なごや環境大学共育講座に戻る






2013年春 なごや環境大学共育講座  B-29
「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ



第6回 「日本再生から見た原発論」

 福島第一1〜4号機は、事故を起こした。が、福島第一5,6号、福島第二、女川は安全に停止した。この事実より、日本再生には脱原発・再稼働のどちらがいいのかを問う。


主催 : (公社)日本技術士会中部本部 愛知県技術士会

日時 : 2013年9月18日(水) 18:30〜20:00

場所 : 花車ビル北館 6階会議室

会費 : 500円

講師 : 木村正彦 (技術士(建設部門))


項目 内  容
現在の福島第一原子力発電所1〜4号機の状況 ―放射線汚染はかなり進んでいる(陸も海も)ー 福島第一原子力発電所1〜4号機は、2012年4月20日付けで電気事業法上,法的に廃炉が決定した.。最悪の事態を招いた現在の福島第一原子力発電所1〜4号機の現況を知ることは、原子力発電所の今後を知るには非常に大切であると考える。また、放射線汚染の現況も紹介する。
福島第一1〜4号機と福島第一5,6号機、福島第二、女川、東海2号機との違い ―事故と冷温停止の違い― 事故を起こした福島第一1〜4号機と冷温停止した福島第一56号機、福島第二、女川、東海2号機を比較検証することは、地震・津波に対する原子力発電所の安全性の検証には生きた題材となると考え、その相違がどこに起因するかを示す。
再稼働か廃炉か ―原子力発電所の経済性を他の発電形式と比較する― 廃炉にするのは簡単である。原子力発電所は準国産エネルギーとして位置づけられ、エネルギー資源をほとんど国内で確保できない我が国にとっては、重要なエネルギー源でもある。原子力廃棄物の問題も踏まえ、他の発電方式との経済性を比較検証する。
除染事業の現在と将来 ―まだ先は本当に長い― 福島第一原子力発電所1〜4号機から出た放射性物質の放射線を食い止めるのが「除染」である。産官学民の除染事業への現在の取り組みとその将来性について論じる。
日本再生のためにはどのようなエネルギー政策・事業形態を進めたらいいのか ―エネルギー資源の見地から考える― 水力、火力、原子力、太陽光、風力、地熱、バイオマス、燃料電池、波力・潮力・温度差・濃度差(以上、海洋)、振動、冷熱、MHD(電磁流体発電)など、発電方式はいくつもあるが、やはり化石燃料を食い潰す火力発電が一番では技術者として芸がない。トリウム発電、核融合発電も十分考えられる。
活断層よりテロの方が危ない ―リスクマネジメントの観点より原子力発電所の事故発生を考えるー 活断層(実際は断層跡、命名も悪い。“活魚”料理と間違える?)という発生確率が非常に低い事象によって、原子力発電所の再稼働問題の本質的な論議が停止している。活断層より、地震や津波の方が発生確率が高い。それより、人的なテロ・ロケット攻撃の方が原子力発電所は危険にさらされている。