2007年秋 なごや環境大学共育講座 B-63
「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ
第2回 琵琶湖に学ぶ (世界の古代湖と外来生物の増加)
主催 : (社)日本技術士会中部支部 愛知県技術士会
日時 : 2007年11月21日(水) 18:30〜20:00
場所 : なごやボランティア・NPOセンター 12階集会室
会費 : 500円
講師 : 伊藤 久 (技術士(上下水道部門))
項目 | 内 容 |
琵琶湖と同じ頃に誕生した世界の古代湖 | 琵琶湖は約400 万年前に誕生し、現在の状態になったのは約100万年前といわれている。その頃に誕生したと見られる世界の古代湖のうち、アフリカのタンガニーカ湖とマラウイ湖、南米のチチカカ湖、ロシアのバイカル湖についてその概要を探る。 |
琵琶湖の概要 | 琵琶湖の大きさの世界の順序、水収支、生息する生物の種類、外来種、移入種生物とは何かについて探究する。 |
外来種が増加した魚類と植物について原因はどこにあるのか | 琵琶湖は本来水陸の境界が明確でなく、遠浅で湿地帯やヨシ群が多く存在し、多種多様な水草が繁茂していた。このため、魚の産卵場所も豊富であったし、多くの植物が水質の浄化の役目も果たしていた。しかし、開発事業として実施された護岸堤防(道路)が完成してから環境が変わり、これに伴い生態系にも変化が起こって外来種の生物が急に増加したと考えられている。ここでは、魚のブルーギルと水草であるコカナダモについて、なぜこれらが急に増加したのかその実態を考えてみる。 |
新しい取組み | 在来種植物の衰退によって失われつつある在来魚の産卵場を水田に見出し、魚が遡上できる魚道を設置して平成16年から排水路の水位を段階的に堰あげて琵琶湖と水田を繋ぎ、「魚のゆりかご水田プロジェクトチーム」が始まっている。このことは必然的に農薬を減らした米づくりとなり、環境にやさしいブランド米としての出荷も考えられている。また、魚のいる田んぼとして子どもたちの環境学習の場や遊びの場としても注目を集めている。さらに琵琶湖だけでなく、大量のアオコが発生し、日本一汚れた湖沼として有名になった霞ヶ浦は浮き草である「アサザ」を多くのボランテアや小学生が育てて、これを霞ヶ浦に移植し、水質浄化に成功している。 |