2009年春 なごや環境大学共育講座 B-12
「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ
第6回 レアメタル(稀少金属)の世界−都市鉱山の将来性 〜 資源問題を考える〜
主催 : (社)日本技術士会中部支部 愛知県技術士会
日時 : 2009年9月16日(水) 18:30〜20:00
場所 : なごやボランティア・NPOセンター 12階集会室
会費 : 500円
講師 : 木村正彦 (技術士(建設部門))
項目 | 内 容 |
レアメタルとは? | 非鉄金属のうち、様々な理由から産業界での資源量・流通量・使用量が少なく希少な金属のことをいう。 レアメタルは非鉄金属全体を呼ぶ場合もあるが、狭義では、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムなどのベースメタル(コモンメタル、メジャーメタルとも呼ぶ)や金、銀などの貴金属以外で、産業に利用されている非鉄金属を指す。プラチナ、タングステン、レアアース、クロムなど、約30種類ある。 |
レアメタルの地域的遍在性 | レアメタルの産出地は、中華人民共和国・アフリカ諸国・ロシア・南北アメリカ諸国に偏在している。 レアメタルの産地に関する特徴として、ほとんどのレアメタルが産出量上位3カ国で50%〜90%の埋蔵量を占めている。例えば希土類元素(レア・アース)やタングステン(元素記号:W、原子番号:74)は中国だけで90%以上の埋蔵量があり、バナジウム(元素記号:V、原子番号:23)は南アフリカ、中国、ロシアの3カ国で98%を占める。これらの国の政策、経済情勢、政情不安などによって、将来さらに入手が困難になることが予想されており、安定供給やリサイクル技術の確保が求められている。 |
都市鉱山 我が国の歩む方向性 | 都市でゴミとして大量に廃棄される家電製品などの中に存在する有用な資源(レアメタルなど)を鉱山に見立てたものである。そこから資源を再生し、有効活用しようというリサイクルの一環となる。ハイテク製品には欠かせない素材であり、製品の小型化や性能アップに貢献している。 1980年代、東北大学・選鉱製錬研究所の南條道夫教授らが提唱したのが最初である。その後、東北大学・多元物質科学研究所の中村崇教授らによって、「都市鉱山開発」のための人工鉱床計画などの構想も生まれた。 近年の産業界では、レアメタル価格の暴騰などにより、廃棄された携帯電話やパソコンの部品から希少資源を回収するなどの対策が進められており、「都市鉱山(アーバン・マイニング)」」という概念が再評価されている。家電製品などの廃棄物を、金属資源の潜在的な「宝庫」として捉える概念である。 |