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2008年春 なごや環境大学共育講座  B-02

「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ



第6回 「新エネルギー(太陽光・風力・燃料電池など)」と「再生エネルギー(バイオ・廃棄物など)」について




主催 : (社)日本技術士会中部支部 愛知県技術士会

日時 : 2008年9月17日(水) 18:30〜20:00

場所 : なごやボランティア・NPOセンター 12階集会室

会費 : 500円

講師 : 木村正彦 (技術士(建設部門))


項目 内  容
運新エネルギー・再生エネルギーの種類 「新エネルギー」とは、主に先進国で現在エネルギー資源の力として利用されている石油などの化石燃料や原子力などの既存エネルギーの媒体の電気に対し、新規に発見されたり、技術の進歩により見直されるようになったエネルギー資源やエネルギーの媒体で、今の利用が期待されているものの一群をいう。ほぼ日本だけで用いられる用語(分類)である。「新エネルギー」には、太陽光(太陽光発電・太陽熱発電・太陽熱温水器)、風力、燃料電池、地熱、マイクロ水力、体温差発電、天然ガスコージェネレーション、電気・ハイブリッド・天然ガス・メタノール自動車、海洋(海洋温度差発電・潮力発電・波力発電・塩分濃度差発電)などがある。「再生(可能)エネルギー(Renewable Energy)」とは、自然界に存在するエネルギー流に由来し、かつ自然界の営みによって利用するのと同等以上の速度で再生されるエネルギー(またはそこから発生するエネルギーそのもの)を指す(再生されなければ、定義から外れる)。 「再生(可能)エネルギー」は、新エネルギーと重複するものるが、今回の定義としては、再生可能な燃料を使用したバイオマス・廃棄物などを指す。
2つのエネルギーの現状と問題点 水力・風力・太陽熱など古来から使われていたものの改良や、太陽光・地熱・波力・海洋温度差といった近年の科学によって開発されたものが「新エネルギー」である。現在主力となっている化石燃料によるエネルギーは、いずれ枯渇する有限の資源である。化石燃料や原子力エネルギーには環境への影響などに大きな問題があり、新エネルギー・再生(可能)エネルギーの開発は国際的にも重要な課題になっている。新エネルギーなどは、エネルギー密度が低い、不安定で系統安定化が必要、設備コストが高い、発電効率が低い、発電単価が高い、基幹エネルギー源として利用するには絶対量が不足しているなどの未解決の課題もまだ多い。例えば、バイオエタノールなどのバイオマスエネルギーにおいては、他の重要な用途があるものをエネルギー源とすることで、食料などの価格上昇や需給バランスの変化を招く場合もある。
2つのエネルギーの今後 地球温暖化の抑制は、現在地球規模の急務となっており、2007年(平成19年)2月より順次公開されたIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change、気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書では平均気温の変化を2℃までに抑えるには2050年までに温室効果ガスの排出量を半減する必要があるとされた。温暖化ガスの排出量が少ないものについては、地球温暖化への対策の一環として積極的な利用が進められ、将来は世界のエネルギーの数割が新エネルギー・再生(可能)エネルギーで賄われるとも予測される。事実、IPCCの第三作業部会報告書(気候変動の緩和策)においても、新エネルギー・再生(可能)エネルギーが重要な緩和技術に位置付けられている。