食感に仕上がります。

 ここまでできたら、いよいよ蒸していきましょう。蒸し物って、蒸し器を出すのが億劫な気がしますが、実は今回の料理は土鍋で作れるので、熱々のまま食べられるのもうれしいところ。蒸し物って熱々の温度や、熱々の湯気も全部おいしさのうち。食卓で湯気がフォーッと立ち上がるだけで、グーッとおなかが鳴ること間違いありません。

 さて、蒸し方です。土鍋に水100ccと昆布(1×10センチくらいのものを、キッチンばさみでさらに細かく切って入れます)、塩少々を入れて火にかけ、沸騰したところに、好みの豆腐を手で崩しながら入れます。包丁で切るより、手で崩しながら入れたほうが、味がなじんでおいしいのです。

 この豆腐の上に、先ほど下味をも見込んでおいた豚肉を全体に広げながらのせるだけです。このとき、バサッとのせると豚肉が大きな団子状になって食べにくいので、なるべくバラバラにしてのせるのがコツです。

 あとはふたをして、中火で10分ほど蒸せば出来上がり。水が少ないように思いますが、豆腐から水が出るので、焦げ付く心配はありません。蒸しあがったら、ざく切りにした三つ葉を散らし、ふたをして食卓へ。

 熱々のところを好きなだけ器にすくってどうぞ。豚肉の下味と梅干しの酸味で、豆腐もおいしく食べられるとは思いますが、味が足りなければ、醤油とごま油を混ぜたたれを好みでかけるいいですね。安くて、おいしくて、ヘルシーで、体が温まる、体にもお財布にもうれしい1品です。(終り)

   
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(平成24年3月21日更新)

(第16回)

チョコバナナオムレット

パンを二つ折りに/h2>

材料(4人分)

      サンドイッチ用食パン・・・・・・・・・・ 8枚
      バナナ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2本
      (A)生クリーム ・・・・・・・・・・・・・・ 100cc
         砂糖 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大1
         チョコレートシロップ ・・・・・・・・ 少々(なければ入れなくても)



【コメント】
 「最近、これ、はやっているんですよ〜」。そう言いながら知人が持ってきてくれたものは、たっぷりの生クリームとイチゴやマンゴーなどが入ったサンドイッチ。そういえば、最近、スーパーにも、近所のパン屋さんにも、コンビニエンスストアにも、確かにある!ある!この手のフルーツサンド。

 けど、何もフルーツと生クリームをパンにはさまなくても、と思いつつ、とりあえず、ものは試しと一口・・・。な、何これ!?おいし〜!。

 パンの部分がスポンジケーキみたいに甘くないので、あっさり、でも、ふんわりしっとりしていて、口の中で生クリームのとろりとみずみずしいフルーツの酸味が混ざり合うと、絶妙なおいしさになる。う〜ん、意外や意外。普通のケーキより好きかもしれない。そこで、一番気に入ったバナナとチョコレート、それにクリームを使い、作ってみることにした。

 まずは、生クリームを泡立てて砂糖を入れる。砂糖の量は100ccの生クリームに大さじ1程度。ボウルを逆さまにしても落ちてこないくらいしっかり泡立てたら、チョコレートシロップを混ぜる。

 市販のフルーツサンドは、サンドイッチ用のパンに生クリームとバナナをのせてサンドイッチしたものを三角に切ってある。これはこれで悪くないとは思うのだけれど、いかんせん食べにくい。

 そこで、バナナを芯にしてロールケーキ風に巻いたらどうかと考えた。けれど、それだとサンドイッチ用のパンでは小さすぎて、くるりと巻けない。どうしたものか。そのときひらめいたのが、クリームとバナナを芯にしてスポンジケーキを二つ折りにしたオムレツケーキ。あのアイデアをいただこう。

 まな板の上にラップを敷いて、その上に食パンを置く。生クリームを塗ったらチョコレートシロップをたらし、4等分に切ったバナナを乗せる。パンを二つ折りにするとき、ラップごと半分に折ると、パンの真ん中のところが破れないできれいに折れる。後は、そのままラップでパンを包んで冷蔵庫に入れておけば、パンが乾燥することもなく、生クリームの水分を吸ってしっとり仕上るというわけ。

 100ccの生クリームとバナナで8個のチョコバナナオムレットができた。食べやすさもあって、あっという間に完食。食べた後、娘が一言。「これって生クリームだから、やっぱ太るよね」。手作りだと安心して、ついつい食べ過ぎる。う〜ん、かなり危険な食べ物かも。(終り)

   
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(平成24年4月4日更新)

(第17回)

タラのワカメあんかけ

アレンジいろいろ、名残の旬を堪能/h2>

材料(4人分)

      (A)生ダラ ・・・・・・・・・・・・・・ 4切れ
         塩、酒 ・・・・・・・・・・・・・・ 適宜
      (B)水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2カップ
         塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小2分の1
         しょうが(せん切り)・・・・・・・1かけ
      長ねぎ(せん切り)・・・・・・・・・・ 1かけ
      ワカメ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適宜
      水溶きかたくり粉 ・・・・・・・・・・・ 適宜
      ポン酢醤油、ごま油など ・・・・・・好みで



【コメント】
 魚へんに雪と書いて「鱈(たら)」。その名の通り、旬は冬。低カロリーでクセがなく、料理しやすいタラもそろそろ旬は終わりですね。そこで、名残のタラと、これからが旬のワカメを合わせて、簡単なのにごちそう風に見える1品を作ってみたいと思います。

 生ダラは、買ってきたらすぐに塩と酒を振りかけておきます。おいておく時間は5分くらいでもいいし、数時間たっても構いません。塩をすることで身が締まり、生臭さが抜けるのです。かといって塩ダラでいいかというと、結構、塩分がきついものが多いので、この料理は生ダラがおすすめ。

 ワカメは、生のワカメが市場に出始めました。肉厚で香りもいいので、あれば使いたいところです。なければ、塩蔵ワカメでも構いません。その場合はさっと塩を洗い流し、表示通りにもどしてください。いずれにしても食べやすい大きさに切ることです。後はしょうがをせん切りに、ねぎを斜め細切りにすれば準備完了。

 では、煮て行きましょう。使うのはフライパン。ピッタリと閉まるふたもご用意ください。

 水2カップと塩小さじ2分の1杯、しょうがのせん切りを入れて火にかけ、沸騰したら、タラを入れます(このとき、水を減らしてその分を日本酒にすると、さらにおいしくなります)。その上に長ねぎを散らしてふたをし、中火で蒸し煮にします。この間に、水溶きかたくり粉を準備しておきましょう。

 そこで、バナナを芯にしてロールケーキ風に巻いたらどうかと考えた。けれど、それだとサンドイッチ用のパンでは小さすぎて、くるりと巻けない。どうしたものか。そのときひらめいたのが、クリームとバナナを芯にしてスポンジケーキを二つ折りにしたオムレツケーキ。あのアイデアをいただこう。

 タラは意外に火の通りが早いので、5分もしたら全体に白っぽくなってきます。そうなったら、フライ返しで、タラだけをお皿に取り出します。実は、残った煮汁にタラのうま味が十分溶け出していますから、このまま、あんにしてしまおうという魂胆なのです。

 この煮汁に、ざく切りにしたワカメを入れてさっと煮ます。味が足りなければ、醤油を少々。後は水溶きかたくり粉でとろみをつけて出来上がりです。ワカメのとろとろと、とろりとしたあんが、淡白なタラの身に絡みつく上品な1品です。

 この料理はアレンジもいろいろ。最後にごま油をさっとたらせば中華風に、煮るとき梅干しを一緒に入れれば梅味のあんに・・・。食べるときにポン酢醤油をかけると、さわやかです。

 過ぎ行く季節と、やってくる季節。食卓の上で仲良くバトンタッチ。季節は刻一刻と移ろいます。(終り)

   
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(平成24年4月17日更新)

(第18回)

キャベツとじゃこのチーズトースト

手早く作って、シャキッと!/h2>

材料(4人分)

      (A)キャベツ ・・・・・・・・・・・・ 4分の1個
         塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小2分の1
      ちりめんじゃこ・・・・・・・・・・・・・20g
      食パン)・・・・・・・・・・・・・・・・・2枚
      マヨネーズ ・・・・・・・・・・・・・・ 適宜
      からしorゆずこしょう ・・・・・・・ 好みで
      ピザ用チーズ ・・・・・・・・・・・・ 好みで



【コメント】
 いよいよ新学期のスタートです。子供を起こさなきゃならないわ、朝ご飯を作らなきゃならないわ、時間大丈夫か、間に合うか、ぼーっとせんと、しゃんとして・・・とあせるのは私ばかり。等のご本人はいたってのんびり。どうやったら、そんな余裕をもてるのか、できることなら教えてもらいたいくらいであります。

 さて、こんな日の朝ご飯は、手早く作れて、簡単に食べられて、しかもしゃきっと元気の出るようなものがいい。というわけで、キャベツとじゃこのチーズトーストを作ってみた。

 作り方はこう。まずキャベツをせん切りにして、塩でもむ。今が旬の春キャベツは、もちろんそのままバリバリ食べるのもおいしいのだけれど、塩でもむと、たっぷりたべられるし、食べやすい。しかも、かすかな塩味で、キャベツの甘みもぐぐっと増す感じ。

 このキャベツに混ぜるのは、ハムのせん切りでも、ツナでもいいのだけれど、今日はカルシウムたっぷりのちりめんじゃこでいこう。なんとなく、体にいいものを作ってますっていう、母親の自己満足もちょっと満たしてくれるので。家族のために、早起きしてごはんやお弁当を作り続けるには、ほんのちょっとのがんばりと、大いなる自己満足は、必須アイテムだもんね〜。

 さてさて食パンにマヨネーズを塗ったら、半分にはからしを、半分にはユズこしょうを塗る。ちょっとぴりりとさせることによって、眠っている脳がピクリと目覚め、さらに途中で味が変わることで、ふむ?と脳が活性化するんじゃないか、いや、してくれたらいいなと思ったり。うひょひょひょ、楽しみ楽しみ。

 後は先ほどのキャベツをたっぷりのせ、さらにはピザ用チーズをたっぷりとかけ、オーブントースターでチーズがとろりとなるまで焼いたら出来上がり。あとはイチゴとか、キウイとか、すぐに食べられる果物を添える。

 おおー、完璧やねえ〜。なんか私って、なかなかやるンやない?手軽さといい、栄養バランスといい、彩りといい、なんか私、がんばってるって感じするわ〜。

 ふと見ると、相変わらずぼーっとしながら、口だけ動かしている娘と目が合った。

 「お母さん、朝からテンション高いね」。

 「・・・」

 なんかうちの家ってさ、全部足して人数で割ったらちょうどいいかもね。(終り)

   
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(平成24年5月3日更新)

(第19回)

カツオと水菜のサラダ

なんとも涼しげ、からしがよく合う/h2>

材料(4人分)

      カツオ(たたき用、皮付きのもの) ・・・・・・ 半身
      (A)醤油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大2
         酢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大2
         みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
         溶きがらし ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小1
         ごま油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大1
         しょうが(すり下ろし) ・・・・・・・・・・・ 1かけ
         水菜 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1束



【コメント】
 「最近カツオって、なんか身が柔らかくなったと思わない?」

 先日、ふとしたことから、そんな会話になった。

 「そうそう、私もそうおもってたの」と、身を乗り出したのにはわけがある。

 実は、スーパーの鮮魚売り場でおいしそうなカツオを見かけるようになり、今日はカツオのたたきにしよう、と思って足取り軽やかにスーパーに向かった私。ところがその日は、どういうわけか、たたき用のカツオがなくて、売っているのは刺身用のカツオのみ。

 この前、刺身は食べたし。今日は薬味をいっぱいのせ、たたきを作る気満々だったし。まっ、たたき用か刺し身用かなんて、皮がついているかどうかの違いだけなんだし、刺し身用を買って、たたきにすればいいか。と、軽い気持ちで買って帰った。
 ところが、なのです。いざ、たたきにして切ろうとすると、身がぼろぼろ崩れる崩れる。あれよあれよという間に、ツナ缶状態。そういえば、最近のカツオの刺身って、口に入れるとまるでマグロのトロのようにとろりと柔らかいなあ。それをさっと加熱したら、そりょもう、ばらばらになるわさ。と、深く反省した次第。

 なので、皮付きのたたき用のカツオが出るのを待って、リベンジと相成った。

 フライパンにごま油を引いて、あつーくなったところに、カツオの皮目から焼く。たたきなんて中まで火を通しすぎてはいけないと、気持ちはあせるけど、そう簡単に中まで火は通らないので、ここはじっくり皮がかりっと香ばしくキツネ色になるまで焼く。後は転がしながら、他の面も焼いてまな板に取り出す。

 たたきというと氷水に取るようなイメージがあるけれど、せっかく焼いた香ばしさが半減するので私はそのまま切ってたれに漬け込む。おおーっ、さすがに皮付きだとばらばらにならず、きれいに切れる。たかが皮、されど皮。

 今日は水菜と合わせてサラダ仕立てにしようと思っているので、醤油、酢各大さじ2、みりん大さじ1、そこに溶きがらしとおろししょうが、ごま油大さじ1をよーく混ぜたところに、厚めに切り分けた香ばしいカツオのたたきを入れて一混ぜ。時間のあるときは、このまま漬け込んでも良いけれど、混ぜてすぐでもおいしい。

 食べる直前にざく切りにした水菜をさっと混ぜれば、なんとも涼しげなカツオのたたきと水菜のサラダの出来上がり。からしのピリリがよく合う。(終り)

   
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(平成24年5月15日更新)

(第20回)

カボチャのミルク煮

この甘さ、砂糖いらず

材料(4人分)

      (A)バター ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大1
         パン粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大4〜5
         シナモンパウダー・・・・・・・・・・・・・・・・少々
      (B)カボチャ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4分の1個
         牛乳 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1カップ



【コメント】
 何を隠そう、甘いものには目がないほうでして、おいしいお茶をいれて、おいしいお菓子を食べている時ほど幸せな時間はありません。ここ1ヶ月、あちこちから甘いものをいただく機会があり、お菓子の収納棚は羊かんとまんじゅうで満杯状態。うれしい悲鳴の毎日。

 仕事の前にお茶タイム。ちょっと仕事をしてはお茶タイム。疲れたといってはお茶タイム。仕事の合間にお茶タイムをしているのか、お茶タイムの合間にちょこっと仕事をしているのか、だんだん分からなくなってくる。でもまあ、いいじゃないの、幸せならば。

 ところが、人生は羊かんほど甘くはない。羊かんの喜びの後に降りかかってきた大きな不幸。2キロの体重増加、嗚呼・・・。

 そんなわけで、今日はダイエットなおやつでお茶タイム。作るのはカボチャのミルク煮。カボチャの自然の甘みをいかせば砂糖を入れなくても十分甘く、甘いものを食べたい欲求もうまくなだめてくれるに違いない。

 まずはカボチャのミルク煮の上にかけるカリカリパン粉から作る。フライパンにバター大さじ1を入れてパン粉大さじ4〜5杯をキツネ色になるまで炒めるだけ。キツネ色になったらシナモンパウダーを少々混ぜ、器にあける。その間にカボチャ4分の1個のワタをとり、厚さ2センチくらいに切ると火の通りも早い。ちなみにカボチャを切る時は皮を下にするとゴロゴロするので、断面の平らなところを下にしてまな板にくっつけると安定して切りやすい。

 空いたフライパンはバターの香りもついているので、そのままカボチャと牛乳1カップを入れ、ふたをして火にかける。沸騰するまで強火、沸騰したら弱火で約5分。おはしを刺してみてすっと通るくらいまでやわらかくなっていたらOK。軽く木べらでつぶしながら混ぜる。器に盛り、取り出しておいたカリカリパン粉をたっぷりかける。ダイエット中でなければここにメイプルシロップなどをかけるところなのだけれど、ここはあえて塩をパラリとかけてみる。

 さてさて、おいしい紅茶を入れて食べてみよう。ミルクのうま味ととろりと煮えたカボチャのやさしい口当たり。カリカリしたパン粉のバターの香りもいい感じで漂い、歯に当たるカリカリした食感もまたおもしろいリズムを作る。塩の粒が口の中で時々カボチャとぶつかり、カボチャの甘みをより引き立てる。

 おいしい、おいしすぎる。気がつくと、カボチャ4分の1個、後かともなくなっていた。甘い喜びの後に訪れる大きな後悔。今回も後になって思い知る私なのであった。(終り)


   
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(平成24年6月3日更新)

(第21回)

アボカドと豆腐のサラダ

ねっとり食感が絶妙の味/h2>

材料(4人分)

      アボカド ・・・・・・・・・・・・1個
      豆腐 ・・・・・・・・・・・・・・1丁
      焼き海苔・・・・・・・・・・・・適宜
      わさび、醤油・・・・・・・・・・適宜



【コメント】
 最近、アボカドにはまっています。

 アボカドって、ビタミンA、B類、C、E、とにかくビタミン類が豊富なのに加え、食物繊維も多く、美容にはとってもいい食べ物。しかも脂肪が多くて太りそうなイメージはあるものの、その脂肪の80%はオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸なので、体にいい油なんですね。さらに肝臓を守ってくれるグルタチオンという坑酸化物質もたくさん含んでいるらしい。そんなことを知れば、ますます好きになっていきます。

 とくにお気に入りなのがアボカドと豆腐のサラダ。簡単に出来るのに、栄養があって、おいしいので、夕飯にはもちろん、朝ご飯にもしばしば登場する一品。さらに豆腐とあわせることで、カロリーが高くなりすぎずに、おいしく食べられるのがうれしいところ。

 用意する材料は、豆腐、アボカド、海苔。豆腐は、絹ごしでも木綿でもどちらでもいいけれど、木綿の方が私は好み。パックから取り出したら、キッチンペーパーで包んで5分ほど置いておきます。水気を切るというよりは、軽く水気をふき取る感じ。重石などは特にいりません。

 アボカドは皮のところにぐるりと切り込みを入れ、両手で握ってぎゅっとひねってふたつにし、包丁の柄のほうの角を種にぐっと突き刺して、ぐっと斜めにねじれば、種も簡単に取れます。後は手でびりびりと皮をむき、食べやすく切ったら、手でくずした豆腐を適当に混ぜて、器に盛れば出来上がり。簡単!!

 食べるときに、焼き海苔を手でちぎって乗せ、わさびを溶かした醤油をかけて食べるだけ。ねっとりとしたアボカドの食感と豆腐が妙に合い、さらにわさびと海苔の香りで食欲が増す、早いうまい、ヘルシーを地で行くような料理なのです。

 おいしく作るコツといえば、ただもう熟れたアボカドを買うこと。この料理の場合、アボカドが硬いと、それだけでおいしさが半減してしまうので。外から見て皮が緑色から黒く変わっているもの、そっと包み込むように握ったとき、皮の下にある果肉の柔らかさが手のひらに伝わるようなもの。でも、かといってヘタのところが陥没していたり、取れていたりすると、熟しすぎて中が黒くなっている可能性があるから、その辺も要チェックです。

 ところでアボカドの種って、四方に爪楊枝をさして、水の入ったコップに引っ掛けるようにしておいておくと芽が出るって知ってました?一度発芽するとうれしくなって、アボカドを食べるたびに発芽させたくなってしまう私。今に家の中がアボカド農園になってしまうかも。(終り)


   
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(平成24年6月21日更新)

(第22回)

フルーツたっぷりゼリー

慣れれば超簡単なデザート

材料(4人分)

      (A)粉ゼラチン ・・・・・・・・・・2袋(約10グラム)
         水 ・・・・・・・・・・・・・・大2
      フルーツの缶詰・・・・・・・・・・・1缶
      果汁100%ジュース・・・・・・・・適宜



【コメント】
 「昨日の夕飯はスイカでした」。若い女性編集者が言った。彼女は一人暮らしのうえ時間が不規則な仕事。夕飯はほぼ毎日買って帰る。でも夜も遅いし、疲れているし、重たいものは食べたくない。そんな時、目にとまったのがスイカ。無性に食べたくなって、買って帰った。けれど食べだしたら止まらない。気がついたら完食。かくして夕飯はスイカだけということになったらしい。

 「スイカも悪くないけど、もう少しバランスを考えた方がいいんじゃないの」。老婆心ながら、ついつい言ってしまう。

 「しかしですねえ、こう見えても、普段はもう少し考えてるんですよ」。

 「へえー」

 「例えば、おにぎりとフルーツインゼリーとか。サンドイッチとフルーツインゼリーとか」

 「・・・」

 「一人暮らしって、野菜とか果物が食べにくいでしょ。お肌のために、ビタミンCも取った方がいいかなって」。

 毎年、この時期になると、その編集者のことを思い出す。わが家の冷蔵庫もここ数カ月は、フルーツインゼリーがいつも入っている状態になるからだ。実は私も大のフルーツインゼリー好き。1日に何回か口にしないと、イライラしたり、落ち着かなくなったりと禁断症状さえ出てくるほど。それほどのゼリー好きなのだ。

 だからこの時期、二日と開けず、せっせとゼリーを作る。自分で作れば、心置きなくたっぷり食べられるものね。ゼリーなんて、慣れれば5分もかからない、超簡単デザートなのだ。

 作り方はこう。まずフルーツの缶詰を開けて、シロップと果物に分ける。シロップは計量カップに入れ、その中に粉ゼラチンを2袋(約10グラム)入れて混ぜ、5分ほど置く。その間に、もしフルーツが大きければ、食べやすく切る。粉ゼラチンがプヨプヨになったら、電子レンジに30秒ほどかけて溶かす。

 後は計量カップの目盛を見ながら、最初に入れたシロップとプラスして全体で500ccになるよに100%果汁のジュースを加え、ふた付き容器に入れ、取り分けておいた果物も入れる。冷蔵庫で冷やし固めれば出来上がり。あらかじめ、缶詰もジュースも冷しておけば、1時間もすれば固まる。ほら、簡単、簡単。

 ちなみにその女性編集者、その後、料理に目覚め、今では彼氏のためにお弁当まで作るほどになっているそうな。結局、今年もやっぱりフルーツインゼリーから進歩していないのは私だけということになる。トホホ・・・。(終り)


   
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(平成24年7月7日更新)

(第23回)

トマトのお浸し

冷たくてあっさり

材料(4人分)

      (A)水 ・・・・・・・・・・1カップ
         醤油 ・・・・・・・・・大2
         みりん ・・・・・・・・大2
      トマト ・・・・・・・・・・・2〜3個
      かつお節 ・・・・・・・・・・1袋(5g)
      ミョウガ、青じそ、おろししょうがなど



【コ メ ン ト】
 「撮影した後の料理ってどうするんですか?」と、よくきかれる。もちろん食べますとも!

 一応、私、料理研究家なので、どんな場合でもおいしく食べてもらいたい、自分もおいしく食べたい、これが基本。だから、おいしそうに写真を撮ってもらったら、後はスタッフ一同ハイエナのごとく料理に群がって、食べる、食べる。そして新たな気持ちで次の一品。作っては撮り、食べては作り。延々その繰り返し。それが多い時では40回近く繰り返される。

 40品もの料理を1日で食べることはまずないのだけれど、いざ撮影になるとするりとおなかに収まってしまうから不思議。

 ここ4日間、そんなハードな撮影が続いている。作った量もすごいけれど、食べた量もものすごい。胃も重たいけれど、確実に体重も重たい。

 そんなわけで、久しぶりに撮影のない今日は、あっさりしてつるりとのど越しのいいトマトのお浸しを作ってみた。

 作り方はこう。まず鍋に水1カップと、醤油、みりん、それぞれ大さじ2ずつ入れて、火にかける。沸騰したら、大きくざく切りにしたトマトを入れ、一煮立ちしたら、かつお節も入れて、すぐに火を止める。後は、粗熱を取り、食べる直前まで冷蔵庫で冷たく冷やせば出来上がり。

 さっと加熱されたトマトのやんわりとした食感と甘さ、だしを含んだトマトのうまみ、そして、するりとのどを通り抜けるときのひんやりとした涼しさ。う〜ん、うま〜い。しみじみと体の中に、おいしさがいきわたる感じ。

 食べる時に、もしあれば、みょうがの小口切りや青じその千切り、おろししょうがなど、香りのあるものを何か添える。これだけで、なんだかちょっと小料理屋さんに出てきそうな雰囲気の料理になる。

 ちなみにかつお節は、小袋パックのものでいいし、だし用の花がつおをつかう場合は、手でもんで細かくしてから入れてくださいね。トマトにたっぷり含まれるうまみ成分のグルタミン酸は、昆布のうまみと同じもの。なのでかつお節や醤油との相性がバッチリなんです。

 たっぷり作ってあまったら、このだし汁ごとそうめんにかけて食べるのもいい。あるいはトマトを食べてしまってだしだけが残ったら、そこにお麩を入れて全部吸わせ、冷たく冷やしておくのも良い。トマトのうまみをたっぷり含んで冷蔵庫で冷たくなったお麩のつるりとしたのど越し。これもまた、これだけわざわざ作ってもいいかなと思うくらいおいしい。

 それにしても、われながらよく作り、よく食べますね〜。(終り)


   
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(平成24年7月20日更新)

(第24回)

ツナとおろしの冷やしうどん

もっちり食感とひんやり清涼感

材料(4人分)

         冷凍うどん ・・・・・・・・・・・2玉
         貝割れ ・・・・・・・・・・・・・・1パック
         ツナ缶 ・・・・・・・・・・・・・・1缶
         大根おろし ・・・・・・・・・・・たっぷり
         めんつゆ(ストレート) ・・・・適宜



【コ メ ン ト】
 カーテン越しに窓の外をチラッと見る。ああ、今日も暑そうだな。外に出た途端に、ヘロヘロと跡形もなく溶けてしまいそう。そんなことを考えながら、書きかけのレシピを仕上げるべく、パソコンに視線を戻した。

 書いているのは、熱々の煮込みうどん。雑誌の仕事は冬号に突入している。料理研究家の仕事は現実の季節より3〜4ヶ月先を行っていることが多い。レシピの中の土鍋には、うどんが鶏肉やかまぼこ、ねぎ、ほうれん草などと一緒においしそうに煮えていて、後は卵を落とし、ふたをすするだけになっている。

 はぁ〜、書いているだけで汗が噴き出す。けれど、寒い寒い日に、熱々のうどんを幸福感に浸りながら食べている自分を必死でイメージしなければ、おいしいレシピは書けない。再度、今は寒い冬だと言い聞かせて、氷の入った麦茶を飲もうとしたら、思わずフーフーしてすすってしまった。

 今日の昼は、冷やしうどんにしよう。冷凍庫に買い置きの冷凍うどんがあるもんね。あれを使えば簡単に作れちゃう。

 そういえば昔、冷やしうどんを食べようと思ったら乾麺がなく、仕方ないのでパスタで代用したことがあった。ところが、茹で上がったパスタを水で洗う瞬間に、早くも違和感。うどんみたいにキュッとしまって、つるんとした感じが手に伝わってこない。

 大根おろしやしょうが、のりなんかをのせてぶっかけうどん(?)にしてみたのだけれど、一口食べてがっかり。二口食べてさらにがっくり。よーく冷やしたはずなのに、うどんほどのひんやり感も、つるりとしたのどごしもない。パスタは、やはりオイルやみずみずしい生野菜との組み合わせで、おいしさが引き出されるめんなのだと実感した。

 さて、冷凍うどんは電子レンジでチンして、氷水でよく洗ってキュッとしめ、たっぷりの貝割れを混ぜて器に盛る。ツナのおろしあえをのせて、冷やしめんつゆをなみなみ注ぎいれたら、出来上がり。

 ひんやりして、もっちりとした食感と、つるっとのどを通り過ぎるときの清涼感。貝割れと大根おろしのピリッとした後味も捨てがたい。やっぱり、日本の夏は冷やしうどんだわ。パスタではいくら冷たくしても、このおいしさにはならない。

 あっという間に食べ終えて、一息ついたら、あったか煮込み料理に戻らなければならない。うどんのひんやりした後味を残り香のように楽しみながら、熱々のミートボールシチュウーのレシピを書くんだ。

 はぁ〜、とため息をついたら、コップの中の麦茶の氷がカラッと音を立てた。(終り)


   
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(平成24年8月7日更新)

(第25回)

ミルクティー寒天

食感は「カンテンカンテン」!?

材料(4人分)

        (A)水 ・・・・・・・・・・・・・・300cc
           紅茶ティーバッグ ・・・・・・・2袋
         粉寒天 ・・・・・・・・・・・・・・1袋
         砂糖 ・・・・・・・・・・・・・・・大6
         牛乳 ・・・・・・・・・・・・・・・300cc
         練乳、シナモン ・・・・・・・・・・好みで



【コメント】
 ある原稿に「こりこりとした寒天の食感がおいしく、つい後を引いて、食べすぎてしまいます」と書いたら、校正の方から「寒天の食感はこりこりで正しいですか?」という質問がきた。

 寒天はゼリーとは違い、口の中ですーっととろけるというよりは、砕け散っていく感じがする。それを表現してみたのだけれど、いわれてみれば、もっと硬いもの、強いていえば鶏の軟骨とかに使う言葉であって、寒天に対しては不適切かもしれない。それじゃあ、どんな言葉を使えばいいのだろう。考えれば考えるほど分からなくなって、娘に聞いてみた。

 「こりこりは違うよ。ぽにょぽにょ?こちゃんこちゃん?ぽろんぽろん?かちょんかちょん?とてんとてん?」。

 聞いたのが間違いだった。ますます泥沼にはまっていく。仕方ないので、寒天を食べながら考えよう。

 鍋に300ccと粉寒天1袋(約4グラム)紅茶のティーバッグを2袋入れて火にかける。時々、かき混ぜて粉寒天を溶かす。沸騰してきたら火を弱めて、少し煮てから火を止める。ティーバックを取り出したら、砂糖を大さじ6杯入れて溶かす。冷たい牛乳300ccを入れたら手早く混ぜて、ふた付き容器に流しいれる。所要時間5分。後は、粗熱をとって、冷蔵庫で冷やせばミルクティー寒天の出来上がり。

 寒天はゼリーとは違い、煮溶かす時はしっかり沸騰させる。「寒天が固まらなかったんですけど・・・」というのは、たいていの場合、煮溶かし方が足りない。砂糖を入れるタイミング。最近の粉寒天は溶けやすく、最初から砂糖と一緒に煮溶かしても大丈夫なものも多いのだけれど、基本的には寒天が完全に溶けてから。

 牛乳を入れる前に火を止めるのは、その方がはやく温度が下がるため。後は、食べやすく切って器に盛る。練乳とほんの少しシナモンをかけると、さらにミルク感が増しておいしくなる。もちろんそにままでも。

 さて、一口。この食感、どう言えばいいんだろう。「とろとろ」とか「ぷるんぷるん」とか、そういうまあるい音ではなくて、もっと角々しいカ行やタ行の音のような気がする。さらに「ぷにょ」とか「くにゃ」とか、そういうねじれた音でもなくて、「かんかん」とか「とんとん」とか、1回1回完結するような潔い感じの音。

 「カンテンカンテンって感じしない?」。

 娘が言った。言われてみれば・・・。そう思い始めると、それ以上にぴったりの言葉は無いように思えてきた。けど、それって、そのまんまやない?。(終り)


   
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(平成24年8月20日更新)

(第26回)

冷しゃぶサラダ

酸味効いたニラだれで疲労回復

材料(4人分)

         豚肉しゃぶしゃぶ用 ・・・・・・・・・・・300グラム
        (A)醤油 ・・・・・・・・・・・・・・大3
           酢 ・・・・・・・・・・・・・・・大3
           みりん ・・・・・・・・・・・・・大1
           ごま油 ・・・・・・・・・・・・・大1
           しょうが(すりおろし)・・・・・ 1かけ
           すりごま ・・・・・・・・・・・・たっぷり
         ニラ ・・・・・・・・・・・・・・・・1束
         トマト ・・・・・・・・・・・・・・・2個
         わかめ ・・・・・・・・・・・・・・・好みで



【コメント】
 ただでさえ夏休みは、三食のご飯作りに加え、洗濯物も増えて、目の回るような忙しさなのに、五輪、甲子園、お盆休み、帰省ラッシュ・・・いやはや、かなりくたくたですね。

 この辺で、疲労回復するようなものをがっつり食べておかないと、8月後半、残り半分体力が持ちませぬ。そこで、今日は、冷しゃぶサラダに決定!!簡単でうまくて、さらにおまけつき、うれしいことだらけの一品であります。

 まずは鍋にお湯を沸かしつつ、たれ作り。市販のごまだれやポン酢だれも良いですが、疲れたときには、何と言っても手作りのニラだれが一番。ニラと豚肉を一緒に食べると、ニラに含まれるビタミンB1の吸収を高めるんですね。ビタミンB1は疲労回復に効果があります。

 ニラは、長さ1センチくらいのざく切りにし、醤油と酢各大さじ3杯、みりん、ごま油各大さじ1杯、しょうがのすり下ろし1かけ分、刷りごまたっぷり。暑いときなのでチョット酸っぱいたれになっていますが、酸っぱいのが苦手のときは、ちょっとみりんの量を増やしてください。

 たれができたところで、鍋のお湯で豚肉をしゃぶしゃぶ。鍋の上で水気を切ったら、肉が熱々のうちに、このたれに漬け込みます。冷しゃぶというと、氷にとって粗熱を取るイメージですが、すぐに漬け込むほうが、肉に味が染み込むし肉の熱で若干ニラに火が通って、具合がいいのです。

 全部の肉をたれに入れたら、粗熱を取って冷蔵庫へ。もちろんでき立てでも食べる直前に、ざく切りにしたトマトや、戻したワカメなどを混ぜれば、彩りもきれいで、野菜もたっぷりのサラダの出来上がりです。簡単なのに、ご馳走ですね。

 しゃぶしゃぶにはうれしいおまけがあるのです。それは豚肉をしゃぶしゃぶしたゆで汁。ここには豚肉のうまみはいっぱい溶け出しているので、捨てるのはもったいないですね。しゃぶしゃぶした後、軽くアクを取ったら、昆布を細かく切って入れてください。最初から昆布を入れると、昆布がアクを呼び集めて、アクだらけになるので、後から昆布を入れるのがコツです。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷たくし、そうめんを入れて食べるなんてどうでしょう。梅干しと、青じそ、キュウリ、ミョウガなど薬味を入れて、醤油と塩で味を調えたスープをたっぷりはれば、次の日の朝ご飯にぴったり。ちょっといかした一品です。

 「お母さん、なんかやるね」などと言われようものなら、昨日のあれのおまけだなんて一言も言わないで、あったりまえやん!と鼻の穴をぴくぴくさせる私なのです。(終り)


   
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(平成24年9月3日更新)

(第27回)

キクラゲとしめじのおかか炒め

ミネラル豊富で低カロリー

材料(4人分)

         キクラゲ(乾燥) ・・・・・・・・・・・20グラム
         ごま油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
         しめじ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1パック
         醤油 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1〜2
         かつお節 ・・・・・・・・・・・・・・・・1袋(5グラム)
         七味唐辛子・・・・・・・・・・・・・・ お好みで



【コメント】
 「私、キクラゲとタコには目がないんです」。彼女は、そう言った。

 一瞬の沈黙があって、私は思わず噴出した。「独身の年頃の女の子が、キクラゲとタコはないでしょ。完全にオヤジだよ」

 「でも、ですねえ。あのコリコリとして、つかみどころのない食感が、はまるんですよ〜」

 そんな私が、キクラゲにはまってしまった。きっかけは、仕事でキクラゲ料理の依頼を受けたこと。試作をしているうちに、おいしいなあ、と思い始め、それがだんだんエスカレート。ついには、キクラゲが食べたくて仕方なくなってしまった。言ってみれば、それほど興味がなかった相手が、ふとしたきっかけで気になり始め、気づいたら、恋に落ちていたような、そんな感じ。

 とにかく、今日も朝から、大好きなキクラゲを料理しよう。フライパンに水を2カップほど入れ、乾燥したキクラゲ1袋(約20グラム)をぱらぱらと入れ、火をつける。沸騰してきたら火を止め、ふたをして5分待つ。普通はぬるま湯に漬けてゆっくり戻すのだけれど、いきなり火にかけると5分で戻るし、後の料理までフライパン一つでできるのでとっても手軽なのだ。

 キクラゲがフライパンいっぱいに戻ったら、ふたをずらして、余分なお湯を切る。20グラムのキクラゲはもりもりとあふれんばかりの量になる。慣れないうちは、戻しすぎたと一瞬、後悔するのだけれど、大丈夫。1回でぺろりと食べられるから。

 水を切ったキクラゲの入ったフライパンを再び火にかけて少し水分を飛ばしたら、全体にごま油を回し入れて、軽くキクラゲを炒める。キクラゲに油が回ったら、小房に分けたしめじを入れて、さらに炒める。しめじに火が通り、しなっとなってきたら、醤油を回しいれ、最後にかつお節を混ぜて出来上がり。

 キクラゲのプリプリ、コリコリとした食感と、しめじの歯応えと味、香り、そしてかつお節と醤油。途中、七味唐辛子をかけたりごまをかけたりしてもいいし、レモンなど少ししぼってさっぱりといくのも悪くない。熱々ごはんがあれば、何杯でもおかわりしつつ、気がつけば、フライパンいっぱい、一人でぺろりと食べてしまっている。

 こんなにおいしくて、おなかいっぱいで大満足なのに、食物繊維、ビタミンD、鉄分などのミネラルが豊富で、低カロリー。こんなすごい食べ物、オヤジだけのものにするには、もったいない。オバサンになりつつある私も、これでナイスボディーを目指せるかもしれない。(終り)

 
 
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(平成24年10月2日更新)

(第28回)

野菜と油揚げの煮物

土鍋使って余熱でじっくり

材料(4人分)

         かぶ ・・・・・・・・・・・・・・400グラムくらい
         にんじん ・・・・・・・・・・・ 1本
         里芋 ・・・・・・・・・・・・・・1袋
         油揚げ ・・・・・・・・・・・・ 1枚
         インゲン ・・・・・・・・・・・・10本
         (A)水 ・・・・・・・・・・・・・3カップ
            昆布 ・・・・・・・・・・・1×10センチのもの1枚
            煮干 ・・・・・・・・・・・8尾くらい
            干ししいたけ ・・・・・・4枚
         薄口醤油 ・・・・・・・・・・・大3
         塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 小2分の1
         みりん ・・・・・・・・・・・・・・大3



【コメント】
 久しぶりに煮物を作ってみたくなったのは、肌寒さを急に感じたから。冷蔵庫を開けて煮物になりそうなものを探す。里芋、にんじん、かぶ、そして油揚げ。これだけあれば何とかなる。

 まずは、里芋の皮むき。大きなボウルに里芋を入れ、ごろごろかき混ぜながら汚れをとる。これぞ、元祖芋洗い。汚れを洗い流したら、いったんざるに上げて乾かす。これが里芋をむくときのコツで、乾かすことでずいぶんむきやすくなる。

 乾かしている間ににんじんは乱切りに、かぶは四つ割りに。どちらも、きれいに洗ったら皮ごとで。最近のかぶはどんどん皮が薄くなって、皮の繊維が口に残るかぶにここ数年、めぐり合ったことがない。にんじんも同様だ。

 里芋の皮をむいたら、食べやすい大きさに切って、水にさらす。すべての材料を土鍋に入れたら、煮干ははらわただけをとって、頭ごと入れる。そうそう、干ししいたけも軸をとったら、ぼきぼきと四つぐらいに手で折って、そのまま入れてしまおう。

 干ししいたけも、本当なら冷蔵庫の中でじっくり戻すのが一番おいしいのだけれど、そんなことにこだわっていたら、私のような行き当たりばったりの人間は一生、干ししいたけなど使えそうにない。こんな使い方でも、入れた方がぐんとおいしいのだから、どんどん使ったもん勝ち。

 味付けは、みりんと薄口醤油と塩。水3カップに対して、みりんと醤油が大さじ3杯ずつ、これに塩小さじ2分の1.結構、薄味。薄口醤油を使うのは、色をきれいに仕上げたいから。これらを全部、土鍋に入れたら、後は火にかけるだけ。沸騰したら弱火にして5〜10分。後は、火を止めて余熱でじっくり味をふくませる。

 うま味はゆっくり温度が上がっていく過程で外に出て、味はゆっくり冷めていく過程で中に入る。つまり、土鍋を使えばゆっくり温度が上がっていくので、昆布や干ししいたけや煮干のうまみをじっくり引き出し、ゆっくり温度が下がるので、しっかり味を含んでくれるというわけ。もちろん、余熱で調理することで、野菜のうまみが十分引き出される。

 「おおー、煮物じゃん。お母さん、やるねー。こういうの食べたかったんだよねー」

 そうでしょ、そうでしょ。母は忙しくたって、家族のことを考えているのだよ。へへへ、本当は、ほったらかしでおいしくなったんだけどね。とりあえず、それは黙っておくことにしよう。(終り)

   
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(平成24年10月20日更新)

(第29回)

そばがき

所要時間5分!香りも良し

材料(4人分)

         そば粉 ・・・・・・・・・・・・・・・・・100グラムくらい
         熱湯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100cc
         めんつゆ(ストレート)・・・・・・・・適宜
         わさび、ねぎ ・・・・・・・・・・・・・好みで



【コメント】
 鍋にたっぷりの湯を沸かす。沸騰したら、そこから100ccほど取り分けて、別のボウルに入れておいたそば粉100グラムの上からドボドボと入れ、おはしでぐるぐるかき混ぜる。さらさらしたそば粉が、みるみるねっとりとしたかたまりになる。

 後は、水で手をぬらして、食べやすい大きさに丸め、先に沸騰させてあったお湯にドボンと入れて、さっと煮るだけ。これをゆで汁ごと器に移せば、出来上がり。所要時間5分。そばがきは、なんともインスタントな食べ物なのである。

 「そばはやっぱり勢いですよね」。先日、そば屋で知人が言った。ひきたて、打ちたて、ゆでたての、いわゆる「三たて」のそばを真っ黒な濃いめんつゆにほんのちょっぴりつけて、ずずっとすすり込むのが江戸っ子の粋な食べ方。さすが生粋の江戸っ子だけあって、そんな姿も堂に入っている。けれど、もう少しゆったりと食べるのも悪くないんじゃない?と、ニシンそばで育った京都人の私は思ったのだった。

 『蕎麦屋のしきたり』(NHK出版、藤村和夫著)によると、徳川幕府建設のために地方からたくさんの人がお江戸にやってきたことで、お江戸にはたくさんの飲食店が軒を並べることになった。中でも、そば屋は七輪一つで商売ができるとあって、大人気。当然、競争もすさまじい。そうなると、よその店との差別化を図ろうということになる。

 もりを多くしたり、つゆの味を工夫したり。やがて、そば屋は店で食べるお客相手と出前中心の二つの形態に分かれていく。お店で食べさせる場合は、ゆでたてのみずみずしいさばを出すので、つゆは濃いめ。たっぷりつけると、そばの水分でつゆが薄まるから、ちょっとしかつけない食べ方が生まれた。

 ところが、出前の方はお客さんが食べるときにはめんが乾いている。となると、濃いつゆだと一気にそばがつゆを吸い、しょっぱくなりすぎる。そこで、つゆを薄めにして、たっぷりとつゆにつけて食べてもいいように作ってあるらしい。

 つまり、めんの状態、つゆの濃さに応じて、つゆにつける量を自分で加減するのが正しい食べ方だというのが、老舗そば屋のご主人である著者の意見なのである。

 とはいっても、粋にこだわる江戸っ子が粋な食べ方を急に変えられるはずもなく、ならばせめてこの時期、家でそばがきを作って、ゆったりと新そばの香りを堪能してみるのもいいじゃない?(終り)

   
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(平成24年11月7日更新)

(第30回)

ベーコンエッグ

絶妙なとろとろの黄身

材料(4人分)

         ごま油orオリーブオイル ・・・・・大1
         ベーコン ・・・・・・・・・・・・・・・・ 4枚
         卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4個
         塩、こしょう



【コメント】
 ベーコンエッグにはまっている。こんがりと香りよく焼けたベーコンの上に、豪快に卵を割って作った目玉焼き。白身は完全に火が通っていて、端のほうがほんの少しちりちりと焦げている。一見しっかり火が通っていそうな顔をしているくせに、お皿を揺らすと黄身がふるふると揺れ、フォークを突き刺すと、とろとろのつややかな黄身が流れ出す。そんな絶妙のベーコンエッグ。

 わが家の作り方はこう。

 まずベーコンは1センチ幅くらいに小さく切る。豪快に大きく切ったほうがおいしそうなのだけれど、フライパンで一度に家族の人数分を焼くので、ベーコンが大きいとフライパンの中で1人前ずつ取り分けるのが大変。細切りにしておけば、木べらで白身を切るだけですっと分けられるし食べやすいのもいい。

 さて、いよいよ焼いていこう。フライパンを火にかけ、熱くなったらごま油を入れ、ベーコンをいためる。香ばしいごま油の香りとベーコンの香りが台所に漂い始めたら、ここに卵を割って入れる。人数分の卵が入ったら、すぐにふたをして蒸し焼き。火は弱火。黄身のまわりの白身がうっすらかたまってきたら、火を止めてそのまま約1分間放置。後はお皿に出せば出来上がり。わずか2〜3分で作れる極上のベーコンエッグ。これが最近の私流。

 こんな簡単な料理にもコツはあって、まず最初にベーコンをいためすぎないこと。ここでかりっと香ばしく焼いてしまうと、この後卵と一緒に焼いている間に、ベーコンが焦げ過ぎてしまうことになるから。

 二つ目のコツは卵を入れたら、すぐにふたをすること。このとき、ジューッと音をたてて卵を入れたら、ふたをして弱火にすることも大事。ふたをするとき水を入れるやり方もあるけれど、水を入れずに蒸し焼きにしたほうが、ベーコンと白身が、かりっと香ばしく焼きあがる。

 三つ目のコツは、黄身のまわりの白身が固まってきたら、火を止めること。この時点では、黄身は生だけれど、ふたをしたまま1分ほど置いておく間に、余熱でじんわり火が通っていく。約1分後には、黄身の表面の白身が白くかたまり、けれどフライパンをゆすると、黄身がふるふると揺れる。

 最後に塩こしょうで味を調えたらお皿に取り出し、まずは、端っこの少し焦げた白身とベーコンあたりから箸を入れる。最後に残った黄身の部分はごはんに乗せ、かつお節と醤油をかけ、とろりと流れ出した黄身とごはんを混ぜながら食べる。とろとろの黄身とかつお節とごはんと醤油。ああ〜今日も朝から幸せだ。(終り)

   
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(平成24年12月3日更新)

(第31回)

ハムと白菜のクリーム煮

牛乳だけでヘルシー

材料(4人分)

      (A)白菜 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2分の1株
         塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小2分の1
         昆布・・・・・・・・・・・・・・1×10センチのもの1枚
         ハム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100グラムくらい
      (B)牛乳 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 200cc
         かたくり粉 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大1
         ごま油orバター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
         こしょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・好みで



【コメント】
 冷蔵庫の中にお歳暮でもらったハムのかたまりがある。勢いに乗って食べてしまうといいのだけれど、いったんタイミングをはずすと、ずーっと食べないまま冷蔵庫の場所をとることになる。今日はハムをドドーンと使って白菜のクリーム煮を作ろう。

 まずは白菜の2分の1株をざくざくと切って鍋に入れ、塩少々を振って軽く混ぜ、もしあれば昆布も細く切りながら入れてまぜ、その上に細切りにしたハムをのせて、ふたをして火にかける。火は弱火。じっくりじわじわと加熱する。そうすると白菜は自分の水分だけで、しんなり蒸し焼きになる。

 普通は水を入れて煮てしまうところだけれど、ここで蒸し焼きにしてしんなりさせるのと、白菜はいきなり水やだしで煮てしまうのとでは白菜のおいしさが変わってくる。白菜が持っている水分で白菜そのものを煮ることで、白菜のうまみがぎゅっと濃縮され、数段おいしくなる。

 白菜からでてきた水分で、昆布のうまみも溶け出し、ハムのうまみも加わって、さらにおいしくなるという寸法。

 白菜を蒸し煮にしている間に、牛乳1カップを入れ、かたくり粉大さじ1を混ぜておく。そうして、白菜がとろりとやわらかくなったところで、このかたくり粉入り牛乳を一気に入れて混ぜる。すると、うまみの溶け出した蒸し汁と牛乳があっというまに混ざって、とろみのついたあんになるという寸法。白菜のうまみに加え、昆布とハムのうまみも溶け出しているので、インスタントスープの素など入れなくても充分なおいしさ。コクがほしい時は、最後に油を少し入れる。洋風にしたい時にはバターを、中華風にしたい時はごま油を。このクリーム煮にはこしょうがよくあうので、是非最後に多めにふって。
 ちなみに、ハムの量は100〜150グラムぐらいほしく、足りない時は、最初にちょっとベーコンをいためたところに白菜を入れるのもいいし、牛乳を入れるタイミングで、ツナ缶やホタテ缶などを入れるのもいい。

 今日はこれをごはんにかけて丼にしてみる。ドリアみたいでおいしい。けれど、息子が不服そうに一言。

 「たしかにうまいけどさー、これ、昨日のキャベツが白菜になっただけじゃない?」。

 「ち、ち、ちがうよ、昨日は、スパゲティだったじゃない?」

 「けど、ベースは同じでしょ?」

 「・・・」。だってだって、もらい物のハム、まだまだいっぱい余ってるんだもん。(終り)



 
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(平成24年12月3日更新)

(第32回)

手羽中のカリカリこしょう揚げ

手軽に作れパーティーでも大人気

材料(4人分)

      手羽中 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 400グラムくらい
      塩、こしょう、小麦粉、サラダ油・・・・・・ 適量
      (A)醤油 ・・・・・・・・・・・・・・・・大1
         蜂蜜 ・・・・・・・・・・・・・・・・大1
         にんにく(すりおろし) ・・・・・・ 1かけ
         粗びきこしょう・・・・・・・・・・・たっぷり
         いりごま・・・・・・・・・・・・・・たっぷり



【コメント】
 クリスマスですね〜。クリスマスといえば、なんとなく骨付きのチキンにかぶりつくイメージがありませんか?そこで、今年のクリスマスは、手軽に作れてパーティーでも大人気間違いなしの手羽中のこしょう揚げなど、いかがですか?

 まずは手羽先。最近は先っぽの部分を切り落とし、さらに二つに切った状態のものが売られていたりします。もし、それがあればベストですが、なければ先っぽを切り落とし、縦二つに切ってくださいね。

 先っぽを切り落とした手羽中の部分って、骨が2本通っているのですが、この骨を切り離しておくことで、火の通りもよくなるし、食べやすくもなるんです。まっ、めんどくさかったら、先っぽを落とすだけでもいいんですけど(先っぽは、焼くとき邪魔になるので、ここは切り落としたほうがいいですよ)。

 では、いよいよ料理開始です。下処理した手羽中に塩、こしょう、小麦粉をまぶします。このとき、ポリ袋の中でやると手が汚れず、まんべんなく粉がまぶさって便利ですね。こしょうは粗びきタイプを、これが、この料理のポイント。

 フライパンにサラダ油を入れますが、炒め物より多めくらいの感じで大丈夫。何回にも分けるよりは、1度に焼いたほうが簡単ですから。
 このとき、カリカリに焼くコツは、香ばしい焼き色がついて、カリッとなるまでひっくり返さないこと、そしてふたをせずに焼くこと。この二つ。つまり、香ばしく焼けるまで、何もしないことが、おいしくするコツなんですね。

 では、焼いている間に、最後にからめるたれを合わせておきましょう。焼きあがった手羽中を一気にからめるので、大きめのボウルを用意してください。そこに、醤油、蜂蜜各大さじ1杯、すりおろしにんにく1かけ分、そして粗びきこしょうをたっぷり。調味料が少ない感じですが、手羽中400グラムに対して、これくらいで十分です。

 さて、フライパンの中の手羽中がカリカリになったらひっくり返して、反対側もカリカリになるまで焼き揚げにしましょう。

 両面いい感じのキツネ色になったら、熱々を、たれの入ったボウルに入れ、全体にわっさわっさとかき混ぜます。たれが全体にからんだら、いりごまをたっぷり入れます。表面にからんだたれが接着剤代わりになって、ごまもたっぷりくっつくはず。あとは好みで、こしょうを追加。

 ピリリとしたこしょうの香りと、カリカリの食感。手づかみで食べる楽しさもプラスされ、病みつきになること間違いなし。お酒が進みすぎるのが、玉に傷かも。(終り)

 

 
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(平成25年1月8日更新)

(第33回)

もやしと卵の炒め物

とろみがポイント、柔軟に

材料(4人分)

         (A)卵 ・・・・・・・・・・・2個くらい
            塩 ・・・・・・・・・・・ ふたつまみ
         ベーコン ・・・・・・・・・・・2枚
         もやし ・・・・・・・・・・・・ 1袋
         インゲン ・・・・・・・・・・・10本
         (B)水 ・・・・・・・・・・・大2
            醤油 ・・・・・・・・・・・大1
            かたくり粉 ・・・・・・・・小2分の1



【コメント】
 年明け以来、ずーっとはまっているものがある。それは、野菜炒め。毎年、正月料理にすぐに飽きて、違うものが食べたくなる。それが年によってピザだったりラーメンだったり、カレーだったりするわけなのだけれど、今年は野菜炒めだった。

 あり合わせの野菜をがーっと炒めて、塩、こしょうで味をつけただけのシンプルなやつ。一口食べたとたん、うまい!うますぎる〜。依頼、野菜炒めを毎日食べ続けている。

 野菜炒めのいいところは、きっちりとした分量がなくても、残り物の寄せ集めで大丈夫だし、塩、醤油、味噌という当たり前の調味料で味をつけるだけなのに、飽きずに食べ続けられる。それから、煮物と違ってあっさりしていて、野菜だけでまとまるし、肉やシーフードをプラスすればメインのおかずにもなる。

 朝ご飯に野菜炒めというのは、この時期、特に気に入っている食べ方。サラダは冷たいし、スープを作るのはちょっと時間がないし、というとき、野菜炒めなら簡単に作れて、シャキシャキしたみずみずしい歯応えが、朝の寝ぼけた頭と体に心地よい。

 今日のわが家の朝ご飯は、もやしと卵の炒め物。もやしは切らずに使えるので、忙しい時には本当に頼りになる。

 まず、卵2個を割り、塩二つまみ入れて、よく溶いておく。フライパンにごま油を入れて、卵を一気に流し入れたら、いり卵を作り、皿に取り出す。空いたフライパンに少しごま油を足したら、短冊切りにしたベーコンを入れて炒める。何かちょっとこういうものが入ると、うまみがぐんとアップする。ちょっと焦げ色がつくくらいまで炒めると更においしい。

 いい香りがしてきたらもやしを入れる。火は強火。もやしに火が通ったら、入り卵を戻し入れ、水大さじ2杯と醤油大さじ1杯、かたくり粉小さじ2分の1を混ぜたものを最後に回し入れて、手早く絡めて出来上がり。ここが、おいしく作るポイント。味をつけつつ、もやしの水分が全部とろみとなって野菜に絡まるというわけ。

 もやしをチンゲン菜や小松菜に代えてもいいし、ベーコンがなければ、かつお節をたっぷり混ぜるのもいい。油揚げを使う手もある。食べる直前にポン酢をかけるのも、さっぱりしておいしい。

 子供たちは食パン、私はごはん。洋にも和にも、柔軟に対応してくれる懐の深さも魅力だ。こうして、毎食何かしら野菜炒めが食卓にのる毎日。

 さて、昼ごはんは何を炒めよう?(終り)

   
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(平成25年1月8日更新)

(第34回)

カキフライ

油はねせず、からりとあがる

材料(4人分)

         (A)カキ ・・・・・・・・・・・2パック
            小麦粉・・・・・・・・・・・少々
         (B)卵 ・・・・・・・・・・・1個
            小麦粉 ・・・・・・・・・・・・ 大1
            水 ・・・・・・・・・・・少々
         (C)パン粉 ・・・・・・・・・・・1カップ
            小麦粉 ・・・・・・・・・・・大1〜2
           サラダ油



【コメント】
 「カキフライって、外では食べるけど、家では絶対に作らないって、決めてんの」。

 そう言ったのは、広島出身の友達。以前、勇気を出してカキフライに挑戦したものの、油がはねまくって、とんでもないことになったらしい。以来、「家でカキフライを作るべからず」を家訓にしたとか、しないとか。

 いや〜、確かに、同じ経験、私にもあります。なので事あるごとに、あれこれ試行錯誤を重ね、ついに見つけたんです。油はねしない方法。早速、その友達に教えてあげた、私でした。

 まず、カキ2パックはさっと塩水で洗って、キッチンペーパーで水をふいたら、全体に小麦粉をふりかけておきます。ボウルに卵1個と小麦粉を大さじ4〜5杯、水大さじ1〜2杯くらい入れて、よーく混ぜたところに先ほどのカキを入れて全体にからめます。

 つまりですね。フライというと、小麦粉、卵、パン粉という順に衣をつけるのが普通ですが、カキのようにぬるぬるしているようなものだと、最初小麦粉の段階で早くもベタベタ。そこで、小麦粉と卵を最初に混ぜておき、それにカキをからめてしまえば、全体にねっとりしているので、いいかんじに衣がからみつくのです。

 ところが、その小麦粉と卵を混ぜたものが硬すぎるとカキにからめにくいし、かといって、ゆるすぎると、タラタラとカキの表面を流れてしまって、やっぱりうまくからまないし。

 あらかじめカキに小麦粉をまぶしておけば、後の小麦粉&卵&水で、多少さらさらしていても上手に全体にからまりつくというわけです。

 さてここまで来れば、後はパン粉。ここはもう失敗しようがないはず、なのですが、そのままつけたら、やっぱり油がはねることがありまして・・・。パン粉を付けた後、ぎゅっと軽く握ってみたり、パン粉を2度付けしてみたり、いろいろやってみたのですが、1番いい方法は、なんと、パン粉に小麦粉を混ぜることでした。量でいうと、パン粉1カップに対して小麦粉が大さじ1〜2杯くらい。少しなのですが、この小麦粉がすき間からにじみ出てくる水分を完璧にガードしてくれるおかげで、もう油がはねることはないはずです。

 ちなみに揚げ方ですが、油をフライパンの底から1〜2センチくらい入れ(このくらいの量で大丈夫です)、油に漬かっている面がおいしそうなキツネ色になったら、ひっくり返して反対側も揚げる。これで、からりと揚がります。

 タルタルソースもいいですが、揚げたてのおいしいカキフライなら、レモン汁をギュッとしぼるだけのシンプルな食べ方で十分。

 さくさくに揚がったカキフライ。ちょっと鼻が高くなること間違いなし!!(終り)

   
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(平成25年2月15日更新)

(第35回)

鶏マヨ

春のお弁当にぴったり

材料(4人分)

         (A)鶏むね肉・・・・・・・・2枚
            塩・・・・・・・・・・・少2分の1
            卵・・・・・・・・・・・1個
            かたくり粉・・・・・・・大6
         (B)マヨネーズ・・・・・・・大4
            ケチャップ ・・・・・・ 大2
            蜂蜜 ・・・・・・・・・大1
            レモン汁 ・・・・・・・1個分
          サラダ油・・・・・・・・・・適量
          キャベツ・・・・・・・・・・たっぷり



【コメント】
 100グラム48円!!

 いつ行っても、裏切らない安さ。わが友、鶏むね肉!!今日は、その鶏むね肉を使って、えびマヨならぬ、鶏マヨを作ろうというわけです。

 材料は4人分で鶏むね肉たっぷり2枚。後は安くておいしいキャベツをたっぷり。まずはキャベツのせん切りから。せん切りといっても、最近のキャベツは柔らかくて甘いので、それほど神経質に細くしなくても大丈夫。ただし、マヨネーズソースと一緒にもりもり食べたいので、たっぷりあったほうがいいですね。お皿に盛りつけたら、いよいよ、鶏肉の下準備。

 鶏むね肉って、安くてヘルシーなんだけれど、いかんせんバサバサしておいしくないのよね〜という方、切り方と火の通し方をちょっと工夫するだけで、びっくりするくらい、しっとり柔らかく仕上げることができるのです。

 先ずは切り方。ずばり、そぎ切りです。1センチ厚さくらいのそぎ切りにすることによって、厚みが均等になり、短時間で火を通すことができるというわけです。さらに、これに塩小さじ2分の1杯、卵1個、かたくり粉大さじ6杯をもみ込んでから焼くことで、しっとりふわふわに仕上がるのです。

 さて、ここまで準備できたら、ソースを作っておきましょう。大きめのボウルに、マヨネーズ大さじ4杯、トマトケチャップ大さじ2杯、蜂蜜大さじ1杯、レモン汁1個分をよく混ぜれば出来上がり。蜂蜜とレモンで、甘酸っぱくてさわやかな味に仕上がります。

 では、いよいよ焼いていきましょう。フライパンにサラダ油を入れ、先ほどの鶏むね肉を1切れずつ広げるように入れてください。炒め物のようにバサッと入れてしまうと、全体に火が通るのに時間がかかってしまうので、広げながら入れる方が結局は早いし、1枚ずつこんがり焼き色をつけたほうが、確実においしいのです。で、焼けたのから、ソースの中にどんどん漬けていき、空いたところに、油を足しつつ新しい肉を入れて焼く、と、まあ、そんな感じです。

 「そんなの面倒くさい!」と思う人は、もちろん一気に焼いてもかまいませんが、後の油の処理などを考えたら、こんなふうに何回かに分けて焼くほうが、ずっと楽だと、私は思うのです。

 さて、全部の鶏肉が、おいしそうに焼けてソースに漬かったら、ソースごとたっぷりのキャベツの上に盛り付けるのですね〜。ほんのりピンク色のソースが絡んだ鶏肉とキャベツの薄緑色が、なんとも春らしい色合いではありませんか。衣をつけて焼いたおかげで、甘酸っぱいソースがしっかり絡んだ鶏肉は、冷めてもおいしいので、お弁当のおかずはもちろん、サンドイッチにしてもよくあいます。

 暦の上ではもう春ですが、まだまだ寒いこの時期、せめて食卓の上だけでも、春よ来い、です。(終り)

   
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(平成25年3月13日更新)

(第36回)

春キャベツと鶏肉のスープ

低カロリーでも満腹感

材料(4人分)

         (A)鶏もも肉 ・・・・・・・・・1枚
            塩 ・・・・・・・・・・・・小1
          春キャベツ ・・・・・・・・・・1個
          にんにく ・・・・・・・・・・・ 1かけ
          しょうが ・・・・・・・・・・・1かけ
          オリーブオイル ・・・・・・・・小1
          水 ・・・・・・・・・・・・・・3カップ
          日本酒 ・・・・・・・・・・・・1カップ
          昆布 ・・・・・・・・・・・・・1×10センチのもの1枚
          醤油、こしょう ・・・・・・・・好みで



【コメント】
 毎年恒例、娘のダイエットの季節がやってきた。新学期早々に行われる身体測定に向けて、少しでも体重を落としたいという乙女心。分かる、分かる。私も子供のころは、測定前の1週間は水分を控え、縄跳びをし、まるで戦場に赴くような面持ちで勝負をかけたものだった。

 時代が変わっても乙女心は同じで、わが家のリビングからお菓子類は姿を消し、飲み物も水だけとなった。携帯電話の間食禁止サイトなるものを、事あるごとに眺めては、お菓子の誘惑を断ち切り、早朝のジョギング、と涙ぐましい努力。

 でも、今の子供たちはテレビや雑誌の影響で、極端にやせることを望みがち。やみくもに体重が軽ければいいのではなく、健康的にきれいになることや、そのためにバランスよく食べることの大切さを、親としてはきちんと伝えてあげたいな、と思う。

 そんなわけで、蔭ながら娘のダイエットに協力することにした。低カロリーで満腹感もあり、栄養バランスがとれるものといえば、具だくさんのスープ。毎食、野菜とタンパク質がバランスよく入った汁物を一品つけることにした。

 今日は、春キャベツと鶏肉のスープ。旬の春キャベツは甘くておいしいし、加熱すればかさが減るので、一玉ぐらいぺロりと食べてしまえる。。

 まず、鶏もも肉1枚をひと口大に切って、塩小さじ1杯をよくもみ込む。下味はとても大切で、このひと手間でスープも鶏肉も両方おいしく食べられる。塩をもみ込んで5分ほど置いている間に、春キャベツをざく切りにし、しょうがを薄切りにして、にんにくをつぶして粗く刻んでおく。

 フライパンに薄く油を引いたら、下味をつけた皮を下にして鶏肉を並べる。皮からじわじわ油が出てくるので、中火でカリカリになるまで、じっくり焼く、これが後々、スープのコクとなる。

 両面がこんがり焼けたら、そこににんにくとしょうがを入れて軽く炒め、いったん煮込み用の鍋に取り出す。残った油でキャベツをさっといためたら、鶏肉の上に取り出す。空いたフライパンに水3カップを入れて、残ったうまみをこそげ取って鍋に移し、昆布を切りながら入れ、最後に日本酒1カップを入れて火にかける。後は、コトコト煮るだけ。キャベツがくたくたになったら、醤油とこしょうで味を調えて出来上がり。

 次の日は、残ったスープにトマトとカレー粉を足して、ご飯を入れ、スープごはんにしよう。娘のおかげで、家族皆が元気になっていく。これぞ正しいダイエット、と一人ほくそ笑む私。(終り)

   
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(平成25年4月3日更新)

(第37回)

コールスローサラダ

低カロリーでも満腹感

材料(4人分)

          キャベツ、ニンジン、キュウリ、大根など
              ・・・・・・・・・・・・合わせて500グラムくらい
          塩 ・・・・・・・・・・・・・・・小1/2
          ツナ缶 ・・・・・・・・・・・・・小1缶
          酢又はレモン汁 ・・・・・・・・・大 1
          塩、こしょう ・・・・・・・・・・味を見て少々
          マヨネーズ、ポン酢など ・・・・・好みで少々
          〈アレンジ〉
          せん切り野菜のチーズトースト
          食パン ・・・・・・・・・・・・・1枚
          マヨネーズ ・・・・・・・・・・・少々
          せん切り塩もみ野菜 ・・・・・・・たっぷり
          ピザ用チーズ ・・・・・・・・・・たっぷり



【コメント】
 せん切り、せん切り、せん切り、せん切り ―。

 キャベツ、ニンジン、玉ねぎ、キュウリ、ミョウガ、大根・・・。冷蔵庫に中途半端に残った野菜たち。生食出来るものはすべてせん切り、せん切り、せん切り、せん切り。

 せん切りが楽しくなるか苦痛になるかの分かれ目は、包丁の切れ味が影響している場合が多い。スイスイ切れれば気持ちいいほど細く切れるし、なんだかすごーく料理上手になったような気になって、愉快な気分になってくる。そのためにまず包丁研ぎ!!簡単なのはお皿や茶碗の後で、シュッシュッと包丁をこするやり方。野菜のせん切りならこれでも十分。

 さて、せん切りにした野菜たちはポリ袋に入れ、塩も入れて袋の上からモミモミ。少ししんなりしてきたらツナ缶をオイルごと入れ、モミモミ。ちりめんじゃこや、細切りにしたハムでもいいのだけれど、タンパク質のものが入ると、グンとうまみがアップする。ツナ缶は特にお勧めで、オイルごと入れてしまえば、後は酢かレモン汁をプラスするだけでドレッシングまでできてしまう優れもの。

 私はここで、さっと洗ってキッチンバサミで切った切干や、カットワカメなども投入。乾物を入れておくと野菜からでてくる水分をいい具合に吸い、乾物自体もおいしく戻るので一石二鳥なんだもんね。

 出来上がったサラダはポリ袋の口を縛って冷蔵庫で保存しておけば2〜3日は大丈夫。作ってすぐのもおいしいけれど、冷蔵庫に入れて野菜がしなっとなり、塩味が全体に行き渡ったのもおいしい。こんなサラダが冷蔵庫に常備してあれば、朝からサラダもモリモリ食べられるのもうれしい。

 その日の気分でマヨネーズやポン酢をかけてみるのもいい。すりごまを混ぜたり、ごま油を混ぜてみるのも楽しい。お皿に取り分けてから、食べる分だけ味を変えるのが飽きずに最後までおいしく食べるコツ。

 少し手を加えて別の料理にするのも楽しい。食パンの上にのせ、好みでマヨネーズも少し絞って、ピザ用チーズをパラリ。後はオーブントースターでチーズが溶けるまで焼けば、野菜たっぷりのチーズトーストの出来上がり。オリーブオイルを入れてフライパンでサラダをサッと炒めたところに卵をポンと割り入れてふたをし、卵がいい感じに固まればモリモリ野菜の巣ごもり卵がすぐできる。

 気がつけば冷蔵庫の野菜室もスッキリ片付いて、体の中も心の中も、なんだか軽い。フフフンと鼻歌など歌いたくなってくる

(終り)

   
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(平成25年4月16日更新)

(第38回)

旬のカツオをカルパッチョで

薄切りにしてニンニクマヨ

材料(4人分)

          カツオ(たたき用、皮つきのもの)・・・・・半身
          水菜、キュウリ、青じそ、ねぎなど・・お好みで
          ごま油 ・・・・・・・・・・・・・・・適宜
        (A)マヨネーズ ・・・・・・・・・大 4
           醤油 ・・・・・・・・・・大1
           にんにく(すりおろし)・・・・・1かけ
           牛乳・・・・・・・・・・・・大2
          



【コメント】
 「本日のお買い得 カツオの刺身!!」。

 スーパーに行くと、大きな広告が魚売り場にぶら下がっている。それに追い打ちをかけるかのように、店内放送。

 「今が旬、脂ののったカツオを、本日はお値打ち価格で販売しております。今晩の夕食に、カツオのカルパッチョなどいかがでしょうか」

 最近のスーパーは食べ方の提案までしてくれるのだから、ホントにありがたい。それにしてもカツオのカルパッチョとは・・・。にんにくやしょうがやねぎと一緒に食べるたたきもいいけれど、洋風のドレッシングをかけたカルパッチョも、きっとおいしいに違いない。おなかが鳴って、カツオの半身をかごに入れた私。まんまとスーパーの戦略にはまってしまった。

 もともとカルパッチョというのは、生の牛肉にオリーブオイルやレモン汁、マヨネーズのようなソースをかけたもの。けれど、最近はマグロやサーモンのような生の魚で作ることも多い。今日はわが家も生野菜を入れてサラダ仕立てで食べてみよう。時には、そんなおしゃれな料理もいいんじゃない?私だってやるときにはやるんだから。

 まずはカツオのたたきを作ろう。カツオは刺身でもいいのだけれど、たたきの方が香ばしくて、私は好き。薄く油を引いたフライパンを火にかけ、煙が出るくらい熱くなったら、皮目の方から入れ、全部の面を転がしながら焼くだけ。

 全面に焼き色がついたら、氷水に取り、軽く水気をふいて、食べやすく切る。カツオのたたきとして食べるときは、氷水に取らずに熱々のまま厚めに切るのがおいしい。けれど、今日はサラダ仕立てのカルパッチョなので、それよりやや薄く切ることにする。

 次は、ドレッシング。にんにくを効かせたオリーブオイルのドレッシングもいいけれど、もう少し濃厚なマヨネーズベースもいい。ちょっと迷って、にんにくマヨに決めた。マヨネーズににんにくのすり下ろしを入れ、醤油を加えたら、後は牛乳を少しずつ加え、トロリとなったら、OK。

 後は、お皿に水菜やキュウリ、青じそ、ねぎなど野菜を敷いて、その上にカツオをのせ、上からドレッシングをかければ出来上がり。好みでレモン汁を絞るのも悪くない。野菜とカツオとにんにくマヨを一緒に口の中に入れると、ウ〜ン、ウマ〜い!!これぞ、和風のカルパッチョ!!

 それにしても、飛ぶように売れていた特売のカツオ。他の家は、どんな料理になったのだろう。もしかしたら、お隣もそのお隣も、夕食はカツオのカルパッチョだったりして・・・。(終り)

   
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(平成25年5月2日更新)

(第39回)

なすと豚肉の味噌炒め

焼き色、焦げた香りもグー

材料(4人分)

          なす・・・・・・・・・・・・・・・2個
          (A)豚薄切り肉・・・・・・・・・200グラム
             かたくり粉 ・・・・・・・・・小1
             醤油・・・・・・・・・・・・小1
             ごま油・・・・・・・・・・・小1
          (B)味噌 ・・・・・・・・・・・・大2
             蜂蜜 ・・・・・・・・・・・・大1
             みりん・・・・・・・・・・・大1
             豆板醤・・・・・・・・・・・小1
             にんにく(すりおろし)・・・1かけ
           ごま油・・・・・・・・適宜
          



【コメント】
 なすがおいしくなってきた。今やハウス栽培も盛んで1年中手に入るけれど、ここ数週間で確実においしくなってきたように思う。なす好きのわが家にとっては、うれしい季節の到来だ。

 わが家の1番人気はなんと言っても、焼きなす。半分に切ったなすを、ごま油でジュッと焼いた後、おろししょうがと醤油をかける。これだと三日と空けず食卓にのせても、「なすって、うまいよな〜」などと二人の子供がオヤジのようにささやきながらパクつく。

 シンプルでうまい。これぞ家庭料理の鉄則なので、なすは本当に強い味方。今日は、そのなすを豚肉と一緒に甘辛い味噌で炒めて、ごはんのすすむおかずにしよう。

 まず、なすを2センチ幅くらいの短冊切りにし、塩をまぶす。塩水につけてあくを抜くよりも、塩を直接まぶす方が早くしんなりして、きれいにあくが抜けるし、軽く水気を絞って炒めると、油も吸いにくい気がする。カロリーのことも少しは気になるもんね。豚肉はひと口大に切って、調味料をよーくもみ込んでおく。

 なすと豚肉の準備ができたら、フライパンにごま油を入れてなすを炒める。なすの皮目の紫色がピカッときれいな色になったら、一度取り出す。空いたフライパンに少しごま油を足して豚肉を投入。醤油の焦げた香りもおいしさなので、焼き色を全体につける感じで炒める。

 そのままつまみたくなるくらいおいしそうに焼き色がついたら、いったん火を止めて、豆板醤とにんにくのすり下ろし、味噌と蜂蜜を大さじ1〜2杯ずつ入れてフライパンの中で軽く混ぜる。

 別の容器であらかじめ混ぜると洗い物が増えるし、かといって、火を付けながらやると焦げ付きやすい。そこでいったん火を止めれば、フライパンの中で落ち着いて合わせ調味料が作れるというわけ。軽く混ぜたら再び火をつけ、豚肉に絡めながら炒める。甘い味噌が少し焦げる感じで炒めると、おいしくなる。

 味噌がいい感じに豚肉に絡んだら、なすを戻し入れ、さっとひと混ぜしたら出来上がり。なすを入れてからは手早く、さっくり混ぜるのがコツ。お皿に出して、もしあれば、彩りにあおねぎなどを散らしてもいい。

 にんにくの代わりにしょうがを入れたり、ごまをたっぷり混ぜたり、山椒の粉を振ったり、バリエーションは広がる。「なすって、うまいよな〜」と一家そろってオヤジ化し、なすを食べまくる季節の幕が開いた。(終り)

   
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(第40回)

アサリと豆腐のうま煮

栄養価は高くカロリーは低く

材料(4人分)

          アサリ・・・・・・・・・・・1パック(150グラムくらい)
          豆腐・・・・・・・・・・・・・・1丁
          しょうが・・・・・・・・・・・・1かけ
          昆布・・・・・・・・・・・・・1×10センチのもの1枚
          オイスターソース・・・・・・・・大1
          醤油・・・・・・・・・・・・・・大2分の1〜1
          水溶きかたくり粉・・・・・・・・適宜
          ニラ・・・・・・・・・・・・・・1束
          ごま油・・・・・・・・・・・・・好みで
                       



【コメント】
 「今日から私、ダイエットするから」

 学校から帰ってくるなり娘が言った。毎年恒例、ダイエット宣言!!学校での健康診断で、体重測定が行われた後は必ず、ダイエット週間に突入するというのが、ここ数年来の我が家の恒例行事。

 ダイエットというと、ごはんを食べないとか、何とかだけを食べ続けるとか、そんな原始的なことでやせられると今どきの子供たちは信じがちだけれど、一時的にそれで体重が減ったとしてもですよ、これから長い人生、ずーっとそれ、続けられるとおもうわけ?

 それより、低カロリーで栄養バランスがいいものをしっかり食べたほうが、甘いお菓子の誘惑がぐぐっと少なくなるってもんよ。だから今夜は、低カロリーで栄養がある、アサリと豆腐のうま煮といこう。

 用意するものは、アサリと豆腐、ニラ、しょうが。見るからにヘルシーではありませんか。

 まずはアサリの砂出し。トレーにアサリと塩水(水1カップに対して塩小さじ1が目安)を入れる。このときアサリが半分顔を出しているくらいの塩水の量にして、上に新聞紙とか雑誌とかをのせて暗くしておくのがきれいに砂を吐かせるポイント。もちろん常温で。

 そのまま30分くらい置いたら、殻と殻をこすり合わせて、流水で洗う。殻の溝のところに砂がたまっていることがあるので、この辺を丁寧にするのも大事なところ。だって、アサリを食べて、じゃりっと砂が入っていると、せっかくのおいしさが半減するものね。

 まずはフライパンに水1カップと砂出ししたアサリ(アサリの分量は1パックでも2パックでも)昆布(短冊切りにしたものをさらに細かく切っていれる)、しょうがのすり下ろし1かけ分を入れ、ふたをして火にかける。アサリの口が開いたら、オイスターソース大さじ1、醤油大さじ2分の1(この辺はアサリの塩分を見ながら加減)を入れて味を調えたら、水溶きかたくり粉でとろみをつける。

 食べやすく切った豆腐を入れて再びふたをし、弱火にする。豆腐が熱くなったら、最後にざく切りにしたニラを入れ、もう一度ふたをして、ニラにさっと火が通ったら出来上がり。最後にごま油をたらりと回しかける。これは香り付けで、これでぐっとおいしくなる。で、食べるときに、各自さらにラー油などかけて、ピリ辛にするのもいい。

 あとは、ワカメとキュウリの酢の物。雑穀入りごはんで腹持ちよく。賢くダイエット。元気でなくちゃ、魅力も半減するよ。(終り)

   
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